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723 名前: 706 百合 2005/08/30(火) 18:13:48 ID:iRU72j/v
何故かそれが胸の辺りを締め付けて離さなかった。
大体痛いのだか何だかも分からない。
ただ気に入らなかった。
組織に飼われているという点では私も彼女も同じようなものだが、
私と彼女では決定的な違いがある。
自分の意思であるか、そうでないか。
・・・意思というのは違うかもしれない。
が、彼女がそれを望んでいないのであれば同意義だろう。
どうしても抗えないがために自らの意思で決定せざるを得ないのと、
自らの意思で決定して行動を起こすのでは天と地ほどの差があるからだ。
それでも彼女は
『忘れないようにするため』と。
あの時はそうでもなかったが、今になると腹が立ってどうしようもなくなってきた。
あんな男の写真など破り捨ててしまえばいい。
そうか、破り捨てればー・・・。
いや、そもそも

なぜ私は腹など立てているのだろうか?

「琴葉さん?」
「はっ・・・!」
私はいきなり肩に手を、耳に声を掛けられて、咄嗟に飛び退いた。
ここが学園の廊下だというのも失念して。

724 名前: 706 百合 2005/08/30(火) 18:14:36 ID:iRU72j/v
「あゆ・・・む」
身を屈めたまま前方を見ると、驚いたような呆れたような歩の姿があった。
「琴葉さん、どうかしたんですか?」
体勢を立て直しながら、いつもの風を装う。
「いや、なんでもない」
「なんでもない、ですか」
無言で対峙する。
こういうとき、何故か歩は粘着質のしつこさを持つ。
私が何も返さずそのままの体勢を保っていると、
歩は観念したようにため息をついて腰に手を当てた。
「はあ・・・何も聞きませんけど・・・何かあったら言って下さいね」
歩の言葉に、柄にも無く心が少し痛む。
こればかりはどうにもならないことであり、歩に言っても仕様が無い。
実際問題、自分の中ですら解決できていないのだから。
「分かった・・・善処する」
言うと歩は苦笑して、私の横を通り過ぎて行った。
「・・・」
歩の背中を何の感情も無く見つめてから、私は反対側へと歩き出す。
今の時間ならば誰もいない。
一般の生徒は授業中であり、何より極上寮に近付く筈も無い。
そう心では思っていても、体は今まで培われて来た通りの反応をする。
無駄ではあったが、此処に来るまで建物の隅々にまで神経を張り巡らせた。
部屋の前に立ち、最後に一度だけ息を吸い込んで
私は毛羽立った絨毯を踏み進む。
ドアは厳重なロックが掛けられているものの、
内部の人間を追い返す機能など搭載されてはいない。
銀河久遠の部屋のドアは、正規の手続きを踏んで簡単に開いた。
「・・・・・・」
硬質、だろうか。
一歩入っただけだというのにそのイメージが身体を取り囲む。
高級ホテルを彷彿とさせる室内は、陽を取り込んでいるのに何故か薄暗い。
部屋は所有者の性格を顕す、というが、これでは。
部屋の奥に進んで行き、一番ひやりと感じられる場所の中央に、その写真はあった。
にこりとも笑うことなく腕を押さえて写る銀河久遠と、微かな笑いを浮かべる藤澤恒久。
何かが激しく擦れる音がしたかと思うと、私は奥歯を激しく噛み締めていた。
感情の制御が利かない。
一大事、一大事なのだが、それよりこの写真を破り捨てるのが先決だろう。
私は写真の縦方向にゆっくりと力を込める。

725 名前: 706 百合 2005/08/30(火) 18:15:14 ID:iRU72j/v
「あら、どうしましたの?こんな処で」
「・・・・・・!!!」
確認するまでも無い。
私は写真を戻して窓から飛び降りようとした。
しかし強い力で腕を掴まれていては、それもできない。
「っ・・・」
「授業を放棄して何をしていましたの?」
「いえ、別に、何も」
どうしてこう、隠密の人間は私に対してしつこいのか。
ちらりと彼女の顔を見てみるも、無表情。
彼女はおもむろに写真を手に取ると、私の目の前にかざして見せた。
「こんな写真なんて、見ても大して面白くもありませんことよ」
それにあなたはもう見たことがあるでしょう、と。
「藤澤恒久の資料が必」
「嘘ですわね」
銀河久遠の持つ写真には微かな亀裂。
私は彼女から顔を逸らす。
答えを言うまで彼女は手を離さないらしい。
「・・・だったら」
ほんとうのことをいえばいい。
自嘲的な笑みを浮かべそうになるのを押しとどめ、彼女に向き直る。
「藤澤恒久は逮捕されました。あなたがこの写真を持っている必要は無い」
「忘れないため、と言った筈ですわよ」
「それが愚行だと。何かが起きたときに相応の対処をして行けばいい」
「・・・・・・」
「それにあなたは私が笑わない、と言った。だからその分、あなたに笑っていて欲しい」
「それは、何故」


