- 776 名前:
766 2005/09/02(金) 17:22:12 ID:tRwWCdJo
- 宮神学園の夏がやってきた。
衣替えを終えた学内は自然と薄着の生徒が増え、開放的になる。
いつもならば徹底した管理をする遊撃も、今年の猛暑ではそうもいかない。
第一、その当人達がすっかり覇気をなくしてしまっていた。
「・・・あつーい、あーつーいー!」
「れいん、静かにするんだ、よけい暑くなる」
「だって暑くて暑くて暑すぎるんだも〜ん、小百合のアホバカ空気読め!」
「・・・それほどまでに・・・」
追い討ちをかけるように、生徒会室のクーラーは主電源が切られ使えない。
扇風機を最強にしてみたところで、クーラーの快適な涼しさほどではない。
「ていうか! なんで生徒会室のクーラーだけ切れてるの?」
「それは、今月の予算がオーバーして、まゆら先輩が・・・」
『みなさ〜ん? 涼しくなりたかったら、予算抑えてくださいね、よ・さ・んv』
黒い笑顔で宣言したまゆらの形相を思いだし、れいんはうろたえる。
「あぁ〜、あっしのパラダイスはいずこへ…」
そこへ、遊撃のリーダー、金城奈々穂が颯爽と現れた。
「何をうな垂れている、れいん。会議を始めるぞ」
「はぁ〜い」
気のない返事をして、とりあえず会議はスタートした。
「今日の議題は…直に始まる、隠密との"親睦会"だ。猛暑を見かね、かつ双方の円滑な
コミュニケーションをはかるべく、奏会長が企画してくださった。…だが、私は、
この企画に大きな疑問を持っている」
「あ! 久遠先輩が絡んでる、ってやつですか?」
「ああ。分かっているとは思うが、久遠は手のうちを汚さずに相手を陥れる達人だ。
会長に進言したのもあいつだと聞いたからな」
「では、今日の親睦会というのも・・・」
小百合の問いに、奈々穂は眼で応える。
「もしかして…あっしらをつぶしにかかるんじゃ」
「いや、奏会長の手前、あからさまな事はしてこないだろうが、
何かするだろうことは予測できる。逆に、こちらの実力行使は不可能だ。
会長の手前上、な」
- 777 名前:
766@百合 2005/09/02(金) 17:23:53 ID:tRwWCdJo
- 「・・・・・・それでは、頭で勝負するしかないのでは?」
「あっしも、小百合の意見に賛成です。隠密には頭で勝ち目なんて…」
分かっているが、と奈々穂はため息をつく。
「この所、遊撃は形無しだ。このままでは学園における名誉も地位も、
ひいては予算も危うい。いいか、れいん。小百合。
向こうが怪しい行動を取ってきたら、慎重に対処するんだ」
『は、はいっ』
勢いだけはある二人と言えども、さすがに自信がなかった。
それは奈々穂も分かっている。しかし引くわけにはいかない。
まして相手は隠密なのだから・・・。
「はーい♪ それじゃあ、遊撃と隠密の親睦会を始めたいと思いまーす♪」
聖奈が明るい声で宣言し、双方が形ばかりの拍手をおくる。
テーブルを挟んで向かい合う遊撃と隠密。だがその空気は明らかに重く、
とても友好とは程遠い。
まぁちがお皿に、色とりどりの夏野菜を盛り付け、グラスに涼しげな色の液体を注いでいく。
(久遠・・・いったい何を仕掛けてくる? おまえの意図はなんだ・・・?)
