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653 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/04(金) 13:23:37 ID:6l4mUfw5
 私が守ってみせる。
 そう誓いを立てた。どんなに苦しくともつらくとも、私が盾になって守る。
 私が傷ついても構わない。ただ彼女が傷つき悲しむ姿だけは……見たくなかった。
 その想いだけで私は強くなれた。手元にある特注のヨーヨーを握り締めて、私は彼女の笑顔を思い浮かべる。
「私は―――――」
 彼女が笑ってくれるのなら。
 彼女が私と供にいることを望んでくれるのなら。
 神宮司という十字架を背負ってもなお、彼女が神宮司奏で在り続けてくれるのなら。
「―――――それだけで私は、金城奈々穂でいることができる」
 雨が降りしきる外を臨む。
 その陰鬱さをうっとうしく思いながら、私は鍛錬に励むことにした。
 そう。奏が望むのなら、私は――…。


「極上生徒会の神宮司奏会長と、その書記の蘭堂りのがパヤパヤしてるって噂、知ってる!?」
 最初は噂に過ぎないとたかをくくっていた。
 奏はそんな軽率なことはしないし、新米の蘭堂りのが気に入られる理由も見当たらない。
 噂は噂らしく、少し経てば消えるだろう。そんな余裕ぶった考えを私はしていた。
 しかし予想外にも、その噂はいまだに学校内にはびこっているらしい。私はそれを煩わしく思い、生徒会室にある椅子に八つ当たりでもするかのように乱暴に座った。
「いいんですの、奈々穂さん」
「何がだ?」
「会長……蘭堂さんに寝取られてしまいますわよ」
 銀河久遠の勘の鋭さには舌を巻く。だてに隠密のトップを担っているわけではない。
 しかし私とて同じ副会長としての立場もある。簡単に弱みを見せ付けるわけにはいかなかった。
「…何の話だ。会長が蘭堂りのと何をしようと、私のやることは変わらない」
「へえ。殊勝な考えですわね」
 くすくすと嫌な笑いをしてみせる久遠。
 こいつは隠密を使って何を知っているか分かったものじゃない。それにそれを直接的に言わないで、間接的な言い回しを好むところにもいやらしさを感じる。
 けれど私は感情的にならず、あくまで極上生徒会副会長として言う。
「いいか久遠……あまり変な勘ぐりはやめるんだ。私にはともかく、会長になど言語道断だ」
「引き際はわきまえているつもりですわ。ですけど――」
 そう言って久遠は私に向き直った。
 そして相変わらずの優雅な笑顔で、まるで大人が子供に言いつけるように諭す。
「奈々穂さんは引き際を手前に引きすぎですわよ。もっと我侭(わがまま)に……自分が望むようにしてはいかがかしら」
 そう言い残して久遠は席を立ち、生徒会室を後にした。
 残される私。その後姿を見送り、久遠が残した言葉を噛み締める。
 私だって……私だって望むようにしたい。この胸に秘めた気持ちをぶつけたい。けど………それが出来ないから、悩んでいるんだ。
「分かったような口を利くな、バカ…」
 もういない久遠に向けて放つ。
 その言葉は中空に霧散し、降りつづける雨音に掻き消されていった。


654 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/04(金) 13:32:18 ID:6l4mUfw5

「あはは、奏会長ってすごいです〜!」
「ほら、りのもやってみて」
「あう〜あたしには無理ですよぉ」
 ……何をしているのか気になって来てみれば。
 別に噂を気にしたわけじゃないけどっ……まあ一応の確認は必要だしね。
 とりあえず中の様子を知らなくては…と思い聞き耳を立てているが、聞いているこっちが恥ずかしいくらい和気あいあいとした会話だった。
「……気にかけるほどでもなかったな」
 ふぅ、と安堵のため息を漏らす。
 奏が何をしようと文句を言うつもりはない。私はそんな彼女を守るだけ。
 それが金城家としての役目であり、私自身の願いでもある。
「…でも、それでも―――」
 そう言いかけて、私は口をつぐんだ。
 それ以上は言ってはいけない。私は奏を守るためにいる。それ以上を望んじゃいけないし、奏だって望んではいないはずだ。
 あくまで友達として。生徒会の会長と副会長として。奏のことを一番に考える部下として、私は彼女の傍にいなければならない。
 一緒にいられるだけで嬉しいんだ。それ以上を望めば、待つのは破滅だけ――。
「あ…奏会長………そこは…」
「ちょっとジッとしていて、りの。すぐ済むから…」
 ドクン、と心臓が高鳴った。
 どういう経緯でさっきの雰囲気から今の状況になったかは分からない。
 考え事などせずにちゃんと中の様子を調べていれば…!! 己の未熟さと愚かさを呪いながら、気配を悟られないよう扉に耳を傾ける。
「あぁん、くすぐったいですよぅ…」
「ここでしょう? ここが良いんでしょう…?」
「んぅ……気持ち良いですぅ…」
 ――――何をしているんだ。
 頭の血がさあっと引いていく。手足の感覚は痺れ、膝もがくがくと激しく笑う。
 まかさ噂は本当だったのか、そんなバカな、あの奏が、嘘だ、嘘に決まっている。
 私が守ると決めたのに、何で新参者の蘭堂に取られなきゃならない、イヤだイヤだ、そんなのは絶対に!!
