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35 :766 ◆Hv5XuDAMuo :2005/09/16(金) 21:51:02 ID:An6ovGhf
「りの〜、ここ間違ってる! やりなおし!」
「えぇ〜、またですかぁ!?」
決済の時期が近づき、極上生徒会は慌しく動いていた。
予算を持ち出しては、好き勝手するメンバーの埋め合わせは、常にまゆらの仕事。
設備の維持費、運営費、教職員への給料明細作成、建物修理費、エトセトラエトセトラ。
これらを全て一人でこなすのが、会計としてのまゆらの最大の仕事なのだ。
そのためいつも決算の時期になると、まゆらは眉間のしわを寄せまくっては、
そろばんを片手に難渋してきた。
しかし、今期からは書記にりのが加わった事で、超過負担はいくらか緩和された。

『ホント、りのはドジッ子だなぁ。これで三回目じゃねぇか』
「だってプッチャン、こんなに項目が多くちゃ書き切れないよぉ〜」
決算の締め切りまであと二日。デスクの上に積み上げられた紙の束は膨大で、
手が休まる事はない。りのはプッチャンとの分業で、書類の空欄をひたすら埋めていく。
「まゆら先輩ってすごい・・・いつもこれだけの量を、一人でこなすんだもん・・・」
ふと、りのが呟く。時計の針はとうに〇時を回り、まぶたも下がりはじめていた。
それでもプッチャンの計らいのおかげで、再び紙とにらめっこを始める。
「大した事じゃないわよ。これが私の仕事だから。他のだれにも代われないもの。
・・・でも、今年はりのが来てくれたから、実はちょっと助かってる、かな」
あはは、と笑って目をこするまゆら。目の下の隈は色濃く、どれだけ彼女が、
生徒会のために身をささげているのかが手に取るように分かる。
「まゆら先輩って・・・・かっこいいです・・・・!」
「ありがと。私も、素直なりのが大好きだよ」
『おっ、会計ねーちゃん、パヤパヤ宣言かぁ〜?』
「なっ・・・べ、別に、そんなっ! 私は、ただ・・・!」
プッチャンの指摘に、まゆらは頬をまっかに染めて、書類にすっぽり顔を包み隠す。
だが、りのはそんな彼女の腕をぎゅっと掴んで、そっと耳もとでささやいた。
「まゆら先輩・・・私も先輩のこと、だーいすきですっ!」