奈々穂は注がれたオレンジジュースを一口含み、じっと久遠を見つめる。
向かい合って座っている久遠は、隣の聖奈と談笑していたが、
視線に気づいて目を向けた。
- 778 名前:
766@百合 2005/09/02(金) 17:25:52 ID:tRwWCdJo
- 「っ!」
その移動を予測していなかった奈々穂は、突然のことに動揺し、グラスを傾ける。
「奈々穂さん、どうかしまして?」
「い、いや…なんでもないっ」
「顔が赤いですわよ。ご気分が優れないのかしら」
「なんでもっ、ないから・・・!」
ふぅん、と顔を背けた久遠に、奈々穂はひとまず安心した。
一瞬とらえた久遠の瞳は、どこか物憂げで、今でも鼓動がやけに高鳴る。
(くっ・・・どうかしている・・・)
奈々穂独りの動揺とは裏腹に、互いの交流は何事もなく、ごく普通に進んでいた。
まぁちの作った手料理はいつものように絶品で、会話もはずむ。
れいんも小百合も、普段は接点のない遊撃の二人と打ち解けていた。
何気ない話題でも話が弾めば、たちまち笑顔をほころばせる。
次第に、奈々穂はひとりでぼんやりとグラスを傾けていた。
・・・・・・副会長として、威厳のある態度をとるべきだと。
常に自分に言い聞かせてきた。
だから、自分の私も、弱音も決して曝け出さない。それは上に立つ者の義務なのだ、と。
その決意は時に揺らぎ、奈々穂をひどく臆病にさせる。
そして同時に、自分は単なる独りの少女にすぎないことを思い知る。
「奈々穂さん」
「ぁっ・・・く、久遠?」
ふと気づくと、久遠の顔がひどく間近にあった。
不安そうに眉をひそめ、見つめてくる。
「先ほどから静かですけど、熱がおありなんじゃないかしら?」
「い、いや・・・大丈夫だ、気にするな」
迫る久遠の、息づかいが伝わる。グロスを塗った唇からはなつ芳香が心地いい。
今更思うまでもないけれど、久遠は綺麗なのだだと、はっきりと思った。
そして時に、不自然なまでに優しい。だから奈々穂は久遠を嫌えない。
「管理人さんの作ったパスタ、とてもおいしいですわよ。入るなら、少しでも口に
した方がいいですわ」
「あ、ああ・・・すまない、久遠」
奈々穂は言われてフォークをとった。確かにまぁちの料理は、
適度な味付けがしてあり、おいしかった。
横ではれいんがはしゃいでいるのに、それさえ遠く聞こえない。
久遠のさりげない仕草、声、ちらりと見える歯が目に付いて、胸をしめつける。
本当に調子が悪いのかも知れない。奈々穂の動悸は、ゆっくりと強くなっていた。
・・・・・・だから未だ、気づいていなかった。
- 782 名前:
766 百合 2005/09/02(金) 19:23:01 ID:OIRdaldG
- 「あぁ〜、たっのしかったぁ!」
夕餉を終えて。食後の紅茶と軽いお菓子を嗜みながら、遊撃と隠密は、すっかり打ち解けていた。
奈々穂の予期していたようなこともなく、ただ時間だけがすぎていく。
「同感だ。・・・香も来れればよかったのだが」
「しょーがないでしょ、香は家の用事があるんだもん」
「ま、そうだけどね。聖奈先輩、今度購買の裏メニュー教えてくださいねっ」
「れいんちゃんなら大歓迎よ〜。私、ちょっと片付けてきまーす」
聖奈は、食器を載せたワゴンを押して出ていこうとする。
それを見て、奈々穂は立ちあがろうとする。
「聖奈さん、私もいき、ま・・・」
と。突然世界がひっくり返った。視界がゆがむ。
「なっ・・・!?」
驚く間もなく、久遠に抱きかかえられていた。
「奈々穂さん、大丈夫かしら?」
その含みをもった声に、背筋が凍る。
・・・謀られた。
「副会長、だいじょう・・・ぶ・・・? あれ・・・?」
「な・・・何がっ・・・」
続いてれいんと小百合も転倒し、何者かに抱えられた。
「ぁ・・・あんたが、隠密・・・!?」
れいんを抱えたのは、琴葉だった。彼女は声もなく頷く。
「・・・・・・りのの友達か」
「すみません、小百合先輩。でも、・・・私も隠密なんです」
小百合を支えたのは歩。申し訳なさそうにしながらも、ちゃっかり木刀を奪っていた。
「やはりっ・・・罠だったのか・・・」
奈々穂は唇をかんで久遠を睨むが、時すでに遅し。己の不甲斐なさがただ悔しかった。
「隠密を過信しすぎていたようですわね」
「何が目的だ・・・言えっ!」
「・・・・・・やはり、奈々穂さんは可愛らしいですこと」
