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747 :名前:まゆら×奏(百合)その1 :2005/11/16(水) 02:19:17 ID:OS6qcuKk
「予算が……足りない……」
 極上生徒会会計・市川まゆらは、休日の宮神学園生徒会室で一人机に突っ伏していた。
 遊撃部が破壊した校内備品の代替費、隠密部が使用した盗聴機器のレンタル費、
シンディ真鍋が傷をつけた車の修理費、蘭堂りのとプッチャンの食費……
 余分なところを削りに削って、極上寮の食事を三食具なしカレーと水だけにしてみても、
それでも今月部の予算がマイナスになってしまうのだ。
 極上生徒会の財政を預かる者として、それだけはプライドが許さない。第一、敬愛する
会長である神宮司奏に顔向けが出来ない。そこで休日返上でこうして一人、黙々と算盤を
はじき続けていたのだが……結論。無理。無茶。無謀。
「……なんとかなるわけないじゃない〜……」
 涙声でうなるまゆら。だからといって彼女を責められるわけも無い。極上生徒会は浪費も極上、
財政を破綻させずになんとかやっていけているのも、偏にまゆらの天性の才能と弛まぬ努力の
賜物なのだ。彼女は実によく頑張っている──ただ、生徒会メンバーの無駄遣いがそれをさらに
上回っているだけだ。
「………………やっぱり、これしかないのかしら……」
 机に突っ伏したまま、まゆらは制服のポケットに手を入れ、そこにあるしわくちゃな紙切れを
取り出す。それは昨日極上寮の郵便受けに放り込まれていたもので、隣町のとある店の広告だった。
まゆらは最初、それに書かれている事を理解した瞬間に丸めてゴミ箱へ放り捨てたが、次の瞬間に
頭の中で実に単純な計算が成り立ち、結局拾い上げて保管していたのだ。
 まゆらは汚いものでも触るようにその紙を広げ、汚いものでも見るように眉をしかめて内容を読んだ。

 “あなたの制服・体操服・水着・下着etc、高値で買います!”

 ──いわゆる、ブルセラショップの買取広告であった。

748 :名前:まゆら×奏(百合)その2 :2005/11/16(水) 02:21:49 ID:OS6qcuKk
 各地の学校の各種制服、現役生徒の使用済み下着、その他いったい何に使うのか想像もしたくない
ような色々なものまで。いずれもまゆらの感覚では全くもって理解できない高値がつけられている。
 理解できない。全くもって理解は出来ない──が。
「ワゴンセールの三枚千円の下着を買って、はいて脱いで売るだけで、一枚千円で売れたとしても
 二千円の純利益……十回繰り返せばそれだけで二万円……ああ……予算的にはおいしすぎる……」
 無論、制服や水着などには下着よりもかなりの高額がつけられてはいるのだが、いくら予算のためとはいえ、
宮神学園の品位を下げるようなことが許されるわけが無い。何よりも、自分がそれを許さない──
というわけで、自ずとまゆらに残された選択肢は『自分の下着を売る』という事だけだった。
(でも、よく考えるのよまゆら。あなたは花も恥じらう乙女なのよ? いくら予算のためとは言え、
 そんなことまでしていいの? というか、遊撃や隠密の後始末のために私がそこまでしなきゃならないの!?)
 能天気に破壊活動を行うれいんや小百合、事後承諾で高価な機材を借り出し悪びれもしない久遠や聖奈、
無邪気な笑顔でなんだかんだ言って最も大きな被害総額を叩き出しているりの……彼女達の顔が次々と
脳裏に浮かんでは消え、まゆらはやはり広告を引き裂こうとして両手をかけた。

 “大丈夫。まゆらさんならなんとかしてくれるわ。”

 そこで奏会長の笑顔さえ浮かんでこなければ、まゆらはそのまま広告を破り捨てていたに違いない。
「………………はぁ」
 結局、負けてしまうのだ。あの人の笑顔には。あの人を悲しませたくない。あの人を喜ばせたい。
極上生徒会のメンバーも皆、自分と同じだと分かっている。分かっているから──まゆらは、負けてしまうのだ。
「私もホントにお人好しよね……よしっ!」
 覚悟は決まった。そして、どうせやるならより大きな利益を。まゆらは今度は熱心に広告に目を通し始めた。
チェックすべきは“買取価格UP”の条件。その場で脱いで直接売る、着用者の写真付、学生証明書のコピー等、
色々と冗談ではない条件が続く中、ふと、まゆらの目が一文に止まった。

 ・恥ずかしいシミつき。(特にオナニー後のもの高価買取!)

