remove
powerd by nog twitter

資料室

●天の章(051-075)●


■051 アールマティ ≪戻る≫

[種族]…大天使
ゾロアスター教の、女性だと言われている大天使。アムシャ・スプンタと呼ばれる存在に数えられる。

出身地:ペルシア
ゾロアスター教の最高神アフナ・マズダの娘とされるアールマティは、最高神の左手に座っていると言われている。彼女は大地を統括し、家畜に牧場を与える天使とされる。アールマティの名は「敬けん」という意味を持ち、彼女は信心深さや信仰心の化身であると言われる。罪のある人間が道を歩くと心を痛め、天則に従う者が家畜を養ったり、天則に従う子が生まれると喜ぶと言われている。彼女の敵対者としてはタローマティやパリマティが知られる。

■052 サンダルフォン ≪戻る≫

[種族]…大天使
偉大なる天の書記官メタトロンの、双子の弟とされる天使。兄とともに様々な天の仕事を担う。

出身地:イスラエル
天界の書記官であるメタトロンの弟にあたる天使がこのサンダルフォンで、非常に巨大な身の丈を持ち、人間が足から頭までたどり着くのには五百年はかかると言う。メタトロンと共に人間の魂が危機におちいったとき、魂の背後に立つ天使であるとされるとともに、全世界の鳥を監督する立場にある天使でもあると言われる。カバラ主義において「暗い天使」とも呼ばれており、「明るい天使」と呼ばれるメタトロンとは、対を成した存在である。

■053 スラオシャ ≪戻る≫

[種族]…大天使
ゾロアスター教の主神アラフ・マズダの耳として働く天使。従順・規律を守護すると言われる。

出身地:ペルシア
ゾロアスター教において従順と規律の化身とされる大天使がスラオシャで、彼は世界を破壊しようとする悪魔からこれを守る存在であると言われている。またゾロアスター教では、死んだ人間の魂は死体の周りを3日間さまようものとされるが、この間、悪魔から魂を守護するのも彼の役目だと言われる。ミスラ神、ラシュヌ神と共に冥界で魂の裁判を司る天使であるとも言われ、魂の善悪を判断する天秤を使い魂の行き先を決めるとされている。

■054 メタトロン ≪戻る≫

[種族]…大天使
世界を維持する役目を担う天使。数多い天使の中で、最も偉大だと言われる。

出身地:イスラエル
メタトロンは、天界の書記であるとされる大天使で、神の座る王座に最も近い場所に立つ者だと言われている。また、「神の代理人」とも言われ、神と人間の間を取り持つという重要な任務を与えられた天使でもある。神と人間の間に行われる「契約」という行為は、このメタトロンが創り出したと言われ、人間の祈りを神の元へ運ぶのも、彼の役目だと言う。彼はまた、物質世界を支えている存在にして、最も偉大な天使であるとも言われる。

■055 ミシャグジ様 ≪戻る≫

[種族]…邪神
大和政権の勢力が入る以前から信濃地方で信仰されていたとされる土着の神。石棒などが御神体とされる。

出身地:日本
信濃地方における土地精霊と見られている原初の神で、大和政権が入り込む以前から諏訪大社によって祀られていた神であるとされる。諏訪大社とは諏訪湖を南北に2社ずつ囲んだ4つの社(やしろ)の総称であり、「本宮」と「前宮」の上社と「春宮」と「秋宮」の下社に分かれ、建御名方神(かけみなかのかみ)を祀っているとされている。しかし、上社と下社では別の神が祀られているとする説もあり、下社には古くからミシュクジ神が祀られていると言われる。

■056 パチャカマク ≪戻る≫

[種族]…邪神
ペルーの創世神話に伝えられる創造神。大地の精霊にして、地震や予言を司る神とされた。

出身地:ペルー
ペルーの創世神話に登場した「大地をつくる者」と呼ばれる創造神であり偉大なる大地の精霊であるとも言われている。パチャカマクは大地そのものではなく、大地から生を受ける全ての生命に対し、命と生きる活力を与えるとされる神で、生物に食料を与える神としての役割を持つとされる。また、この神は男性神であると伝えられ、パチャママと呼ばれる女性神を妻に持つとされる。彼女は大地そのものを生み出す女神であると言われている。

■057 ケモシ ≪戻る≫

[種族]…邪神
死海の東岸に住んだモアブ人によって崇拝された太陽神。後にキリスト教によって悪しき存在におとしめられる。

出身地:ヨルダン
ケモシはソロモン王の神殿にも祭られた神で、アンモン人の神モロクと同一視されることもある。アッカド人はこの神をシャマシュと呼んだ。唯一神に対抗する1柱であったため、太陽神から「憎むべきもの」に落とされ、ついに悪しき存在になる。後世の悪魔祓いの祈祷師らは人々にとりつく悪霊をしばしばケモシの名で呼んだ。

■058 カナロア ≪戻る≫

[種族]…邪神
ヤリイカの姿をした邪悪な神。いわゆる悪魔であり、死した者を飲み込むものと考えられた。

出身地:ポリネシア
ポリネシア地方における創造神話に登場し、創造神カネが生み出したものに対する敵対者とされている。邪悪な神であると言われ、雲の中にあると言われる魔法の島の住民の体内に宿っているとされている。ヤリイカのような姿をした神であると言われ、邪悪な臭いを放ち、執念深い性格をしてるとも言われる。創造神カネの影となる側面であるとも考えられており、カネと起源を同じくする存在ともされる。

