◆プロローグ◆
狭間 偉出夫(ハザマ イデオ)
軽子坂高校、2年
その秀でた頭脳ゆえか、
知られぬ心の闇ゆえか─
彼は、誰にも理解されない少年で
あった。
知能の高さは周知の事実だったが
時折見せる奇矯な言動に
ついていける生徒はおらず
彼は妬まれ、笑われ、
そして…疎外された。
苦しみだけの孤独な毎日
そんな学校生活を
ただ『憎しみ』だけが支えていた
ある日のこと
いつものようにパソコンに
向かっていたハザマは
ネットワークを通じて奇妙なものを
手にいれた
『悪魔召喚 プログラム』
これを入手した大多数の人間は
ただのイタズラと思い破棄したが
プログラムの不思議なタイトルに
魅せられたハザマは
文献を読みあさり、持てる知能を
総動員し、このプログラムを
実用化できる『機械』を作り上げた
更にその過程で得た様々な
魔に通ずる知識と…
悪魔召喚の技法…
安穏な日常からの脱却のためか
それとも彼の狂気がなせる業か…
周到な準備の上、何やら儀式を
行った彼は
どこともしれぬ巨大な塔の前に
たどり着いた… |
◆オープニング◆
>…ハザマが 塔に入ると
背後で 入口が音をたてて閉まった
“悪魔召喚プログラム”を
調べる過程で知った
魔界に至る方法
半信半疑で 行ってみた儀式が
彼をここへ導いた
自ら 調べたところによれば
この塔は 魔界の中でも
特別な地であるらしい
…ここで 自分は
望みを叶えることが
できるのだろうか?
圧倒的な“力”
学校の 愚かな連中を
意のままにできるような“力”を
手にすることが できるだろうか
そう考えたハザマに
もはや 恐怖はなかった
ハザマ:
ふん… 上等じゃないか
ハザマは ゆっくりと
しかし待ち切れないかのように
塔の内部へ向けて歩き出した |