 思考が複雑に絡み合い、そして消化されないまま溶けていく。
 それがしばらく続いたあと、私は無意識のうちにヨーヨーを取り出していた。
「りの、ちゃんと場所を言わなきゃダメでしょう…?」
「あ、はい……そこが気持ち良いです…」
「やめろおおおおぉぉぉーーーー!!!!!」
 扉を蹴破る。鍵はかかっていないが、そうでもしないと気がおさまらない。
 そのままの勢いでヨーヨーを放つ。狙うは蘭堂りのただ一人。奏を穢す者は、生徒会員だろうが何だろうが許しはしない。
 今までにないくらいスピンのかかったヨーヨーが、空気を切り裂いて疾走する。
「な、奈々穂…」
「奏、平気かっ!!? ………って、あれ?」
「あわ……あわわわわわわわ…」
 部屋の中には奏と蘭堂の二人。
 しかし二人の様子は、私が想像していたものではなく、奏が蘭堂の背中を掻いているだけだった。
 ちなみにヨーヨーは蘭堂の顔の真横を通り過ぎ、後ろにある壁をぶち抜いていた。


655 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/04(金) 13:35:21 ID:6l4mUfw5
「あわわわわわわわわ……」
「おい、りの! 壊れてんじゃねえ!」
 蘭堂は放心状態で目が死んでいる。彼女の腕についている不思議人形が呼びかけているが、それにも答えられないくらい呆けた状態だ。
 奏は不思議そうに私を見つめている。きょとんとした表情で、私の言動を待っているようだった。
 ――――これは、何ということだ。
「奈々穂、あなたどうして…?」
「あ…いや、違うんだ、奏! これはあの……ちょっとした手違いだ!」
「……」
 奏の悲しそうな視線が突き刺さる。
 蘭堂との楽しいひと時を邪魔されたからか、それとも私の意味不明の行動からか。
 どちらにせよ奏の表情は重く、暗くなってしまった。それを見て私の胸がずきりと痛む。
 こんな……こんなつもりじゃ、なかったのに…。
「わ、私は奏が蘭堂とその……ぱ、パヤパヤしてるんじゃないかって………心配して、その…あの」
 顔がカアっと赤くなるのが分かる。
 極上生徒会副会長としてあるまじき発言に、私は耳の先まで赤くなった。
 あまりの恥ずかしさに顔をうつむかせる。こんなんじゃ、まともに奏の顔なんて見れるわけない……っ。
「奈々穂…」
「ごめんね、奏……あたし、勝手なことしちゃって…!」
 自然と涙が浮かんでくる。
 悲しい? 何が、なんて問うまでもない。
 私が奏を悲しませた。それだけで、理由は十分なんだ。
 情けない。心の底から自分を嫌悪する。自分から「奏は私が守る」なんて豪語して、それを自ら破るなんて。
 なんて……………愚かしいんだ。
「奈々穂、あなた……誤解しているわ」
「え…?」
「私とりのはそんな関係じゃないし、あの子はその対象じゃない」
 奏が私に近づき、すぅと柔らかい手のひらで私の頬に触れる。
「りのは……そうね、大切な妹ってところかしら」
「そ、そうなの…?」
「ええ。そして、私にとってあなたは―――」
 優しい声が耳を癒す。
 にっこりと微笑む奏の表情は、今までになく綺麗で美しかった。
「―――大切な人。決して失えない大好きな人」
「奏…」
 そう言って奏は私の手を取る。
 その甲に小さく……触れる程度に口付けをした。
「あっ…」
 情けない声を出して、私は戸惑いの表情を浮かべた。
 一方、奏はそんな私を見て優しく笑う。まるで太陽の下に咲く一輪の花びらのように。
 その顔を見ているだけで、私の胸は高鳴りを禁じえなかった。
