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845 名前: 王子様とお姫様 2005/09/04(日) 05:02:21 ID:5agO4TWx
「それでは、10月の文化祭で発表する極上生徒会の出し物は、久遠が推薦したシンデレラの演劇を

 することに決まった。皆、異論はないな?」、少しトーンを上げた口調で、副会長である
 金城奈々穂が他の生徒会のメンバーに賛否を問いかけた。

「特にないでーす」、と他のメンバーも久遠の案をあっさりと受け入れた。元々シンデレラと言えば
 話の筋も大体の人間は知っているし、何よりも女子しかいない学園ということで、ある種受け入 

 れやすい話でもあるのだ。ただ問題は・・

「それで、誰がどの役をやるんですかー?」と、ニコニコした表情で、聖奈が質問をする。

「あぁ・・それなんですが、私も配役についてはまだ知らないんですよ。しかし、発案した
 本人である久遠が、既に配役を決めてあるようです。」

「(・・まぁ・・私の配役は・・あれだよなぁ・・)」、自分で認めてしまうのも悲しいが
 奈々穂は心の中で軽くため息をついた。そう思っていると、まるで奈々穂の心を読んでいるかの
 ように、久遠は自らの席を立ち、メンバーに配役の説明を開始する。

「それでは配役について説明しますわ」、久遠はゆっくりと配役を読み上げにかかった。

「まずはナレーション、神宮司奏会長」

「はい」、奏はいつもどおりおっとりとした口調で応答に答える。

「次に、シンデレラの義母役は聖奈さんに演じていただきますわ」

「・・あらあら、それは楽しそうね〜」、と明らかに不敵な笑いを浮かべて聖奈は了承した。

「次、シンデレラの姉役にれいんさん、そして姉の姉役はまゆらさんが演じてください」

「え・・えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」、久遠の言葉に驚きを隠せないれいんとまゆら。それもその
 はず、シンデレラの姉と言えばどちらも相当悪い役柄である。普通の女の子であれば、人前で
 黒い部分を見せるのは、できればご免したい役である。もちろん、悪役であるシンデレラの  
 義母役を、心から楽しんでいる雰囲気をかもし出している聖奈の様なタイプもいるけれど・・。

「あの〜・私・・・そういうタイプではないですけど・・・」と、消極的であるが役の否定を
 するまゆら。

 れいんにいたっては、「おかしい!あっしはもっと可愛い役がやりたい〜!・・反対!却下!問題

 外〜!」と、頭から完全に否定している。

「あら・・お気に召しませんか?」、二人の予想通りの姿を見てにっこりと笑う。そして・・

「お二人共、夜道には気をつけてくださいね?」

 二人にだけ一瞬見せた久遠の表情を見て、まゆらとれいんは首をただ一心に縦に振って配役を受け

 入れた。
 ・・ちなみに余談だが、この話の翌日から二人は二日間学校を休む。休んでいた二日間二人は
 ずっと、「久遠さんが・・久遠さんが・・」と悪夢を見ているようにうなされながら寝込んだ。
 ・・しかしそれはまた別のお話し。


846 名前: 王子様とお姫様 2005/09/04(日) 05:03:23 ID:5agO4TWx
「さて・・お二人も納得してくれたようですし、次に・・カボチャの馬車の役を小百合さんに
 演じていただきますわ」

「・・・あ、はい、了解しました」、先程の二人の様子から何かを感じ取ったのか、小百合は何一つ

 文句を言わずに受け入れた。それとも飛田活性流の血が、久遠への拒否は危険と感じたのか・・。

「さすが、小百合さんは良い子ですわ・・ではどんどんいきます。シンデレラに魔法をかける魔法使

 い役をやっていただくのは蘭堂さんにお願いします・・蘭堂さん?」

「・・・すぅ・・・ふぁぁぁぁい分かりました〜・・・すぅ・・」、長々とした配役発表を
 聞いていて眠くなったらしく、りのはぐっすりと夢の中におちてしまっていたのだった。

「まぁ寝言だとしても・・一応分かりました、と言っているので良しとしますわ・・」さすがの久遠

 も、りのの脳天気さには勝てないらしい。

「シンディさんに関しては、本人のご要望を取り入れて役者ではなく、大道具等の材料運搬の輸送を

 お頼みしますわ。それでよろしよかったのですのよね?」

「Yes!Yes!」、元々人前に立つのが苦手なのシンディにとっては、文化祭の劇への出演という
 大役をこなすのは厳しいと感じたのであろう。生き生きとした嬉しそうな表情とトーンで引き受け