シュルシュルと制服のリボンがほどかれ、奈々穂の胸元がはだける。
露になった鎖骨に、久遠はそっと指を這わせる。
「ッ・・・・・・!」
「今日も、ですわね」
薄くマニキュアを塗った爪が、ベストの中に入っていく。
「・・・ピンクのレース」
ぼそりと呟いた声に、奈々穂はたちまち青ざめた。
「あっっ・・・久遠、やめろ、やめてくれっ・・・!」
「いやですわ」
言うが早いが、久遠はベストをまくりあげ、
とっくにボタンの外れていたワイシャツから、奈々穂の下着を曝した。
- 783 名前:
766 百合 2005/09/02(金) 19:25:14 ID:OIRdaldG
- 「ふ、ふくかいちょー・・・その下着・・・」
それは十七歳女子高生には似つかわしくない、奈々穂のイメージとはかけ離れた、
レースが幾重にも重なった可愛らしいブラだった。
「乙女だ」
「やめろ、言うなぁぁ!」
素をさらされて動転する間にも、次々と魔の手が伸びていく。
スカートのジッパーを手でこじ開け、奈々穂の愛らしい少女の部分を曝していく。
「それに、下も・・・」
そして現れたショーツもまた可愛らしく、れいんは思わず笑った。
「な、なにがおかしいんだ!」
「だ、だって・・・ぁははっ、副会長、なんか、かわいいっ・・・ひぅんっ?」
「笑っていられるのも今のうちだ・・・」
背後から琴葉が、れいんの乳房をつかんだ。そのままやわやわともみしだく。
「あっ!ちょ、ちょっと! なんであっしも・・・!?」
「対象は遊撃全員だ。悪いな」
「やぁッ・・・胸は、むねは弱くてくすぐったくて、だめぇっ・・・!!」
れいんの顔が歪み、たまらない刺激に身を捩らせる。
琴葉はれいんの動きに合わせて、実に上手く刺激をしていく。
「れいんっ・・・! っく、離せ!」
「ダメです先輩。先輩は私とですよ」
歩は懐から薬方を取り出すと、小百合の口をこじ開けてそれを呑ませる。
こぼれた唾液を拭って、いつもよりにこやかに微笑んだ。
「忍びはこういうことには強いんですよ・・・ね? 効いてきたでしょう?」
がくがくと震えるからだ。全身を駆ける熱さに、小百合はたまらず喘ぎをもらした。
「ぁっ・・・これ、はっ・・・はぁっ・・・ぁああっ」
「いわゆる媚薬、ですね」
ぺろりと舌を出して、耳をあまがみする。小百合の嬌声はいっそう大きくなった。
ねちゃりとまとわりつく唾液に、神経がおかしくなりそうだった。
「小百合ぃっ・・・やだ、やだぁぁあ・・・」
親友のあられもない姿に、れいんは憤るが、だからといって琴葉の手は休まない。
尖り切った乳首を引っ張っては撫で、より感度のいいところを探している。
「ぁぁあっ、はぁっ、んんっ・・・・やめてぇっ、やだぁぁっ!」
「そういう割には逃げないな」
「だっ、それはぁっ・・・ぁぁあっ!!」
「遊撃は淫乱揃いか・・・不甲斐ないな」
琴葉の挑発にも答えられない。身体中が性感帯かのように、どこを触られても身が疼く。
(奈々穂先輩っ・・・ごめんなさいっ・・・)
- 784 名前:
766 百合 2005/09/02(金) 19:27:12 ID:OIRdaldG
- 奈々穂も久遠の手に落ちていた。
裸同然になった奈々穂の身体を、白い指が滑り落ちていく。
ぺろりと口元を舐める音が聞こえて、震えが走った。
「がちがちですわよ・・・もっと身を委ねてくださってもよろしいのに」
「だれがっ・・・くっ、」
久遠は焦らすだけだが、身体が火照って仕方がない。
理性と本能とが葛藤し、目の前で崩れていく遊撃の仲間たちを見て悔しくもなる。
「奈々穂さん・・・・・・」
つと、唇が重なる。久遠が口付けていた。
いちごの甘い香と、柔らかな唇に、奈々穂のからだがとろけていく。
「ふ・・・・ぁあ・・・・っ」
それははじめての嬌声だった。鬼の副会長でもなんでもない、ただの少女としての、
素直な快感の声だ。
自分が喘いだ事にたまらなくなり、奈々穂の身体はますます沈んでいく。
「ほんとうに、かわいくてよ・・・」
続けざまのキスは、さらに奥深くを要求した。舌が触れ合い、のけぞる奈々穂を、
ぎゅっと久遠が抱き寄せて求めた。
「ふぅっ・・・ん、んんっ、あ、あぁっ!」
身体が離れれば寄せて、熱い喉を掻ききるように、甘くない蜜を口に含んだ。
こらえきれず漏れた唾液が糸のようにまとわりついてくる。
