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765 :名前:まゆら×りの 百合 :2005/11/16(水) 15:52:38 ID:kmA7/wl2
「まゆら先輩〜…」
 ドアの向こう側で小さく自分を呼ぶ声が聞こえて、まゆらは書きかけの決算書から目を離した。
 ぐずぐずと鼻をすする音が聞こえる。どうやら泣いているようだ。すぐに
ドアの向こうにいるのが誰であるかを理解し、まゆらは出来るだけ優しく声をかけた。
「りの? 入っておいで」
「まゆらせんぱぁい…」
 予想通り、そこにいたのは蘭堂りの。彼女の泣き顔はもう見慣れたもので、まゆらは
呆れたようにため息をつく。しかしそのため息は、余計にりのの涙を落とさせる結果となって
しまい、まゆらは慌ててりのに駆け寄った。
「あーあー…ごめんね、りの。どしたの、大丈夫?」
 なでなでとりのの頭を撫でてやると、りのは手で涙を拭い、まゆらを見上げた。まるで捨てられた
仔犬のような目に、まゆらは親のような心境になってしまう。
 まったく、なぜこの子はこんなにも人の母性本能をくすぐるのか。
 関わるとろくなことにならない。けれど、関わらずにはいられない不思議な力を持つ
この少女。まゆらはりのに関わるたびに温かい気持ちが胸に生まれるのを感じていた。
「それで、どうしたの?」
「それが…まゆら先輩。私、また赤点を取っちゃいそうなんです…」
「また!? というか…今、定期テストの期間じゃないけど」
「それが…」
 りのの説明によると、定期テストの前に小テストならぬ中テストを行う授業があるというのだ。
その点数が、定期テストの点数に加点され、総合的に成績を出すという。
「私…定期テストでいい点数取れないから、ここで取っておかないと…ぴんちなんです」
「そうねぇ…りのは生粋のバカだから」
「はっきり言わないで下さい〜!」
 むぅっと頬を膨らませて詰め寄ってくるりのをなだめ、まゆらはベッドに腰を降ろした。
手招きをすると、りのもその隣にそっと腰を降ろす。
「つまり、私に勉強教えて欲しいってわけね。いいよ、教科は?」
「あ、ありがとうございます〜。教科は保健体育です」
「え…」
 りのが差し出してきた教科書をぱらぱらとめくる。付箋でしるしをされたテスト範囲を
確認すると、そこには子供の出来る仕組み、男女の営みについてが記されていた。
 確かにまゆらも中学時代に勉強したことではあるが、それを自分から口にして
教えるということには、若干の抵抗があった。
「うーん…」
「やっぱり、ダメ…ですか?」
「う…」
 また仔犬の目。こんな目をされたら断ることなんて出来るわけがない。まゆらは
降参とでも言わんばかりに肩をすくめた。
 可愛い後輩のためだ、ここは先輩として一肌脱いであげよう。
 そう決心したまゆらは、りのの肩を軽く叩いて笑いかけた。
「ビシバシ教えるかんね。覚悟しなよ?」
「はいっ! お願いします、まゆら先輩!」
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
「りのって…本当に生粋のバカね…」
「うぅ〜…言わないで下さい〜」
 まゆらが羞恥心を抑えてどれだけ丁寧に教えても、りのは一向に理解しない。
そもそも、男と女がそういうことをする、ということについての知識が非常に少ないのだ。
話の根源にあるものを理解しなければ、用語などの暗記も要領よくいかない。
 けれど、男女の営みについてゼロから教えるのは、さすがのまゆらでも厳しいものがあった。

766 :名前:まゆら×りの 百合 :2005/11/16(水) 15:53:21 ID:kmA7/wl2
「んー…どうすればいいかなぁ」
「やっぱり私ってバカですね……えっと、まゆら先輩!」
「ん、なに?」
 まゆらが困った顔をしているのを見たりのは、笑顔でぴょんっとベッドから飛び降りる。
「えっと、これ以上まゆら先輩に迷惑かけられませんから、あとは自分で勉強しますね」
「ちょ、ちょっと大丈夫なの!? 赤点取ったら極上生徒会にいられなくなるのよ」
「…だって、まゆら先輩に迷惑かけたくないですから」
 りのの笑顔や言葉が、まゆらの胸に突き刺さる。
 もしも、りのが赤点を取ってしまったら。そして極上生徒会から去ってしまうことになったら。
想像しただけで、まゆらの胸がちくりと痛む。この笑顔を見れなくなってしまうことだけは絶対に嫌だった。
「りの、おいで」
「まゆら先輩…?」
 再びまゆらに手招きされ、りのはそろそろとまゆらに近寄っていく。まゆらがベッドをポンポンと
