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501 名前: 休日の惨劇 その@ 2005/08/22(月) 15:16:36 ID:7M+9tm7J
俺 「……う……ぅううん……ん……?」

焦点の定まらぬ眼を擦りながら辺りを見回す俺。見知らぬ天井、高価そうな絵画の飾られた壁、豪奢なカーペットの敷かれた床。
そして鼻腔を擽る甘い香り……。

俺 (甘い香り……甘い……女の……女の匂い!)

バッと身を起こし身構えようとしたが無残にも四肢は言う事を聞かず身体は崩れ落ちた。腕も足も縛られているのだ。

俺 「クッ……」

咽を鳴らし匂いのした方へ視線を向けると数人の少女が俺を見下ろしながら立っていた。長身のまるで漢の様な肩幅を持つ武闘派、
金城奈々穂。地味でお堅い算盤女、市川まゆら。その隣に立つ更に地味な短髪の陰険そうな少女。そして……我々が送り込んだ
諜報員、スレンダーだがそれでいて出るところは出ている美しき隠密、銀河久遠。執行部の三人+こちらのデータには無い少女。
なるほど状況を完全に把握した。そう、銀河久遠との定期連絡の為の接触を試みたナフレス諜報機関のエージェントである俺は
不覚にも彼女ら極上生徒会メンバーの罠に嵌り囚われてしまったのだ。ジリジリとにじり寄って来るメンバー達。中でも金城奈々穂
の眼は血走っている。

俺   「フッ……無駄だぜ、何も吐かんよ。たとえ拷問されたとしてもな。そういう訓練も受けているんだ我々は。」
奈々穂 「漢みたいな肩幅ってなんだ……」
俺   「へ……?」
まゆら 「地味って言われた……」
俺   「へ……?」
琴葉  「更に地味……陰険そうな……」
俺   「…………」

どうやら自分の置かれた状況に動揺して声に出してしまっていたらしい。

久遠  「ま……まあ、皆さん落ち着きになって下さ――」
奈々穂 「お前は良いよな……一人だけ特別扱いで……」
まゆら 「わたしと違って華がありますもんねー」
琴葉  「……地味で陰険……地味で陰険……地味で陰険…………この男……断罪すべきです」

わたくしにはもう止められない、こちらに向けられた久遠の視線がそう言っていた。

502 名前: 休日の惨劇 そのA 2005/08/22(月) 15:17:41 ID:7M+9tm7J
久遠  「仕方ありませんわね……やるからには徹底的に。洗い浚い吐いて貰いますわよ」
俺   「おい、お前達、この女は俺達が送り込んだ諜――」
奈々穂 「すべて知っている。何をいまさら」
俺   「クッ……」
久遠  「極上生徒会を……女の友情を甘く見ないことですわね」
まゆら 「……というわけで……」
琴葉  「断罪だ。因みにわたしは神宮司家の御庭番、矩継琴葉だ。地味で陰険だから覚悟しろ」
俺   「何度も言わせるなよ。俺達はどんな拷問にも耐え得る様に訓練を……って、おいヤメロ!」

矩継琴葉と名乗った少女が俺のズボンを下ろし始めたのだ。身を捩って抵抗しようとするが上手くいかない。あっけなくズボンを脱がされ
てそれを取り上げられた俺は上半身はワイシャツ、下半身はパンツに靴下という最も恥ずかしい姿にされてしまった。しかも矩継琴葉の
手はパンツにまで伸びようとしている。

俺   「な……何を……」
琴葉  「副会長、あれが良いかと……」
奈々穂 「あれか……フッ……サディストだな、琴葉」
琴葉  「地味で陰険ですから」
俺   「あ、あれって何だ? え……え……えええ!」

ゴソゴソと懐からヨーヨーを取り出す金城奈々穂。俺は知っている、あれが彼女の得物である事を……。

奈々穂 「犬の……散歩だ」
俺   「犬の散歩……い、犬の散歩だと! ちょ、おま――」

言うが早いか、ヨーヨーを床に這わせ回転を掛けてこちらに向かわせて来る奈々穂。当然目標は俺のナニだ。

俺   「や、やめ……お……おぅぅぅおおお!」

予想に反し絶妙な力加減で股間を伝わり上ってくるヨーヨー。

俺   (こ、これは案外良いものかも――)

と、その刹那――。

503 名前: 休日の惨劇 そのB 2005/08/22(月) 15:18:37 ID:7M+9tm7J
俺   「ぎ、ぎょぇぇぇええええええええええ!」

ヨーヨーの糸が陰毛に絡まり、その勢いで転倒したヨーヨー本体があろうことか隆起しかかった棹へと絡み付いて来たのだ!