「ん、はぁっ、奈々穂さんの中・・・・熱いですわっ・・・」
頬を撫でながら、もう一度深い深いキスを。
そして、片手で可愛い下着の下に色づく乳頭を、きゅうっとつまんだ。
- 785 名前:
766 百合 2005/09/02(金) 19:29:02 ID:OIRdaldG
- 「んんーっ! ん、ぁあっ、あはぁあっ、くおん、久遠っ・・・・!」
身をよがらせ、舌を求める奈々穂に、久遠も我が胸を曝け出して応える。
いったん唇をはなすと、そのまま桜色の突起をほおばる。いっそうオクターブが高くなり、
立っていられなくなった二人は、そのまま床にへたりこんだ。
「奈々穂さんっ・・・あぁっ、好きですわっ・・・っ、んぅっ・・・」
十分な刺激で濡らされた秘所をショーツ越しになぞって、わざと派手な音を響かせる。
「やっ・・・音がするっ・・・い、いやぁぁっ・・・!」
「もっと、もっとさらけ出して・・・私だって、こんなに感じてますわ・・・っ」
つたう愛液を辿って、奈々穂の指を誘導する。
久遠の方も、ぴくぴくと震えて迸っていた。
「全部・・・奈々穂さんのせいですわよ・・・」
「っ・・・久遠・・・っ」
恐る恐る、奈々穂の指がそれに触れて、くちゅと粘液をかき混ぜる。
「んっ、ぁんっ・・・! なな、ほ、さっ・・・」
「久遠・・・ぁ・・・も、もっと、して、くれ・・・・・・」
「・・・・・・本当にッ・・・・・・ですわねっ・・・・・・」
久遠の呟きに、思わず笑いがもれた。
二人の指が絡まりあい、互いを刺激して、昇りつめていく。
どこまでも優しい指遣いなのに、身が痺れ、胸が高鳴り、声が抑えられない。
教えられずとも、どこを刺激すれば気持ちいいのか、自分の事のように分かった。
弄る指の動きが速くなって、二人はとけていく。
「んっ・・・ななほさっ・・・ぁっ・・・私の事・・・おきらい・・?」
「・・・いまさら・・・ぁっ、何、言ってるんだ」
「ふふっ、・・・・ん、そうでしたわねっ・・・・それに、もうっ、私っ・・・・」
「私もっ・・・・もうっ・・・・!!!」
「あ、ぁっ・・・あ、ぁぁああぁああっ・・・・!」
「・・・・っ・・・・・!! はぁあ、ああぁっ、ああああっ!」
二つの身体が一つになったように・・・・奈々穂と久遠は、同時に果てた。
「本当に・・・・大好きですわ・・・・」
- 786 名前:
766 百合 2005/09/02(金) 19:30:59 ID:OIRdaldG
- 同時刻、拘束されていたれいんと小百合は・・・・
「琴葉ぁ〜、楽しいことしよ〜かぁ・・・えへへぇ」
「なっ、ちょっ・・・やめろ、私はその気はっ・・・・」
「先に手ぇ出してきた方が有利だってー?
そんな法則は、あっしには効かないし小百合にも効かないし、でも副会長には
効くんだからねっ」
「あ、悪夢だ・・・・」
「歩・・・・・・メガネっ娘は本気になると強いんだ」
「意味分からないしっ! なんでっ? 薬効いてるはずなのにっ・・・」
先ほどとは裏腹に、遊撃が隠密を翻弄していた。
れいんは琴葉のうなじを舌でくすぐり、震える身体をもみほぐす。
対して小百合は、子犬のように歩を舐めている。
「まさか・・・二人は底無しの性欲を持っているのか・・・」
「ていうか、薬の効きすぎなんですよっ、先輩っ!! あーもうっ、
こんなはずじゃないのにぃ〜!!」
日頃の慣れのせいか。れいんと小百合のコンビ勝ち、なのだった。
- 787 名前:
766 百合 2005/09/02(金) 19:32:25 ID:OIRdaldG
- 「遅れてすいませーんっ、みなさっ・・・・あ、ぇぇっ!?」
遅れてやってきた香は、部屋にただよう匂いと、響く嬌声と、
乱れ咲く生徒会の乙女達を見て、顔をまっかにした。
「な、なにがあったの、これ・・・・? 副会長とか、れーちゃん先輩とか、
小百合先輩とか・・・・へ、ええぇっ、パヤパヤ〜!?」
「はーい、せいかーい♪」
ポン、と肩に手が置かれて、香は思わず身をすくめた。
それはにこやかに微笑む聖奈だったのだ。
「聖奈先輩・・・きょ、今日の集まりって・・・親睦会です、よね・・・?」
「うん、だからみんな仲良くしてるじゃないv」
「で、でも、これって、これって・・・・????」
震える香をぎゅっと抱きしめて、聖奈はそっと囁いた。
「わたしたちも。楽しいこと、いっぱいしましょうね♪」
おわり。