叩くと、りのはベッドの中心にぺたりと腰をおろした。
「こうなったら、実践で覚えましょう。女同士だから多少の差異はあるけど、基本は同じ? だと思うから」
「まゆら先輩―――んっ」
 突然、りのの唇にまゆらのそれが触れて、りのは驚いたような顔でまゆらを見た。
「なんか…間違ってる気もしなくはないけど…とりあえず、やるだけやってみましょう。
 まぁ正直なところ私もよく分からないど、りののためだからね。一緒に頑張ろ?」
「まゆら先輩〜! ありがとうございますぅ〜!」
「わわっ、りの、ちょっと…!」
 りのはベッドの上でぴょんと跳ねると、まゆらに飛びつく。
まゆらはそれを支えきれずに、ふたりは転がるようにしてベッドに横になった。
 くすくすと笑いあった後、まゆらはそっとりのの服に手をかける。
2年前までは自分も着ていた制服。ボタンの位置は熟知している。
まゆらはりのに口付けながら、制服をそろそろと脱がしにかかった。
 りのはそれに抵抗することもなく、大人しく目を閉じている。さらに、まゆらが
スカートに手をかけると、脱ぎやすいように腰を持ち上げてそれに応えた。
「りの、ブラも外すわよ…?」
「ん…は、はい」
 ブラを外すのにはお互いに少しだけ抵抗があったものの、まゆらがホックを外すと、りのも
大人しくそれに従う。そしてピンク色の可愛いブラが外れると、わずかなふくらみと
その頂点の突起があらわになり、まゆらは思わずそれに見入ってしまう。
 お風呂で見かけたことはあるものの、こんな風に真正面からじっと見たのは初めての経験だ。
「りの、可愛いよ」
「そ、そうですか…?」
 下着だけになったりのを褒めると、りのは照れたように笑顔を見せる。かと思うと、
今度はそれがすぐにふくれっ面に変わった。
「まゆら先輩も脱いでくれますか?」
「え、ええ!? 私も脱ぐの!?」
「だって私だけ脱ぐのってずるいです!」
 確かに、自分はブレザーをばっちりと着込んでいるのに、りのは下着姿。違和感があるといえば…ある。
 まゆらがひとりで服を脱ぐか脱ぐまいか悩んでいると、りのがそろそろとまゆらのリボンに手をかけた。
「り、りの〜!?」
「えへへ」
 どこか楽しそうに、りのはまゆらのブレザーとブラウスのボタンを外していく。
 手先が不器用だからなのか、なかなかボタンが外れずにまゆらはもどかしさを感じる。
(あーもう、自分で脱いだ方が早いわよ〜!)
 しかし、せっかくりのが一生懸命になっているのだ。そんなことを言うのはさすがに気がひける。
 結局、りのが全てのボタンを外し終わるまで、まゆらは目のやり場に困りながら、そわそわとし続けたのだった。

767 :名前:まゆら×りの 百合 :2005/11/16(水) 15:53:54 ID:kmA7/wl2
「……」
「……」
 ふたりして、ショーツのみの姿で向かい合う。
ベッドの中心で正座した状態で向かい合ったまま、ふたりは動かない。
「まゆら先輩…これからどうすればいいんでしょうか…」
「わ、私だってよく分からないわよ〜」
 この先どうすればいいのか、知識としては知っている。しかし、それを実行する
ことがためらわれて、まゆらは泣きそうな声をあげた。
「そうだ! まゆら先輩!」
「な、なに!?」
「私、アユちゃんに教えてもらったことがあるんです。それを試してみてもいいですか?」
「な、何するの……って、りの―――んぁっ!?」
 りのがふっと近寄ってきたかと思うと、胸から電気の走るような感覚がして、まゆらは目を強く閉じた。
 そっと薄目を開けて胸元を見ると、りのがまゆらの胸の頂点を口に含んでいる。りのが顔を
わずかに動かすたびに強い電流が走り、まゆらはビクビクと体を震わせた。
「まゆら先輩…こんな感じでしょうか?」
「わ、分かんないけど…き、気持ち、よかった…かも」
「ホントですか!?」
 今りのは、自分の中にある、わずかな知識を総動員させてくれているのだろう。
 その健気さや、嬉しそうに顔を輝かせるりのが、まゆらは愛おしくてたまらなくなってくる。
この子が、感じている姿を…見たい。そう思ったときには、まゆらはりのの胸に口付けていた。
「ま、まゆらせんぱ…い…う、ん」
 突起を舌で転がすようにすると、りのは頬を赤く染めて強く目を閉じる。その顔は、
普段のりのからは考えられないような色っぽい表情で、まゆらの胸はどきどきと高鳴った。
「りの…」
 小さく名前を呼び、執拗に胸を攻める。空いた手でもう片方の胸をやわやわと揉み、強弱をつけて乳首を吸う。
その度に、まゆらの胸の先端がりののお腹に擦れて、まゆらはもじもじと太ももを動かした。