「あなたはどうなの、奈々穂? ……それともそう思っていたのは、私だけかしら」
「あたしは、あたしは……っ」
 もう……我慢なんてできるわけない。
 これ以上、耐えていけるわけない。
 私は奏が好きなんだ。尊敬しているし、泣かせたくないし、そして愛したいんだ。
 この腕で抱きたい。奏の頭をこの胸で受け止めたい。キスもしたいし………………それに、ぱ、ぱ、パヤパヤだって、したい…。
「あ、あたしは奏が好きっ……この気持ちに偽りはないわ」
「ふふ、嬉しいわ」
 そう言って満面の笑みを浮かべてくれる。
 そうさ。その笑顔のためだったら、私はいくらでも強くなれる。
「抱きしめて、いい…?」
「…奈々穂の好きなようにして」
 つい口から出てしまった問いかけに、奏は頬を赤らめて頷いてくれた。
 もう体裁など気にしない。私は奏が好きなんだから。
 好きな相手を抱いて何が悪い。相手もそれを了承して、私もそれを望んでいる。
 私を阻むものなど、もう一切ないのだから。

665 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/06(日) 19:16:31 ID:d5Cnyr7J
>>655の続き
 ぽん、と奏の体を押し倒す。
 ベッドの上に身を投げさせ、私は奏の上に覆いかぶさるようにしてベッドに乗った。
 ぎしぎしという軋む音。残り少ない理性で、私は最後に尋ねる。
「本当に……いいの…?」
 実直な視線を向ける。もし奏が流れに身を任せ、この状況を納得いかないまま受け入れているのなら 私はすぐにでもこの場を去ろう。
 私は奏が欲しい。けれど、それは奏が望むのならば、だ。
「後悔は……したくないの」
「奏…」
「いつ神宮司が私の身を捕らえるか分からない。………その前に、私は後悔を残したくないの」
 奏が自分の制服の胸の部分をギュッと掴む。
 それはこの楽園がいつか終わる悲しみだと、私は思った。
 そんな悲しい奏は見たくない。ゆっくり、優しく、私は奏を抱きしめる。
「あ…」
「後悔なんてさせない。この世界は、誰にも壊させないから」
「奈々穂…」
 もう理屈なんて必要ない。
 奏が私を望み、そして私は奏を望む。それだけで理由は十分だろう。
「あたしは奏……あなたを守る」
「その台詞、小さい頃からずっと聞いてる」
 奏はそうぽつりと呟いて、私の首に手を回した。
 そして力強く引き寄せる。私と奏の距離は限りなくゼロに近づき、お互いの吐息すらも聞き取れた。
「……だったらその証を示して。私と奈々穂が、ずっと一緒にいるっていう証を」
 良い匂いがする。
 温かい感触がある。
 心地良い声が耳をくすぐる。
「抱いて、奈々穂」
 その言葉で、決着だった。
 私自身を抑える鎖はそれで千切れ、残るのは本能に支配された金城奈々穂だけ。
 目の前に奏がいる。私はその瑞々しい唇をそっと塞いだ。

666 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/06(日) 19:17:10 ID:d5Cnyr7J
「ん…」
「ん、ちゅ…」
 お互いが求め合う。私はいつからそれを望んでいたのだろう。
 少なくとも、私は幼い頃からそう思っていた。小さくてか弱くて、それでいて強くあろうとする少女に、私は心惹かれていた。
 その全てが今、成就しようとしている。
「はむ……んん…」
 優しい口付けから、少しずつ激しさを増していく。
 最初は触れるだけだったものが、次第に絡みつき、蹂躙するように相手を愛撫する。
