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682 :名前:聖奈×久遠 百合・陵辱(軽め :2005/11/03(木) 17:02:02 ID:D1/u7ZjF

「久遠さんって、奏会長のことを調べているエージェントなんですってねえ」
 いつも絶えない笑顔。その朗らかさから、生徒会の中でも優しいお姉さん的存在としている桂聖奈さん。
 そして隠密隊長の座に就いているとして、私(わたくし)としてもかなり信用を置いている人物だった。
 その彼女が、いつもと変わらない笑顔で、私に詰め寄る。
「……何の話でして?」
 当然しらを切る。
 これを知られてしまっては私の存在意義はなくなり、ここにいる意味もない。
 この生徒会は最高の居場所――銀河久遠がゆいいつ笑っていられる場所なのだ。
 その場所を、奪われたくなかった。
「えっと〜、悪いとは思ったんだけど、調べさせてもらっちゃいました」
「……」
「久遠さんが得体の知れない男と密会しているところをたまたま私が見かけて―――それについて調べてたら…ね」
 聖奈さんが私をたまたま見かけたというのは嘘だろう。
 だって、密会場所の選定は工夫を凝らして決めていた。偶然そこを通った、程度では私の姿を見られるわけがない。
 だから聖奈さんは私を前々から疑い、調査していたのだと予測する。密会の証拠も私に関する情報の全て、聖奈さんに知られていると見て間違いなさそうだ。
「聖奈さんが私自らに言及するということは……裏は取れているんですわね」
「……残念だけど、久遠さんの境遇も全て調べさせてもらっちゃいました」
「あまり魅力的ではなかったでしょう? 本当は惨めで矮小な銀河久遠は…」
 これ以上隠す意味もない。
 全てを知られているのなら、隠すこと自体が喜劇にしかならない。
 私は己の全てを詰めるような口調で、小さく言う。
「それで――――私をどうしますの?」
「……」
 聖奈さんは答えない。
 ただ困ったように笑顔を浮かべ、頬をぽりぽりと掻いていた。
 しかしそこは隠密のトップである聖奈さん。一瞬にして、穏やかな笑顔が闇を孕む表情に変化した。
「私は奏を不幸にしたり悲しませる人は許さない。けど……久遠さんがいなくなれば奏は悲しむ」
 それは絶対に避けたい、と聖奈さんがつむぐ。
 それよりも私は聖奈さんの言葉に恐怖を覚えずにはいられなかった。聖奈さんの言う「いなくなる」という言葉は、きっと‘消す’という意味に他ならないからだ。
 聖奈さんは私にまた一歩近づき、耳元で囁く。
「だから――――」
 耳元にかかる息がくすぐったい。
 ぞくぞくした感覚が背中を這い上がり、鳥肌が立ってしまう。
「―――――私が、久遠さんに調教(おしえ)てあげる………女の悦びを」




682 :名前:聖奈×久遠 百合・陵辱(軽め :2005/11/03(木) 17:03:27 ID:D1/u7ZjF
「くっ…」
 腕に力を入れる。足も同様にしてみる――が、少しも動いてはくれない。
 それは腕にも足にも鎖で繋がれた拘束具が縛り付けられていて、完全に自由を奪っているからだ。
 はっきり言って……油断していた。あんな人の目に付くかもしれない場所で、聖奈さんが強攻策に出るとは思わなかった……だから今の状況があるわけなのだけど。
「無駄だと思いますよ〜。それ、隠密が捕らえた敵を拷問するための拘束具ですから」
「逃がさない……という意思表示と言いたいんですの?」
「ん〜、逃がさないというより……むしろ抵抗されないためかしら」
 は…? と無様にも聞き返してしまった。
 最初は言葉の意味が分からずにそうしたが、冷静に考えてみれば分かることだ。
 聖奈さんは私を拷問する気だ。
「そんなことはしませんよ」
 私の思考を読んだが如く、聖奈さんが言う。
「言ったでしょう? 女の悦びを調教(おし)えるって」
「……私は快楽などには屈したりしませんわよ」
「あらあら、それは困りましたねえ」
「とにかく……こんなもの早く外して…っ」
 ――――その時。
 私の意識が目の前にいる聖奈さんじゃなく、私を縛る拘束具に向いた瞬間。
 影が私の前に迫る。そして顎をくいと上げられ、そのまま―――。
「……ん、んんっ!?」
 唇を塞がれた。
 聖奈さんの桃色の唇が、私のそれと密着する。
 えも言えない感覚に脳が麻痺を起こしてしまう。いくつか考えていた脱出の方法のが、それによって消し飛んでしまった。
「ん……ちゅ…」
「んっ! んん………っ! ん…っ」
 荒々しい過激な接吻。それは私が夢に描いていたものとはかけ離れていて。
 けれど脳を焦がすような熱に、頭がポーっとふやけていくようだった。
 それでも自我を保つため、私はいやいやと首を横に振るう。しかしそんな儚い抵抗は聖奈さんの両腕に制された。
「ちゅ……んちゅ……」
「ん……んんーーーーっ!!?」
 突如、何かしらの違和感が口内に侵入してくる。
 ねっとりと湿った『それ』は私の舌に絡みつき、まるで陵辱するように口内を犯していく。
 あまりの不快感に叫びを上げても、聖奈さんの口付けがそれを許さない。
「……っ!!」
「んふ………ぷはぁ…」
 ようやく密着状態から解放された―――が、なぜか頭に上った熱が思考を邪魔する。
 体が熱い。手足が痺れ、胸の奥が切なくなる。脳が沸騰したようにぐつぐつと音を立て、私の神経を溶かしていくようだ。
 何か―――――されたのか…? 原因を考えるが、湯だった頭はまともに働かない。
「うふふ、どうかしら」
「え…?」
「桂家特製の拷問用の媚薬よ。即効性で、しかも十時間以上の持続力があるの」
 び……やく…?
 聞きなれない言葉に、私は首をかしげる。
 すると、聖奈さんが満面の笑みを浮かべてあっけらかんと言い放った。
「び・や・く♪ 今のキスでね、唾液と一緒にして飲ませたの。体が火照って苦しいでしょ?」
「あ……あぁ…」
「自白目的で作ったものなんだけどね、効力が強すぎて淫(くる)っちゃう人も多いのよ〜……でも久遠さんなら耐えてくれるわよね」
 にこやかに笑う聖奈さんは、今までで見た中でも最高の笑顔だった。
 そして悟る。その最高の表情は、銀河久遠を壊す悦びに打ち震えるものだということを。
「乳首も胸も脇も足も手も……ぜ〜んぶ性感帯になっちゃうの」
「はっ……はぁ……くぅっ………」
 熱い、熱い、熱い…。
 熱で頭が蕩(とろ)けそう……。
「さあ楽しみましょ♪ 大丈夫、怪我をさせたり壊したりなんて……しないから」
「あぁ……ふあぁ…」
「気持ち良く……真っ白な世界を見せてあげる」
 私はここで終わる。
 そんな確信が、小さく弱々しく、私の頭をよぎった…。