 た。

「そして、皆様お待ちかねの王子役、まぁ本人も分かってるとお思いですが・・奈々穂さんに引き
 受けていただきますわ」

「いや・・うん・・あぁ・・受け入れる準備はできている、任せておけ。」、もはや自覚も良いとこ
 ろなのか、奈々穂はあっさりと王子役を引き受ける。

「ありがとうございます・・そしてシンデレラの役ですが・・その・・えっと・・」

 今までの口調とは違い、おどおどした言葉で久遠はシンデレラ役の発表を躊躇する。
 
「どうした久遠?」、なぜか言葉を出し渋る久遠、奈々穂は不思議に思い問いかける。そして
 久遠から出た言葉は・・。

「わたくしにシンデレラの役をやらせてください!お願いします!後生のお願いです!
 今回だけは私のワガママを聞いてください!皆さんどうかお願いします!!!」

 生徒会メンバーが呆然としていたのは言うまでも無い。

847 名前: 王子様とお姫様 2005/09/04(日) 05:05:03 ID:5agO4TWx
「良かったな、シンデレラの役をやらせてもらえて」
 
 文化祭の会議が一通り終わった奈々穂は、更に細かい内容の部分の計画を立てるために、同じ
 副会長である久遠を自室に招いていた。人様に自分のファンシーな部屋を見せるのは正直勘弁し
 たいところだが、元々ケンカ仲間であり良き友である久遠でならば、この部屋に通しても良いと
 奈々穂は思ったのである。

 ところが、いざ招いた久遠といえば、部屋に入ってから一言も言葉を発しない。ずっとうつむい
 ているばかりだ。

「どうした久遠、調子でも悪いのか?」、不慣れなのか、たどたどしく二人分の紅茶をカップに注ぎ
 ながら、久遠の表情を見て心配そうに尋ねる。

「・・わたくし・・どうしてもシンデレラをやりたかったんですの・・先程の私のおかしな発言に
 ついては何も触れないんですの、奈々穂さん?」、少々涙目になりながら久遠はつぶやく。
 
「いや・・本人がやりたいと言ったのなら、それをやりたいんだろう?確かにさっきの久遠には
 少し驚かされたが、理由や事情を深く追求するつもりはない。」 

 一見さっぱりとした奈々穂の言葉。しかしその中に含まれているのは、都合の悪い事なら聞かない

 し、聞いて欲しいなら言っても良いんだよ。という、奈々穂なりの思いやり。それはきっと

                 -愛情-
 
 その言葉を聴いていた久遠は、うっすらと目尻に溜めていた涙をハンカチでぬぐい、意を決した
 ように言葉を紡ぐ。

「・・奈々穂さんは優しいんですのね」

「ははっ・・どうかな」

「奈々穂さん、私」

「ん、どうした?」

「奈々穂さんが好きです、愛していますわ」

「そうか・・」

「・・・」

「・・・・?」

「ふぇっ!?」

 長いようで短い会話。しかしその内容にはあまりにも深い内容が盛り込まれていた。もちろん
 普通に考えて、奈々穂の反応は当然のものである。

848 名前: 王子様とお姫様 2005/09/04(日) 05:05:39 ID:5agO4TWx
「え・・いやその・・えっと・・久遠・・さん?」

「私の気持ち、受け取ってくれないんですの?」

「いや・・その・・」、奈々穂の鼓動が高鳴った。

 奈々穂は久遠の事が全く気にならないわけではなかった。年下なのに自分以上に大人びていて
 落ち着いた態度、そして体つき、そして時々久遠が自分に見せる笑顔に胸がうずくこと。ただ奈々

 穂は、こんなことを考えることはおかしいと自分にストップをかけていたのだと思う。

 相手は同性、そして自分とは違いすぎる気品さ、俗に言う-高嶺の花-という奴だと思っていた。
 しかしその-高嶺の花-が、自分に想いを寄せていて、今まさに、自らの気持ちを打ち明けてくれた
 のだ。ならば答えは一つである。

「え・・いやその・・えっと・・久遠・・さん?」

「私の気持ち、受け取ってくれないんですの?」

「いや・・その・・」、奈々穂の鼓動が高鳴った。

 奈々穂は久遠の事が全く気にならないわけではなかった。年下なのに自分以上に大人びていて
 落ち着いた態度、そして体つき、そして時々久遠が自分に見せる笑顔に胸がうずくこと。ただ奈々