 ……本で見ただけの知識だけど―――。
「んっ…!?」
 奏が一瞬、驚きの声を上げた。
 それも当たり前だろう。だって、私は彼女の口の中に舌を―――侵入させたのだから。
 戸惑いはしたものの、奏はすんなり私の舌を受け入れてくれる。奏の口内で激しくねっとりと絡み合う湿ったそれは、淫猥な響きをたてた。
 ――――ちゅ、ちゅ、んちゅ、にちゅ…。
「ん、ぷはっ……」
「はぁはぁはぁ……」
 まるで離れるのを嫌がるように、舌は細い糸を引く。
 互いの舌を蹂躙し、奏の顔はほんのりと紅潮していた。おそらく私も、かなり赤い顔をしていることだろう。
「……イヤだった?」
 私の問いに、奏は首を振ってくれる。
 朗らかな優しい笑顔のまま、言い聞かせるように奏は言った。
「言ったでしょう? ―――――奈々穂の好きなようにしてって」
 そんなことを言われては堪ったものじゃない。
 荒々しい獣(けだもの)に変化してしまうのを精一杯こらえて、奏を見つめる。
「あたし、熱い頭のまま奏のこと恐がらせるかもしれない。痛い思いもさせるかもしれないし、自分でもおかしなことするかおしれない。……恐いよ」
「いいの。奈々穂が望むことは私が望むこと………それは小さい頃から、ずっと理解しているつもりよ」
「でも今でさえもうおかしいの、あたし………胸が熱くて、頭がポーっとして、もっともっと奏を感じたいって思ってる」
「ふふ、それは奇遇ね―――」
 奏はいたずらっぽい笑みを浮かべ、私の耳元で囁いた。
「―――私もさっきから、奈々穂と同じように思ってた」
 ……もう待ったなしだからね。
 私がそう告げると、奏は恥ずかしそうに頷いた。
 止められない。私の想いも、そしてこれからのことも、誰にも止めることはできない。


667 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/06(日) 19:18:24 ID:d5Cnyr7J
 制服を脱がせて下着を取った奏のあられもない姿は、この世のものとは思えないくらい綺麗だった。
 本当に私なんかが触れて良いのだろうか。そう思わせるくらい美しく、そして魅力的なのだ。
「奏……きれいよ」
「恥ずかしい…」
 胸の部分を腕で隠し、頬を赤らめながらそう呟く。
 私はまだ制服を着ているけど、そんなの構わず奏に抱きついた。
「きゃっ…」
「奏、好きだ好きだ……もう放さないからね」
 それは誓いだった。
 私が守ると、そう志した想いに、もう一つの十字架を加える。
「ん……」
「あぅ、奈々穂……そんなところ舐めないで…」
 乳房の天辺にある二つの突起を優しく舌でなぞる。
 甘く切ない味が口に広がり、私は喜びに打ち震えた。
 ちゅ、ちゅ、と舐めては吸って、それを繰り返す。しばらくすると、その突起がだんだんと固くしこりだしてきた。
「あ、奏……感じてくれてるんだ」
 そう呟いて己の本能に意識を埋没させる。
 柔らかい感触。暖かい肌。強く吸うと、ビクッと反応する奏がとても愛おしく思えた。
「んっ……ひゃぅ………奈々、穂…」
「まだ足りないわ……もっともっと奏を感じさせて…」
「んあぁ……あぁ、あぅ、そんな………やめて、奈々穂…」
 目に涙を浮かべながら嘆願する奏。
 それは拒絶ではなく―――私も同じことがしたいという意志の表れだ。
 奏のことなら何でも分かる。そう自負する私が、そう確信した。
「ん、分かった……あたしも脱ぐね」
 顔を離し、制服に手をかける。
 少し息が荒いせいか脱ぐのにてこずったが、制服はぱさ…という音を立てて床に落ちた。