「……は……恥ずかしいシミ……オ……オナ、オナ……」
 意味不明に呟くまゆらの顔は、耳まで真っ赤になっている。破裂しそうになる頭で、まゆらはそれでも考えていた。
店で脱ぐだの、写真だの、学生証だの、そんなのは色んな意味でリスクが高すぎる。だが、これなら。一人でこっそり
シミをつければいいだけの話だ。どうせ使用済みで汚れた下着しか買ってくれないらしいから、シミの一つや二つ……
部屋で、一人で、こっそり…………オナニーの仕方くらい、知ってる…………
「……………………」 
 なぜだろう。急に早鐘を打ち出した心臓が苦しい。運動をしたわけでもないのに、呼吸が少し乱れている。
(オナニーの…………仕方くらい…………)
 まゆらはゆっくり周りを見回した。まぁそんなことをするまでもなく、休日の生徒会室に人なんているはずもないが。
 椅子に座ったまま、右手をゆっくりとスカートの中へ滑り込ませた。

749 :名前:まゆら×奏(百合)その2 :2005/11/16(水) 02:26:25 ID:OS6qcuKk
(学校で……しかも生徒会室で、こんなこと……)
 後ろめたい気持ちが、太ももを撫でるその手をそれ以上進ませようとしない。
だが、そうやって我慢すればするほど心臓は苦しくなって、呼吸は乱れて、
内股からじれったく伝わる小さな快感だけでさえ、まゆらの秘部は少しずつ潤い始める。
「…………っ…………はぁ…………」
(だめ…………触っちゃダメ…………止まらなく、なる…………)
 ──快感を知っている者の手は、そうは簡単に止まらない。むしろ、こんな場所で、
という背徳感すら、欲望の前には格好のエサに過ぎないのだ。それをまゆらは知ることになった。
「はんっ!」
 軽く、指で突いただけだ。それだけで、いつもと比べてありえない快感がまゆらを貫いた。
腰を伝って頭のてっぺんまで、一瞬で電気が走ったような痺れ。
「な……なに……なんで……いつもより……んんっ!」
 布越しに自分の突起に触れた中指が、ぴくりと痙攣する。予想外の刺激に、まゆらは思わず
眉根を寄せてうなじを反らせた。
「ダメ……声……出ちゃう……」
 誰も聞いてはいないはずだが、それとこれとは別問題だ。さすがにここで声をあげて喘いでしまうのは、
いくらなんでも恥ずかしい……まゆらは左手をにぎり、少しだけ立てた人差し指を噛んだ。
(これで……少しは……大丈夫……)
 いつの間にか、『こんな場所で出来ない』から『声を出してはいけない』に変わっている事に、
気付いているのかいないのか、とろけた瞼のまゆらは下着越しにヒダを中指で擦り始めた。おそるおそる、
ゆっくりと……次第に、指を左右に揺らせたり、奥に押し込んだりし始める。
「ふっ……ふぅっ……んぅ……」
 歯形がつくほど強く噛み締められた人差し指に、唇から唾液が伝う。微かな吐息と共に漏れる
小さな喘ぎが、無人の生徒会室に響く。
(予算のため……これは、予算のため……)
 唇で指を甘噛みし、舌先でちろちろとなめる。指先までが性感帯になってしまったように、
まゆらは口と指を動かし続ける。
「ひっ…………ひぃん…………ん…………む…………ぷはぁ…………」
 左手を口で犯しながら、右手は中指で下着をずらし、人差し指で直接秘部に触れる。まだ焦らすようにしか
触っていないのに、まゆらのそこはすでにしっとりと湿っており、従順に人差し指の蹂躙を受け入れる。
「んっ! あっ、はっ、いっ、いっ……!」
 思い出したように指に噛み付く。焦点の合わない目が、いつも会長が座っている席をぼんやりと眺める。
「会長……奏会長……あっ、あっ、あっ……」
 意思とは無関係に、指の動きが激しくなる。水音がひどく卑猥に響く。爪の先で、最も敏感な部分を転がす。
敏感すぎて直接触れると痛いので、皮の上からこね回す。愛液が潤滑油の役割を果たし、たまに皮がむけて
指が触れるたび、まゆらの腰が椅子の上で跳ねる。
「あっ、んっ、もっ、もぅ……イク……イク…………」
 左手が算盤をぎゅっと握り締める。まさに達しようとしたその瞬間──
 かちゃり、と、ドアノブが回る音がした。
「あら……まゆらさん?」
「かっ……会、長……!?」
 まゆらの後方、ドアの方から聞こえた声は、紛れもなく神宮司奏その人だった。まゆらは驚いて思わず
立ち上がりかけ、今立ち上がったらまずい、と思い返し、慌てて浮かせた腰を下ろし……その拍子に、
中指がむき出しになった陰核を突き上げた。
「────っ! …………っ、〜〜〜〜〜っっっ!」
 敬愛する人の前で、必死で声を抑えながら、まゆらは絶頂を迎えた。