 穂は、こんなことを考えることはおかしいと自分にストップをかけていたのだと思う。

 相手は同性、そして自分とは違いすぎる気品さ、俗に言う-高嶺の花-という奴だと思っていた。
 しかしその-高嶺の花-が、自分に想いを寄せていて、今まさに、自らの気持ちを打ち明けてくれた
 のだ。ならば答えは一つである。

「私は・・久遠が私の事を思ってくれてる以上の気持ちを持ってないかもしれない・・自分でも
 分からないんだ、恥ずかしい話だけどな・・でも」

 言葉の途中で奈々穂は久遠に口付けをする、普段の奈々穂の活発さは全くない、優しいキス。

「久遠の事を今以上に好きになる自信はある。」

「奈々穂さん・・」、喜びのあまり再び涙を流す久遠。もはや先程のようにハンカチでは
 ぬぐえないほどの雫がこぼれる。

 長い夜が始まろうとしていた。

849 名前: 王子様とお姫様 2005/09/04(日) 05:06:16 ID:5agO4TWx
「奈々穂さん・・そんなに舐めるように見ないでくださる?」、いつものような口調で自分の
 裸体を奈々穂に晒す久遠。しかし見て分かるくらいに、顔が紅潮しきっていた。

「あ・・あぁ、すまない。あまりに綺麗だったから・・」

「は・・・恥ずかしいこと言わないでください、ただでさえファーストキスを奈々穂さんに奪われ
 て、人生最大ってくらいドキドキしているんですから・・」

「・・・初めてだったのか?」、いつもの様子から、この手に関しては経験豊富だと思っていた
 奈々穂は、ファーストキスと聞いて素直に驚いた。

「当然ですわ・・生まれてから今まで、初めて好きになったのが奈々穂さんなんですから。
 いつものあれは・・周りに格好良く見せたい演技ですのよ・・。」

「久遠・・・」、久遠の素直な本音を聞いて、奈々穂は自分の心の中の衝動を抑えきれなくなって
 しまった。これほどまでに可愛い久遠を見たことがなかったからだ。

「私も初めてだが・・精一杯お前を愛してやる。」

「奈々穂さん・・あっ・・」、言葉と同時に奈々穂は、まるで宝物を扱うように久遠の乳房を 
 円を描くようにこねる。

「ちょ・・奈々穂さん・・胸ばかり・・・んっ・・・」

 久遠の言葉をさえぎるように、奈々穂は二度目のキスをする。しかし初めてのキスとは違い、
 自らの舌を久遠の舌と絡まして、貧欲なまでに久遠の口中を楽しむ。

「はぁ・・ん・・・んぁ・・あ・・・ふぅ・・・ん・・」、初めての感触にとまどいを隠せない
 久遠、奈々穂は唇を離したあと、唐突に久遠の下腹部へと顔を運ばせる。

「ちょ・・奈々穂さん・・そこ・・・はぁ・・・!」、突然大きな反応を見せる久遠。奈々穂は
 久遠のいじらしい反応をもっと楽しみたいと思ったのか、下腹部へ顔をうずめ、久遠の秘所部に
 舌を走らせていた。ぎこちない動きだが、初体験の久遠には相当の刺激が体を走っていた。

「んん・・・!だ・・そこ・・・変な感じ・・・になっ・・ちゃう・・」

「可愛いな久遠・・もっともっと・・お前の声を聞かせてくれ」、そうつぶやくと奈々穂は、左手
 を久遠の敏感な部分に押し当てながら、舌の走りを続ける。

「ひぁっ!・・だ・・・めぇ・・・奈々穂さぁん・・これ以上はぁ・・おかしくなっちゃう・・!」

「こうすると・・もっと気持ちよいか?」、奈々穂は久遠の艶やかな反応をもっと見たいと思う
 一心で、久遠の秘所に中指を埋め込む。

「あぁぁぁぁぁ!・・くぅ・・・!んっ・・・」、先程の舌とは違う感触が久遠を襲う。自慰行為は
 するけれど、他の人の、それでいて愛する人に弄られて、自慰以上の興奮と感覚を覚える。

 奈々穂は、一度久遠を高みへ持っていかせようと、埋め込んでいた中指を強めにピストン運動を
 させながら、膣内で指の角度を変える、ぐにゃぐにゃとした生暖かい感触が奈々穂にも伝わる。