琴葉  「申し訳ありません、わたしの提案の所為で……」
奈々穂 「いや、そろそろ痛んできたのでな。変え時だったんだ。気にする……な……っと……」
俺   「ぬぅぉぉぉおおおおおおおおおお!」

金城奈々穂は言うや否や陰毛に絡みついたままのヨーヨーを、ブチッブチッと音を立てて引っぺがした。

俺   「お、お前ら……わざとやってるだろ……」
奈々穂 「さあ、まゆら。今度はお前の番だ」
まゆら 「え? どうやって……」
奈々穂 「何言ってる、あるだろう? お前にも得物が」
まゆら 「え? あ、あああ……ええ。そうですね、わたしのもそろそろ買い替え時ですよね。汚れたり臭いが付いたりしても
     予算で購入して大丈夫ですよね?」
奈々穂 「当然だ。必要経費だ」
まゆら 「それじゃあ……」

物騒な会話を終え、俺ににじり寄って来る市川まゆら。その手には算盤が握られている。シャッシャッっとそれを上下に振りながら
距離を詰めて来る。自分でも顔が蒼ざめていくのが分かる。

俺   「そ、それで何を……」
まゆら 「すべりが悪いんですよねぇー、最近。珠のすべりが――」

そう言いながら算盤の珠を俺の尿道口へ押し当てて来るまゆら。腕に力を込めて力一杯に引こうとしているらしい。

俺   「ちょ……おま……待て……待って下さ――」
まゆら 「大丈夫ですよぉー。すぐに楽になりますから。あはは」
俺   「ぎ、ぎゃぁぁぁあああああああああああああ!」

504 名前: 休日の惨劇 そのC 2005/08/22(月) 15:22:10 ID:7M+9tm7J



俺   「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……」

恐怖に身を起こす俺。見慣れた天井。どうやら夢を見ていたらしい。

俺   「休日だというのに……なんて夢を。畜生、夢なら久遠タンの髪をくんかくんか位してやるんだったぜ……ハハハ……はぁ……」

そう、俺はナフレス諜報員でも無ければ二次元の住人でもない。ただのアニヲタだ。愛する極上キャラ達の夢を見れたのは幸か不幸か……。

俺   「まあ良い。昼飯食いながら録画したまま見てない今週の極上でも見よ。カップ麺……あったよな」

やかんのお湯を沸騰させて部屋に戻る俺。カップ麺にお湯を注ぎ出来上がるのを待つ間に、ビデオデッキのスイッチを押してテープ
を巻き戻す。二十数分間巻き戻ったところで停止ボタンを押す。確認する必要など無かった。アニヲタとして鍛えられた指先には
狂いなど無いのだから。三分経ったところでカップ麺の蓋を開け、ビデオデッキの再生ボタンを押す。

テレビ音声 「――し、マイメロディ。今度ね――」

テレビの音声は極上生徒会のエンドタイトル寸前の番宣を告げている。やはり完璧だった。先週の録画分の終り付近できっちりと
巻き戻しを止めていたのだ。

テレビ音声 「♪ッティティッリティティティン♪テゥールテゥテゥンテゥールテゥテゥンテゥールティンティン♪」

りのが奏に寄り掛かっているエンドタイトル画面が映し出された。うなされて起こされたとはいえ、見た夢は極上キャラの夢。
テープの巻き戻しも完璧。カップ麺の出来上がる時間との連携もバッチリ。そしてこれから録画した極上を見ながらの昼食。
最高とはいかないまでもささやかな、幸せな休日が始まろうとしていた。

俺     「圧倒的じゃないか、我が軍は。こやつめ、こやつめ、なんちって。ハハハ……。ってそろそろ始まるな」

出来上がったカップ麺に箸を入れながらオープニングのイントロを待つ俺。今、まさに至福のときが訪れようとして――。

テレビ音声 「♪青い     〜 見上げ            〜 止まぁぁぁ          ぉぉぉ         〜
            そぉ  〜       るぅ    ぉぉぉ〜         った     時の    螺旋    〜 〜
              らぁ           横顔ぉ                 ぁぁぁ           んんん    〜♪」

俺     「え?」                                                                 完