 下のスカートも脱ごうと思ったが、それは奏の手が制した。
「奏…?」
「そこは私が脱がせたい…」
「……うん、分かった…お願い」
 私のお尻に手を回し、奏はスカートのホックに手をかける。
 さすがに同じ制服だけあって手馴れたものだ。ただそれが自分でするか他人にするかの違いだけで、すぐさまスカートは足元に落ちていった。
 そして露わになる私の下着と脚…。
「奈々穂……ここも脱がせるわね…?」
 奏の言葉に頷く。
 拒絶などできない。これほどまでに渇望した奏との行為が、現実に起きているのだ。
 多少の恥ずかしさなら耐えてみせる。いや、たとえどんな恥辱だろうと乗り越えてみせるさ。
「…この年になって人にパンツを脱がせて貰うなんて」
 恥ずかしさまぎれに呟く。
 そしていくばくもすると、下半身がすぅっとした感覚に包まれた。
「奈々穂のココ……女の子の匂いがして………それにとても綺麗」
「そ、そんなにじっくり見ちゃ…」
 奏は私の言葉など聞かずに、ぐいと顔を寄せて、薄く生えそろった陰毛部位に鼻先をあてがう。
「あ…」
「ふふ、奈々穂の匂い………大好き」
 ―――――ぞく、というえも言えない感覚が背筋をまさぐる。
 同性同士で。しかも相手はあの神宮司奏で。その上、時間はまだ昼下がりだというのに。
 体を這いずる背徳感が、逆に私を興奮させていた。


668 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/06(日) 19:19:35 ID:d5Cnyr7J
「ん、ちゅう…」
「あうぅ!?」
 突如、背中を駆け上る刺激に声を上げてしまう。
 何をされたか理解もできない。しかしあまりの刺激に、膝ががくがくと震えてしまった。
 下半身が熱い。本当に溶けてしまいそうなほど。
「濡れてる……のよね、これ…」
 奏が上目遣いで私を見る。
「し、知らないっ! あたし、知らないっ…」
「でもほら……私の指がぬるぬるして…」
 灯りに照らされる奏の指は――――たしかに濡れていた。
 私が濡れている…? 興奮は……している。だから濡れてるのか…?
「あ、ちょ、奏ぇ…!!」
「もっと乱れた奈々穂が見たい……もっと可愛く鳴いて…?」
「ん、んあ、あ、はぅ…!! だ、ダメ……これ以上はぁ!!」
 ちゅぷちゅぷ、という音が部屋に響く。
 何ていやらしい。そして何て卑猥な。
 だんだんと足先が痺れてきて、まるでどこかに上り詰めるような感覚に襲われる。
「あっ、はっ…!! ん、ああぁ…!!」
「気持ち良いの? ねえ奈々穂……気持ち良いの…!?」
「あぅ、く……んん………あっ! 良い………よく分からないけど、何かきちゃいそう…!!」
「見せて、私に奈々穂の可愛いところ…! ぜんぶ、ぜんぶ…っ!!」
 そこで私はやっと気付く。
 奏は私の秘部を……指でいじっている。
 そして激しく、私が嬌声を我慢できないくらい猛々しく、指を使っている。
 奏の表情は恍惚としていた。まるで何かにとり憑かれたように、一心に私を嬲っていた。
「乱れて、奈々穂…! 私がぜんぶ見てあげるからっ」
「あああ、ひゃう…! くうぅ………も、立って、られな…っ!」
 つぅと太ももの内側を私の淫らな液体が垂れていく。
 その感覚に脳を焼かれ、奏の指使いに神経が蕩(とろ)けさせられた。
 脊髄から脳に伝わる電気が強烈過ぎる。私にここで死ねというのか。体の自由はきかず、思考は白い霧に包まれていく。
 ああ、私が飛ぶ………飛んでしまうっ…!!!