「な・・なほさぁん・・もう・・だめぇ・・わた・・しぃ・・きちゃう・・ダメ・・もう・・
 好きぃ・・奈々穂好きぃ!・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・!!」

850 名前: 王子様とお姫様 2005/09/04(日) 05:06:47 ID:5agO4TWx
絶頂を迎えた久遠は、まるで電気ショックを受けたかのようにピクピクと体を痙攣させていた。
 ぼんやりとした景色を見ているような感触で、久遠は奈々穂をか細い声で呼びかける。

「な・・なほ・・さん・・わたしだけ・・きもちよくなって・・奈々穂さんは全然・・」

「私は良い。久遠が気持ちよくなって、私を感じてくれたなら。」、そう笑顔で久遠に言葉を返す
 奈々穂。今まで見たことの無いくらい、久遠に向ける奈々穂の表情は優しかった。

「不公平・・・ですわ・・」、そうつぶやくと、久遠は奈々穂をベットに押し倒す。

「ちょ・・おい、こら久遠・・」、突然の久遠の行動に驚きを隠せない奈々穂。そんなことは
 どうでも良い、といった感じで、久遠は奈々穂の秘所と自分の秘所をくっつけさせる。

「んっ・・なっ・・久遠・・・?」、軽く感じる甘い感触に襲われ、奈々穂は久遠の突然の行動
 を静止させる気持ちを忘れてしまう。

「奈々穂・・濡れてる・・私何もしてないのに・・感じてくれてたんですわね・・」

「・・知るか。・・その、久遠・・私も気持ちよくして・・くれるか?」、奈々穂が蚊のなくような
 声でつぶやく。

「頼まれなくてもいたしますわ。」そうハッキリと言葉にすると、久遠は待ちかねたように
 自分の秘所と奈々穂の秘所をスライドして擦り合わせる。

「んっ・・!くっ・・あ・・これ・・すごい・・よ」、未知の体験に思わず本音を口にする奈々穂。

 そこには厳格な副会長の存在は無く、一人の女性としての奈々穂の姿があった。
 
「んん・・・!私も達した・・・あとで・・かなり敏感に・・」

 二人の秘所を擦り合わす音だけが聞こえる。グチュグチュと愛液も一緒に摩擦にかけていて、
 表現しがたい淫靡な音だけが室内に響く。

「あっ・・ダメぇ・・んっ・・くっ・・はぁ・・・な・・なほさん・・」

「んっ・・ひぁっ!・・気持ち良い・・よぉ・・・久遠・・・」

 二人の擦りあわすペースが、終焉を迎えるのを予測するように一気に加速する。 

「あっ・・だめぇ・・きちゃう・・よぉ・・く・・久遠・・・」

「わたくし・・もぉ・・イきましょう・・一緒に・・一緒に気持ち良くなりましょう、奈々穂!」

「好きぃ!久遠・・・好きだぁぁぁ!」

「奈々穂・・私も・・んっ・・愛してますわ」!

「あぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ・・・・・!!」、二人は同時に絶頂に達すると、糸の切れた人形の
 ようにベッドのシーツに倒れこむ。二人の表情には、しばらくの間絶頂の余韻が残っていた。

851 名前: 王子様とお姫様 2005/09/04(日) 05:07:59 ID:5agO4TWx
「・・・ふふっ・・」、行為が終わり、一緒にシャワーを浴びた後、再びベッドに戻った二人。
 突然に久遠が笑い始める。

「どうした久遠?」不思議そうに尋ねる奈々穂。その瞳は、愛する者に向けるような雰囲気を
 醸し出していた。

「ふふ・・だって・・今まで近くにいるようで遠くに感じていた人と、一つになれたんですもの。
 人生最良の日ですわ」、恥ずかしい言葉をいとも簡単に言ってのける久遠。

「・・・そうだな。私も全く同じ様に思っていたよ・・あ、そうだ久遠」

「なんですの?」

「お前、行為の最中に私のこと呼び捨てにしただろ?」

「え・・・そうでしたっけ・・、その・・不快でしたか・・?」

「いや・・その逆だよ。これからも呼び捨てにして良いぞ。」

「良いんですの?」

「構わないさ、だってそうだろう?」

 そういうと奈々穂は久遠にそっと自分の胸に抱き寄せた。


「-恋人-なんだからさ」
                                End