750 :名前:まゆら×奏(百合)その4 :2005/11/16(水) 02:32:15 ID:OS6qcuKk
「まゆらさん……? どうしたの、具合でも悪いの?」
「…………あ……い、いえ……大丈夫……です。ちょっと……びっくりして、しまって……」
 奏の声は近づいてこない。まゆらは懸命に息を整える。大丈夫だ。会長は真後ろのドアから
入ってきて、私は大きな背もたれのある椅子に座っている。会長が今入ってきたばっかりだとしたら、
私が何をしていたかは、バレてないはず。
 ……本当に、今入ってきたばかりだとしたら。
「か、会長は……どうしてここに? 今日、お休みですよ?」
 ゆっくりと、自然な動きでスカートの中から手を戻し、首だけで振り向き、まゆらは奏に声をかけた。
「ええ、どうしても明日までに見ておかなければならない資料をここに忘れてしまって……それで
 取りに来たの。まゆらさんはどうして?」
「私は、予算の件です。今月の予算がどうしても足りそうにないんで、色々と調整をしてみようと思いまして……」
「まぁ、そうだったの……いつもまゆらさんには苦労をかけるわね」
「い、いえ。これが私の仕事ですから。それに、ギリギリで予算をやりくりするのも、慣れてくれば
 スリルがあっていいかなー、なんて思いますし。はい」
「ありがとう。まゆらさんには本当に感謝してるわ。予算のことでも、私に出来ることがあったら
 なんでも言ってね。出来る限りのお手伝いはさせていただくわ」
「そう言って貰えると、私としても報われます。それに、予算のことなら心配しないで下さい!
 なんとか目処は立ちましたから!」
 下着にも、立派なシミがついただろうし……半ばやけくそ気味に、まゆらはそんなことを思う。
「さすがはまゆらさんね。でも、何か私に出来ることがまだあるでしょう?」
 神宮司奏は、絶対的に人の上に立つ立場でありながら、それを鼻にかける様子がちっとも無い。
今だって、こうやってわざわざいち会計の事を案じて、何か出来ることは無いかと言ってくれている。
だからこそ、慕われているのだ。
「いえ、本当に大丈夫ですから。そのお気持ちだけで十分です、はい」
 笑顔で答えるまゆら。会長は少し小首を傾げて苦笑した。
「でもねまゆらさん。私は、何かお手伝いがしたいのよ。そうね、例えば……」
 奏はまゆらに近づいていき、椅子の背もたれ越しに、まゆらを抱き締めた。
「えっ……ちょっと会長……ひゃっ!?」
「例えば……恥ずかしいシミをつけるお手伝いとか、ね?」
「かっ、かっ、会長っ!? なななな、なんの事っ、ですかっ、んぁっ!?」
 奏の左手が首元から制服の中に滑り込み、まゆらの胸に触れた。
「ウソはダメよ……こんなに乳首を硬くしておいて」
「きょっ、今日は……あっ、寒いっ、ですから……っ」
「そう……じゃあ、こっちは……?」
 左手で乳房を優しく撫でまわしながら、右手をついさっきまで熱く潤っていたまゆらの秘部へ滑り込ませる。
「んぁあっ! だめっ、だめですってば会長……っ! 私、さっき、イったばかりで……」
「へえ? そう? さっきイったばかりなの?」
「あ……あぅ……それは、違うんです、予算が……予算がぁ……」
「そうね……予算のために、しっかりシミをつけなければいけないわね……」
 まゆらの愛液でぬれた自分の指に舌を這わせ、奏は妖艶に微笑んだ。