「り、りの…んぁ…」
「まゆら先輩っ……ん、はぁっ…」
りのの声が少しだけ高くなったのを感じたまゆらは、今度はりののショーツの中に手をもぐりこませた。
 薄い茂みをかき分けて指を動かしていくと、ぬるりとした感触に指が包まれた。
こんなに幼いりのが、こんな風にここを濡らしている。その事実が、まゆらを興奮させる。
――クチュ、ヌチ
 まゆらが指を動かす度にいやらしい音が部屋中に響く。とろりとした液体が溢れてくる
その穴を塞ぐように指を入れたり出したりしながら、敏感な突起を空いた指で弄ぶ。
 知識として、ここが感じる場所であると知ってはいたが、実際に触ったことはない。
まゆらは、りのの様子を見ながら指を動かしていく。
「ま、まゆらせんぱ、い…ふ、はぁ…ぅん」
 りのの声が、いっそう高くなる。やはり、この場所が感じるというのは本当らしい。

768 :名前:まゆら×りの 百合 :2005/11/16(水) 15:54:29 ID:kmA7/wl2
「なんか、私達すごいことしてない…?」
「こ、こんな状態で、冷静に、言わない・・・で下さ…ん、はぁっ、んぁぁあああっ!!」
 まゆらが指を少しだけ深くまで差し入れた途端、りのは今日一番の大声をあげて背中を仰け反らせた。
体をビクビクと座礁させ、何かを耐えるように目を閉じている。りのの体が震えるたびに、まゆらの
指もきゅ、きゅ、と締めつけられた。
「はぁ、はぁ…まゆら、先輩…」
「りの…もしかして、これってイッたってやつなのかしら…」
「よ、よくわかんないでしゅけど」
「りの、舌回ってない」
「ら、らって…」
 それから、りのはしばらく荒い息を吐いていたが、数分して落ち着くとむくりとおきあがった。
「まゆら先輩、私ばっかりいじめられてズルいです」
「い、いじめてなんかないわよ〜」
「だってなんか、私すごく疲れたんですけど…」
「そ、それは…」
 イク、という現象はまゆら自身も初めて目にしたものであり、りのに説明するのはなんとも難しい。
 まゆらが頭の中で言葉をさがしていると、りのはぴとりとまゆらにもたれかかった。
「でも……疲れたけど、なんだか幸せでした」
「え…?」
「まゆら先輩に触れられていると、なんだか幸せな気分になるんです」
「りの……」
「これが“セックス”なんです、よね?」
「うん…だと、思う」
「もしかして、教科書に載ってた“人間は生殖以外の目的でも、セックスをする”っていうのは
 こういう気持ちを味わうためなんですか?」
「へ?」
 突然質問を投げかけられ、まゆらは思わず聞き返してしまう。けれど、よくよくりのの言葉を
考えてみると、なるほど確かに納得がいく。
 こうしてりのと触れ合うことは、生殖とはなんら関係ない。けれど、まゆら自身も
いま温かい気持ちを感じているのだ。つまり、りのの言わんとすることは、そういうことだ。
「そっか……そうかも、ね。私も、いま幸せだもん」
「やっぱり。わ〜い勉強になりましたぁ」
「よかったね、りの」
 無邪気に喜ぶりのを見ていると、まゆらの顔は自然と緩む。
優しく微笑んだままりのの頭を軽く撫でてやると、りのはまゆらを見つめた。
「えっと、それじゃあまゆら先輩にも同じことしてあげますね」
「え、えぇ!?」
「だって、まゆら先輩にもこの気持ち味わって欲しいです」
 そう言って、りのはにこりと笑う。その笑顔はどことなくいたずらっぽくて…。
いつもダメダメな後輩として可愛がっていたこの子に、こんな表情をされる日がくるとは。
「ふふふ、逃げられませんよ〜まゆら先輩」
「り、りの…なんか急に積極的になってない? というか…キャラ変わってる」
「ふぇ? そうですか? 私はいつもと何も変わってないですよぉ」
「……」
「まゆら先輩もいつも通り優しくて。何も変わってません」
 りのにそう言われ、まゆらはため息をつく。そう、自分もりのも、何も変わっていない。
たったひとつだけ変わったとしたら、この子が可愛くてしょうがなくなってしまったということ。
「りの、大好きだよ」
「はいっ、私もまゆら先輩のこと大好きです」
「そう? ありがと、りの」
 まゆらがりのの頬に軽く口付けをすると、りのははにかんだように笑う。
そして、まゆらの目をちらりと見たかと思うと、まゆらの唇に自分の唇を重ねた。
「それじゃあ、今度はまゆら先輩の番ですからね〜」
「り、りの! ちょっとストップすとっぷぅぅぅうううう!?」
 こうして、ふたりの夜は更けていく。
 翌日りのは、テストの回答にやたらと事細かに答え、高得点を取ったとか取らなかったとか。