「奏、奏ええええ!!!」
「奈々穂、奈々穂…!! ああ、イクのね、奈々穂!!」
「ああああ!!! ダメ、あたしぃ…っ!!! ああああぁぁぁぁっっ!!!」
 世界が白く染まる。
 下半身は弾け飛んだように感覚を消去し、残るのは快感というもののみ。
 快感や快楽など下劣だと決め付けていた。けれど――――これほど人を虜にするものだとは、思いもしなかった。
 私は力なくベッドに倒れこむ。
 意識が飛びそうだが、まだ眠るわけにはいかない。
 荒ぶる息を隠そうともせず、私は奏に言い放った。
「はぁはぁはぁ――――――今度は………あたしがしてあげる」
 まだ一日は始まったばかりだ…。
 これからが、本当に本当の、私と奏の世界になる…。

669 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/06(日) 19:20:33 ID:d5Cnyr7J
「んっ、あぅ……奈々穂………そこはぁっ…!」
 びくびくと奏が体を震わせる。
 ベッドに体を横たえさせ下半身の下着を脱がせた状態で、私は奏の秘所を愛撫していた。
 私が刺激するたびに出てくる愛液も含め、奏自身を舐め尽くす。
「だめぇ……そんな汚いもの…っ!」
「汚くなんかない。奏の………すごく美味しい」
 舌を膣内に侵入させ、丹念に中をさする。
 次々と溢れ出てくる透明な液体―――奏も感じてくれているのだろうか。
 私は舌を動かすと同時に、膣口の上部にある陰核を指でつついた。
「んっああぁっ!」
「はぁはぁ……奏、すごく感じてるね」
「奈々穂………私もうっ…!」
 絶頂が近いのか、奏の声が明らかに変化する。
 さっきまでとは違った女としての声。少女である奏とは異なった色のある嬌声が、部屋に響く。
 私はそれを聞いてさらに興奮を高めた。舌を動かすスピードを上げ、優しく動かしていた指の力を強める。
「うあっ! あああ、い、あ…!! く、あう…変になる…っ!!」
「そのまま…っ! イって、奏ぇ!!」
「あああああダメダメ! くあっ、い、イッちゃうっっ…!!」
 ピッ、と奏のアソコから飛沫が上がる。
 まるで尿のようなそれが、私の顔に容赦なく降りかかった。
 しかし私は嫌悪どころか……ある種の恍惚さを覚えていた。ぞくりと背筋に痺れが走る。
「これが潮吹き………生で見るのは初めて…」
 アダルトな雑誌とかテレビで知識だけはあったが、目で見たのは初体験だった。
 何ていやらしく淫らで、卑猥なのだろう。そしてそれに麻薬のような感覚を覚えた私は、絶頂を迎えてぐったりしている奏を、さらに攻め立てた。
「んんっ、ちょ、奈々穂ぉ…! ダメ、今は……敏感すぎてっ…!!」
「好きよ、奏………私にだけ見せて、奏が狂う姿を」
「ああ、んあぁっ! ま、またぁ……もうやめて………私本当にっ!」
 ぐりぐりと舌を押し付ける。
 きゅっきゅっと指をこすりつける。
 そのたびに奏の腰は浮き上がり、彼女のものとは思えないくらいの大声で嬌声を出す。
 絶頂はもうすぐそこだ。奏の色に呆けた表情は、私の欲情の起爆剤でしかない。
 私はさらにペースを速め、奏の絶頂を促す。
「あ、あ、あ、あ、あ! また……きちゃう!! あああぁぁぁっ!!」
 またもや激しい飛沫を上げる。
 私はそれを瞬き一つせずに眺めていた。何て綺麗な光景だろうか、とあられもない奏の姿に胸のざわめきを覚え、私のサディスティックな一面に火をつける。
 奏は脱力してしまったようにベッドの上で仰向けになっていた。
 息は尋常じゃないほどに荒れ、中空を見る瞳は灰色に見えるほど虚ろだ。


670 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/06(日) 19:21:13 ID:d5Cnyr7J
「まだ………まだだよ、奏」
「あっ、は、はぁ、そ、んな………も、むり…」
 泣き声の混じる声で嘆願する奏を無視して、私は三度、奏の股に顔をうずめた。
 今度は直接的に性感帯を攻めるのではなくて、間接的な部位から崩していこう。
 そう決めた私は手始めに奏の肛門へと舌を伸ばす――。
「や、そこは汚いからぁっ…!」
「奏に汚い場所なんて一つもないわよ………んん」
「あっ、やめて、奈々穂…っ!!」
 皺の集まる箇所を舌の先でつつく。
 その場所に触れるたび、ビクビクと体を震わせる奏。
 秘部から溢れる愛液は増していき、それは筋を伝って肛門まで辿りついた。