751 :名前:まゆら×奏(百合)その5 :2005/11/16(水) 02:37:45 ID:OS6qcuKk
「えぇ……?」
 奏はまゆらから一旦身を離し、今度は椅子に座ったまゆらの正面にひざまずいた。
そっとまゆらの両膝に手を添える。ゆっくりと足を撫で回され、ぴくんぴくんと
身をよじらせるまゆらに、奏は意地悪そうに微笑んで小さく舌を出した。そしてそのまま、
まゆらの両ひざをゆっくりとこじ開け、股間に顔を近づけていく。
「や、やめて……下さい……」
「抵抗しないで……お手伝い、させて?」
 弱々しい力でひざを閉じようとするまゆら。が、下半身に全くといっていいほど力が入らない。
ふるふると小さく震える足は奏の両手にいともあっさり陥落し、奏の舌がまゆらの下着に触れる。
「かい、ちょぉ……な……舐めるんですか……? 本当に、舐めるん、ですかぁ……? あぁ……」
 奏は答えず、舌に唾液をたっぷり絡ませ、布越しにまゆらの中へと挿し込んだ。
「ふぁっ、あぁぁっ! 会長っ、あっ、会長っ!」
 奏の唾液とまゆら自身の愛液で、下着の布はもうぐっしょり濡れそぼっており、伝わる快感を
妨げることもなく、むしろその薄布一枚ごしのじれったさがよりまゆらの快感を引き伸ばす。
『気持ちいいの? まゆらさん?』
「いいっ、いいですっ、すごくっ、いいですぅ……っ!」
『安心して……もっと、気持ちよくなってね……』 
「はいっ、はいっ、もう、なんか、もぅ、あぁぁぁぁ……」
 この時、奏もまゆらも、その現象に気付かない。
 奏の口はまゆらを吸っていて、声を出せるはずはない。なのに、まゆらは奏の声を聞いている。
そしてその声に応えている。おかしいと思わなければならないのだが、今の二人は快楽に身も心も
支配され、それどころではかった。
 奏の唾液がまゆらの内股を伝う。奏は犬のように舌を出し、息を荒くして一心にまゆらを貪る。
「はんっ、ふぅっ、んぁっ、あっ、あっ……うぅぅ〜っ、そんな、そんなぁ……」
 炎を発することなく肉体にくすぶり続けた燠火のような快感は、一定の容量を超えた時点で、
一斉に燃え上がる。からだの内にその爆発寸前の熱を感じて、まゆらは涙を流しながら大きく喘いだ。
「だめっ、だめですっ、会長っ、私……私ぃ……っ!」
『いいのよ。イって。思い切り、気持ちよくなって。感じて。我慢しないで。声を出して。私に、聞かせて』
 奏の『声』が、まゆらの心に直接突き刺さる。奏の舌が、まゆらの陰核を直接刺激する。悦楽を強制され、
また悦楽を解放されたまゆらは、びくんと体を震わせた。
「────あっ、ああっ、〜〜〜〜〜っ!! んあああああああ〜っ!!」
 二度、三度と、大きく腰を跳ねさせるまゆら。奏はその腰に両手でしがみつき、なお執拗に吸い続けた。
「か、会長っ……会長ぅぅぅ〜……もう、だめっ、やめてっ、下さい……っ!」
『……やめてあげない』
「そ、そんなぁ〜……私、イキました、んぁっ……イキましたっ、からぁ……!」
 まゆらはイヤイヤと首を振り、両手で奏の頭を押さえつける。普段なら絶対にやらないことだが、
これ以上やられると気が狂ってしまいそうだったのだ。
 奏は最後に一度、下着の横から直接舌をねじ込み、奥まで押し込んで、湧き出る愛液をすすって口を離した。
「はぁんっ! …………っ、はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ…………」
「残念……可愛かったのに」
「〜〜〜〜〜っ!」
 まゆらは真っ赤になって両手で顔を隠した。

752 :名前:まゆら×奏(百合)その6 :2005/11/16(水) 02:40:00 ID:OS6qcuKk
 いまだ朦朧として世界の輪郭すらはっきりと認識できない頭の中で、まゆらはぼんやりと奏の声を聞いた。
『……私も、気持ちよくなりたい……』
「……ぇえ……?」
『まゆらさんと同じように、気持ちよくなりたい……同じようにしてほしい……』
「……あぁ……はい……えっと……」
 低下した思考能力で、その声に従うままに、まゆらは奏を床に押し倒した。
「えっ……!? ま、まゆらさん……?」
「こう……ですか……?」
 そして奏のスカートをたくし上げ、左手でその滑らかな太ももを撫でさすり、鼻先で股間を刺激する。
右手を制服の下からもぐりこませ、形の良い胸を艶かしく揉みしだく。
「あっ……まゆらさん……どうし、て……?」