726 名前: 706 百合 2005/08/30(火) 18:17:51 ID:iRU72j/v

「私があなたを好きだからでしょう」
言ったことに大しては何の感慨も無かった。
それはただの会話の中の一節にしか過ぎない。
副会長の変な顔を見ることが出来ただけでも良かったとしか。
「それ、でも」
だというのに彼女の唇は未だに無粋な言葉を紡ごうとする。
それならば、どんな手段であれ忘れさせればいい訳だ。
眼前には目を見開いた副会長の顔。
唇には微かな感触。
「こと、は」
そんな掠れた声で名前を呼ばないで欲しい。
一回キスをしただけだというのに彼女の頬は上気していた。
このままでは彼女のため、という名目で自分を満足させることにしかならない。
「副会長、宜しいですか」
最後通告、それを彼女は首肯した。
近くにあったソファーに彼女を寝かせ、
その上に覆いかぶさるようにしてもう一度口付ける。
最初は軽く、彼女が息をしようと口を開いたときにするりと舌を滑り込ませた。
「・・・!」
彼女の身体が軽くはねるのを、押さえつけるようにしてさらに深く舌を捻じ込む。
なぜか多く分泌される唾液が彼女の口内におちて行き、彼女自身の唾液と混ざり合う。
甘いはずなど無いのだが、甘く感じてしまう。
こんなことをするのは初めてだが、自然と行為は進行していく。
多分動物には初めから備わっている機能だ。
だから動物のようにしか行動しない。
そんなことを考えていると、ごくりと彼女が大量の唾液を嚥下した音が聞こえた。
私はそれを確認し、制服を脱がせにかかる。
もうすぐ自分も着ることになるであろう制服を脱がせていると、変な気分になった。
リボンは簡単にほどけ、上着はまだ脱がせずにブラウスのボタンから外して行く。
薄い布地を突き上げる胸はこの歳にしては反則じみていて、
私はしばらくの間見入ってしまう。
「琴葉・・・あんまり見ないで下さる?」
彼女が言った言葉で我に返り、ホックを外し上着を脱がせると、
彼女は両手で豊かな丘陵を隠していた。

727 名前: 706 百合 2005/08/30(火) 18:18:42 ID:iRU72j/v
「何故隠すんですか」
恥ずかしいからに決まっているじゃない、とどうしようもないことを言うので
私は彼女の両手を引き剥がし、その形をなぞるように唇をゆっくりと這わせた。
柔らかく、暖かな弾力が唇から脳へ直接伝わる。
そしてそのまま頂のほうへと唇を移動させる。
「や・・・琴葉・・!」
舌を出してそろりと舐めあげたあと、ゆっくりと口に含んで味わう。
彼女は上がってしまいそうになる嬌声を、唇をかんで耐えていたが、
すこし漏れてしまっていた。
「声を上げたいなら上げてもかまいませんが」
久遠はいやいやと子供がするように頭を振った。
それで私の頭はショートしてしまったのか、まだスカートを着けている下から
手を差し入れてショーツを脱がしにかかる。
何か久遠が制止の声を上げていたように聞こえたけれど、
聞こえない。
抜き取ったショーツには透明な液体が決して少なくは無く、付着していた。
匂いをかぎたい衝動に駆られたが、それは投げ捨てスカートをめくる。
薄暗くても分かる微かに生えた恥毛は、髪の色と同じく薄い色をしていた。
「やっぱり外国人の血・・・」
声に出てしまっていたのか、久遠は茹だったように真っ赤になると、
気休めにもならないような力で私の顔をぺしぺし叩く。
「ばか琴葉・・・いやだっていったのに」
そして私の頭を掴むとあらぬ方向に曲げようとする。
そんな仕草さえ愛しく思えてしまって口元は緩みっぱなしだった。
しかしこのままでは駄目だろうと、私が再開しようとすると久遠は
「琴葉も脱いで・・・そうでもしないと割に合いませんわ」
「いえ、ですがお見せするようなものでもないのですが」
「いいから」
久遠は引き下がらないので私はしぶしぶ上着を脱いで下着を脱いだ。
言われたことはやったのだから、もう止めても聞かない。
私は半ばふてくされて、久遠の両足を抱きかかえるようにしながら
太ももに舌を這わせた。
「っ・・・・・・!」
急な刺激に久遠が声を上げる。
私はそれを無視して舌を深部へと進めていく。
「はっぁあ・・・!やだ・・・琴葉」
そしてそこに到達すると、一回、味を確かめるようにして舐めた。
先ほどの唾液と同じで甘いはずは無いのに、甘い味がした。
脳がおかしくなっている。
そのなかで一番硬くなっている部分と、液体の流れ出す部分を同時に吸い上げた。
「ふああ・・・!やだ、ことは汚いっ・・・・!」
あまりの刺激のためか、言葉が単語の羅列になっている。
ゆっくりと舌で穴をほぐして、入るだけ、舌を埋没させた。
「あぁ、やだこん、ぁあ・・・・・・!!まっしろ、にっ・・・・!」
そのまま流れ出る液体を吸い上げる力を強くすると、久遠は身体を弓なりにして果てた。

728 名前: 706 百合 2005/08/30(火) 18:19:12 ID:iRU72j/v
「・・・すいませんでした」
「・・・知りませんわ」
着替えた後、しばらくは口さえ聞いてもらえなかった。
そして口を開いたと思ったらこれだ。
どうやら永遠に許してもらえないらしい。
私から何か言ってもこの調子なので彼女のほうからリアクションを起こすのを待つしかない。
10秒にも30分にも思える時間が経過した後、副会長は口を開いた。
「・・・言っ・・たら」
「?」
「もういちど、言ってくれたら、許してあげても良いですわよ」
何を、と私は訊かない。
言うべきことなど分かっている。
さっきはなんともなかったのに、今はこんなにも頬が熱い。
さっき言ったのに、と言ってもこのお姫様は聞かない。
だとしたら言うしかないだろう。

「好きです」
「ええ、私も」
微笑む彼女を見ながら、
ともあれ作戦は成功したんだな、と思って自分も笑っていた。