 それを肴にするように、私の舌は奏の中を犯していく――。
「奈々穂、お願い………これ以上やったら、私……おかしくっ…」
「感じてるんだね、奏?」
「そんなことっ………ん、ああぁ!」
「嘘ついちゃダメよ………こんな恥ずかしい汁を垂らしちゃって…」
 あいている手は、またも奏の急所を攻める。ちゅ、ちゅ、ちゅ、という音と脳が焼けるような甘ったるい匂いが私の鼻腔をくすぐった。
 まるで弓がしなるように奏の体がうわぞって、それが絶頂は間近だと告げる。
 私の舌をさらに深部へ侵入させ、指は速度を上げる。それだけで奏は果てることができるだろう。
「イって、イって、奏…!! 私に奏のすべてをさらけ出してっ…!!」
「うあぁっ、イ、くぅ…!! 私、お尻でイッちゃっ…!!」
 そして一段と高い声を出して、奏は三度目の絶頂を迎えた。
 乱れる息。滴る汗と体液。ベッドの上はすでにお互いの愛液などで大きなシミを作っていた。
 部屋の中には淫猥な匂いが充満している。それがまたも私の思考を焼き、脳を焦がす。
「はっはっはぁっ――――な、奈々穂…」
「奏……すごく綺麗だったよ」
 とろんとした瞳をした奏に言う。すでに脱力しつくしたかと思われた奏だけれど、ぐいと体を起こして私に近づいてきた。
 そして奏は、私の胸の先端に軽く触れながら、耳元で囁く。
「今度は二人で一緒にしましょう? 私が奈々穂を……奈々穂が私を…」
 私の脳はすでに狂っている。
 熱と匂いと欲望で、すでに臨界点を越えているのだ。
 私はそのあまりにも魅力的な提案を、生唾を飲み込んだあと、静かに頷いた。


671 :名前:奏×奈々穂(百合 :2005/11/06(日) 19:23:20 ID:d5Cnyr7J
 奏の大事な場所が私の眼前にある。
 初々しく汚れのないピンク色。すっぽりと濡れ滴るそれ。
 私はそれをうっとり眺め、暴走しそうになる本能をおさえていた。
「奏……この格好は…」
「素敵でしょう? 奈々穂のココ、すっごく綺麗な色してるわ…」
 この格好を世間では―――シックスナインと言うのだろうか。
 私がベッドに横たわり、その上から奏が私の顔をまたぐように乗る。お互いの秘所が丸見えになる点で、たしかに素敵といえば素敵だけど…。
 やっぱり恥ずかしさは簡単には消えてくれないらしい。
 奏が私のアソコを見ている……なんて考えるだけで思考がショートしてしまいそうだ。
「それじゃ……いくわね」
「んっ、ああ!」
 奏が私の股に顔を埋もれさせる。
 そして背中に走るあまりにも強烈な快感という波――。
 喘(あえ)ぎをおさえられず、快楽に身を委ねてしまう。
「あああ! ん……うああぁ!!」
「ちゅぷ、んちゅ、んー……!!」
「はぁっ! 奏、そんな……っ吸っちゃぁ…っ!!」
 すぐさま白い世界が私の脳に浮かぶ。
 ただ体が飛ぶような感覚に包まれ、全身を抜ける電撃のような快感は底が見えない。
 ―――叫び、狂う。普段の私では考えられない声が、部屋に充満する。
「ああ、くるっ!! 奏、わた……しぃ!!」
「ちゅ、くちゅ……いいのよ、好きなだけイって…!!」
「ふあああ!! あああぁ、うあああ!!」
 体の中のすべてが流れ出て行く。
 欲望も情熱も……そして残るのは本能のみ。
 私は震える指で奏の秘部を触り、そのまま奥へと埋没させていく。
「んっ、奈々穂……」
「奏も気持ち良く……一緒に…」
「そうね気持ち良くなりましょう………ん、ちゅううう」
 びくびくと体が反応する。しかしそれに負けるわけにはいかない。
 体を打つ快感に負けまいと、私は指で秘部を、舌で陰核を刺激する。
「んあ! く、ああ! ちゅうううっ……ああぁぁ!!」
「ふあぁ!! ん、あ、くぅう…!! ひゃあっ!」
 背中に走る電撃。下半身を襲う絶句するほどの快楽。
 指がふやけるかと思う頬の愛液が垂れ、私の顔にかかる。それにも構わず私は愛撫を続けていく。
 しかし声だけは抑えられず、あられもない二人の嬌声が響いていた。
「ああああ!! イク、またイッちゃう!!!」
「あ、あたしも!! も、我慢……できないっ…!!!」
「ああああああ!! な、奈々穂、奈々穂――!!!」
「ふあああ、イク、イクよ、奏……奏、奏ぇ!!!」
 すべての感情を放出し、私たちは果てつくす。
 しかしまだ足らないと言わんばかりに、お互いが求め合う。
 肌を合わせ、秘部を見せ合い……。そして欲望の果ての果ての果てまで見つくそうと――――またも舌を、手を、動かし続けた。