 奏は今、一種のトランス状態にあった。
 まゆらを組み敷いた時の支配欲、征服欲、そして性欲。そういったものの高揚により、
極度の興奮状態になり、普段は決して外すことの無い心のタガが、無意識に外れてしまっていた。
 すなわち──『言霊』。古くより受け継がれてきた、神宮司の力。その発露。
 人の心に、その思考や行動に、任意の指向性を植えつける能力。
 さっきからまゆらが頭の中で聞いていた声は、奏の発する『言霊』だった。普段『言霊』を使うことは、
V機関の承認なしには許されることではない。奏とて、人の心を意のままに操ることなど望んではいない。
 だが──なんらかのきっかけでその鍵が外れてしまい、しかもその『言霊』と、言霊を受けた人間の
本来の指向性が重なっていた場合、それは絶大な相乗効果をもたらす事になる。
 そう、つまり──今回の奏とまゆらのように。

753 :名前:まゆら×奏(百合)その7 :2005/11/16(水) 02:42:36 ID:OS6qcuKk
「会長……こう、ですか……? んっ……気持ちいい、ですか……?」
「んあっ……まゆら、さん……やめて……私はいいの……やめなさい……」
『だめ……やめないで……もっと……もっと触って……』
「ええっ……どっちなんですかぁ……分かりません……よぉ……」
 泥酔したように揺れる口調で、まゆらは奏の制服を脱がせにかかる。ジャケットのボタンをはずし、
リボンを少しだけ緩め、ブラウスをたくしあげ、はだけさせた奏の乳首を口に含む。小さくてきれいな
桜色をしたそれを、子猫がミルクを飲むように、何度も何度も舐めあげる。
「あぁんっ……やめて……んっ、あぁっ、おねがい、やめて……」
『いい……気持ちいい……まゆらさん……もっと……』
「もぉ……はっきりして……下さいよぉ……はぁ……ん……」
 まゆらにとっては、矛盾したことしか言わないその唇を、自分の唇で挟み込んだ。口付けとは少し違う、
奏の上唇を、執拗に唇だけで噛み、舐め回す。奏が、もっと濃厚な口付けを求めるように、唇を開く。
熱い吐息が交じり合う。時折口の中に舌を入れるが、奏が応えようとするとすぐに引っ込めてしまう。
「ん……あ……そんな……まゆらさんの、いじわる……」
『いじわる……しないで……』
「そうです……最初っから、素直にしてればいいんですよ……」
「あぁっ……んっ……ふぅっ、ん……」
 今度こそ重ね合わされた口の中で、お互いの舌がお互いを愛撫しあう。自分の唾液を相手へ。
相手の唾液を自分へ。それが何よりもの媚薬だと、本能が知っている。
「んあっ!」
 口付けに夢中な奏の陰部へ、ふいにまゆらの指が侵入する。完全な不意打ちに、奏は激しく背を反らせる。
「分かり……ますよ。ココ……でしょう? ここが……イイんですよ……ね?」
「あっ、あっ、んぁぁっ! はっ、はぁっ、はぁんっ……」
 唇から顎、首筋、鎖骨、乳房、肋骨、脇腹、へそ……通過する全ての場所に舌を這わせながら、まゆらは
自分がされたように、奏の秘部へ舌を深く挿し込んだ。
「あっ、んっ……ふぅぅぅぅぅ〜〜〜っ……! あっ、あっ、まゆらっ、さんっ……!」
 奥を舌で愛撫するたび、とめどなく溢れ出る蜜を指ですくい、奏の後ろの穴に塗りつける。
「ひぁっ!? ま、まゆらさん、そっちは……ぅぅんっ!」
 指で刺激するたび、膣穴が痙攣する。また蜜が溢れ出る……それを舌に絡ませ、小さな陰核を舐め上げる。
「あっ! あっ! そっ、んなっ、同時にっ、なんて……っ!」
「会長……可愛いです……会長……顔も、声も、舌も、胸も、爪も、息も、全部、全部……」
 恍惚とした表情で、まゆらは奏の全身を愛する。その囁く言葉、その見つめる視線さえ、今の彼女達には
全身を犯す性具となっている。
「ああ……そんな……そんなこと、あっ、言わないで……あんっ、あぁっ、はっ、恥ずか……しい……っ」
「可愛い……会長……もっと、もっと可愛くなって下さい……私に、もっと、可愛い会長、見せて下さい……」
「あっ、まゆらさんっ、もうっ、だめっ、わたしっ、あっ、んあっ、まゆらさんっ、まゆらさんっ……!」
 まゆらの中指と薬指に膣を犯され、親指に陰核を嬲られ、小指で菊座を刺激され……奏は絶頂寸前だった。
『まゆらさん……いい……気持ちいい……!』
「えっ……あっ……? なに、これ……あっ、あっ、あぁぁっ?」
 突然まゆらは、自分の性器にも突き抜けるような快感を感じた。
「私がっ、あっ、会長をっ、犯してるのに……んっ、私がっ、されてるみたい……っ? んぁぁっ!」
 奏の『言霊』が、言葉だけではなく、奏自身の快感さえをも、まゆらに伝えている。
「まゆらっ、さんっ! 気持ちいいっ、あっ、あっ、もっ、だめっ、イクっ、イクっ……」
『一緒に……まゆらさんも、一緒に……』
「あっ? はっ、はいっ、私っ、もっ? 一緒、にっ、あっ、あんっ、はぁっ、はぁっ!」
「だめ、イク、イク、イク、イク…………イクぅぅぅ…………っ!!」
「あっ、んあっ、あーーーーーっ!!」
 ──そして二人は、同時に絶頂を迎えた。

754 :名前:まゆら×奏(百合)その8 :2005/11/16(水) 02:45:14 ID:OS6qcuKk
 ──無人の生徒会室で二人きり。奏とまゆらは壁を背に座り込んで、肩を寄せ合っていた。
「私のシミつきの下着は、いくらで売れるかしら?」
 奏が楽しそうにそんなことを言い出す。
「なっ! 何言ってるんですかっ! 会長にそんなことさせられませんっ! 私が絶対に
 許しません! 許しませんから!」
 ムキになって噛み付くまゆらに、奏は一転して目を細め、ぽん、と頭を叩いた。
「私の台詞よ、まゆらさん」
「えっ……?」
「まゆらさんに、そんなことはさせられないわ。私が、絶対に許しません」
 奏は、滅多に見せない……少なくとも、宮神学園の一般生徒は一度も見たことの無い、
怒った顔でまゆらに言った。
「……お願い、まゆらさん。そんなことまでしないで……」
 そして優しく抱き締められたまゆらは、小さく肩をふるわせ始めた。
「……私だって……」
「うん」
「私だって……そんなこと、やりたいわけないじゃないですかぁ〜……」
「うん」
 泣きながら奏にしがみつき、まゆらは心情をぶつける。
「でも、みんな、みんなっ……私に断りもなく、無駄遣いばっかりするし……」
「うん」
「でも……ひっく……みんな……私たちのために……仲間のために……無駄遣いしてるんだから……
ぐすっ……本気でっ……怒れないじゃっ、ないですかぁ……」
「うん」
「だからっ、私はっ、会計としてっ、自分でなんとかっ、しようって……ひっく、思って……でも……
こんなこと、絶対、絶対、やりたくないっ! ほんとうはやりたくないっ! やりたくないんですっ!」
「……まゆらさんは、優しい人ね」
 自分にしがみついてなくまゆらの頭を、奏がいとおしげに撫でる度、まゆらの嗚咽は大きくなる。
「ひぃぃぃんっ……会長……会長ぉ〜……」
「でもね、まゆらさん。あなたは一つだけ、大事なことを忘れてるわ」
「ひっく……ひっく……うぇ……?」
 流れる涙と鼻水をハンカチで吹いてやりながら、奏はにっこりと話しかける。
「私だけじゃない。極上生徒会のメンバーのみんなだって、あなたの事が大切なの……あなたに、
本当に苦しんで欲しくなんてないの。誰一人だって、あなたがこんなに苦しんでることを知れば、
絶対に知らないふりなんてするはずないもの」
「……うぅぅ……はい……そですね……」
「いつもは、なんだかんだ言っても、まゆらは結局なんとかしてしまうんですもの。みんな、
それだけ信用しきってるのね。まゆらさんなら大丈夫だって」
「でも! 私にだって無理な時は無理なんですぅ〜!」
「そうね、それはもちろんそうだわ。だからそういう時は……ちゃんと本人達に、責任を取ってもらいましょう?」
「……え? それって、どういう……」
「うふふ……今は秘密……それより……」
「はい?」
「……今後、どんなに困った事があっても、もうこんなことは絶対に考えないでね……本当に困ったときは、
奈々穂でも久遠さんでも、聖奈さんでもちゃんと怒ったりしていいのよ」
「はい……そうします。あ、でも……聖奈さんには、ちょっと自信ないですけど……」
「うふふ。そうね、聖奈さんは怒ると怖いものね」
「そうですよね、全く……あはっ、あははははっ」
 ──無人の生徒会室で二人きり。奏とまゆらは壁を背に座り込んで、肩を寄せ合っていた。

755 :名前:まゆら×奏(百合)ラスト :2005/11/16(水) 02:47:18 ID:OS6qcuKk
 一週間後。
「まゆらさ〜ん」
「聖奈さん。どうかしましたか?」
「はい、これ☆」
「へ? なんですかこれ?」
 聖奈に手渡された茶封筒を、まゆらは開けて覗いて見た。
「なっ……!」
 入っていたのは、現金だった。それもぱっと見、10万円は下らない。
「日頃の感謝の印でぇす☆ 予算の足しにしちゃって下さい」
「えええええっ! そ、そりゃ、大助かりですけど……ど、どうしたんですか? このお金……」
「うふふふふ。じ・つ・はぁ……ちょいちょい」
 聖奈が「耳を貸せ」と合図をしてきたので、まゆらは大人しく耳を近づける。
「生徒会メンバーのみんなから、古くなった捨ててもいい下着を集めて、隠密の独自のルートで
売っちゃいました☆」
「え……えええむぐっ……」
「しーぃ。声が大きいですよ、まゆらさん」
 左手でまゆらの口をふさぎ、右手の人差し指を自分の口の前に立てて見せる。その顔は、
声をかけられた時からずっと変わらず笑顔のままだ。
「でも大丈夫ですよ。宮神学園の生徒のものだとは絶対にバレないように売りましたし、
生徒会メンバーのみんなにも、リサイクルだって言って提出してもらいましたから。
誰も傷つかない、素晴らしい解決方法でしょ☆」
「は、はぁ……そう、ですね……」
 なんとコメントしていいものやら分からず、とぼけた返事を返すまゆら。そこに、奏と奈々穂が通りかかった。
「二人とも、何を話してるんだ?」
「あら奈々穂さん。今月の予算に関してちょっと、ね? まゆらさん」
「え? あ、ああ、はい。今月の予算に関して、ちょっと……」
 ……まぁ、ウソじゃないわよね、とまゆらは考える。
「ああ、そのことか……本当に、まゆらには毎回毎回苦労ばかりかける。特に今月は、かなり危なかった
らしいな……流石に反省したよ。今度からはもっと気をつけるようにする。どうか、許して欲しい」
「あ、いや、そんな! うん、でも、その気持ちは、いつでも忘れないで下さいね!」
「良かったわね、まゆらさん」
「あ、会長……」
 ──ここにいたってようやくまゆらは、あの時の会長の台詞を思い出した。

 “そういう時は……ちゃんと本人達に、責任を取ってもらいましょう?”

(あれって……こういうことだったんですね、会長……)
 ひきつった笑いを見せるまゆらに、奏がゆっくり近づいてきた。
「しばらくは、予算のことで悩むこともなくなりそうね。でも……」
「でも?」
 そこで奏はまゆらの耳に口を近づけ、誰にも聞こえないようにそっと囁く。
「──また恥ずかしいシミをつける時は、お手伝いさせてね」
「っ!!」
「まゆらっ!? どうしたっ!?」
 顔を耳まで真っ赤にさせて、頭から煙を吹いて倒れたまゆらをかろうじて奈々穂が受け止めた。
「あらあら、どうしたのかしら……」
「まゆら? おいっ、しっかりしろっ!」
 まゆらを心配する聖奈と奈々穂を横目に、奏は小さく舌を出して、そそくさと廊下を歩いて行った。
 薄れ行く意識の中、まゆらが考えていたことは──

 ──それは、エロイ人達の妄想にお任せするとしよう。

                          おわり。