■059 テスカトリポカ ≪戻る≫

[種族]…邪神
アステカ神話の創造神にして、魔王とも呼ばれた恐ろしい神。争いと変化を司る神でもある。

出身地:メキシコ
古代アステカの神話に登場する創造神で、その名は「煙る鏡」を意味していると言われる。テスカトリポカは「争い」「変化」を表す神であるともされる。彼はケツアルコアトル神によって地上に落とされた、原初の太陽神でもある。生命を与え、また自由に奪うことのできる能力を持った全知全能の神でもあり、テスカトリポカを祀る儀式では、この神の化身として一年を生きた若者を、儀式的に殺し、その心臓を捧げることによって祭事が成立していたと伝えられている。

■060 トウテツ ≪戻る≫

[種族]…邪神
毛に覆われた羊の体に角の生えた人頭を持つ、邪悪な怪獣。その口には虎のような牙を有する。

出身地:中国
四凶と呼ばれる中国の4怪獣の一。トウテツという名は、食や財産に貪欲なことに由来する。トウテツは卑怯な性格をしており、老いた者や弱い者を選んで襲う。また、自分の財は略奪によってのみ殖やす。後の世の人々は貪欲を戒めるため、トウテツの姿を皿などの器に描いた。

■061 サトゥルヌス ≪戻る≫

[種族]…邪神
ローマの原初の大地の神である豊饒神。ギリシア神話のクロノスにあたる。

出身地:ローマ
カルデアの占星術士の間で「黒い太陽」と呼ばれた原初の豊饒神。ギリシアのクロノス神に相当する。「黒い太陽」とは冬至のころの低い位置にある太陽を指して言われたもので、「夜の太陽」ともされ、冥界の地底に住む「死の王」でもあると言われていた。人々は冬の太陽であるサトゥルヌスに祈りを捧げ、新しい春を呼んだとされており、この習慣が現在ではクリスマスとして残されている。

■062 パレス ≪戻る≫

[種族]…邪神
北アフリカからヨーロッパにかけて広く信仰を受けていた豊饒神。ロバの頭を持つとされる。

出身地:リビア
古代ヨーロッパ各地で信仰されていたロバの頭を持つ神で、両性具有の豊饒神であるとされる。一説ではエジプトの悪神セト、あるいはギリシアの牧神パンのように、男根に似た形の頭部をしていると言われる。ロバの頭は重荷を背負う存在の象徴ともされていたため、「貧者」を象徴する神であると言われた。不吉な神ともされるパレスは、キリスト教などの宗教にその特徴が残されており、広い地域でロバの頭を持つ神が存在してると言われる。

■063 フォルトゥナ ≪戻る≫

[種族]…女神
人々に成功と悲惨をもたらすローマの女神。運命の象徴である車輪とともに描かれることが多い。

出身地:ローマ
フォルトゥナは、古代ローマ時代における幸運と不運の象徴とされる運命の女神で、気まぐれと偶然のシンボルであるとされていた。彼女は前ローマ期の太母神の一人とされ、その象徴として車輪を手にした姿で表されている。この車輪は特定の人間を引き上げて幸運と成功を導くものであると同時に、それ以外の人々に相応の不運を導くものであると言われた。そのため彼女は目隠しされた姿で描かれることが多いが、これは彼女が幸運と不運を非倫理的に選べないようにするためである。

■064 ナキサワメ ≪戻る≫

[種族]…女神
イザナギ神が、妻であるイザナミ女神と死別したときに流した涙から生まれた女神。

出身地:日本
イザナミは火神ヒノカグツチを産んだことがもとで命を落としたが、これを悲しんだイザナギは遺体に取りついて泣いた。彼が流した涙はナキサワメになった。この女神は大和の香久山のふもとに住むとされる。ナキサワメが生まれた背景として、葬式の時に雇われては泣く「泣き女」という昔の風習があったものと考えられる。

■065 スカアハ ≪戻る≫

[種族]…女神
ケルト神話に登場する戦いの女神。入ることすら非常に困難とされる「影の国」の女王でもある。

出身地:アイルランド
スカアハはケルト神話における戦いの女神で、若い英雄たちに最後の修行を与えると言われている。また、「影の国」の女王にして、武勇の聞こえの高い女神でもあり、多くの者がスカアハの教えを請うために影の国を目指したとされる。彼女のもとにたどり着いた若者にはすばらしい秘術と武器を授けてくれるとも伝えられている。かの英雄クー・フーリンも彼女の教えを受けたものの一人であり、数々の秘術と魔槍ゲイボルグを授かったと言われている。

■066 トラソルテオトル ≪戻る≫

[種族]…女神
古代アステカ神話の不浄の女神。肉欲と淫行を司るとともに、罪を贖いを助けると言われる。

出身地:メキシコ
トラソルテオトルは古代アステカの女神で、肉欲と淫行を司ることから「堕落の女神」と呼ばれる。トラエルクァニという異名を持っているが、これは「排泄物を食す者」という意味である。この名は彼女が贖罪と浄化に関連する神であることを表したものだと言われている。こうした女神に仕える聖なる女達はシワテテオ(いとも高貴な母)、あるいわシワピピルティン(女王)と呼ばれており、後世ではこうした女神に仕える存在は、出産で死んだ女性の幽霊であるとされた。

■067 ブリジット ≪戻る≫

[種族]…女神
ケルトの火の女神。工芸・学問・詩・治療などを司る神でもある。

出身地:アイルランド
火を司る女神であるブリジットは、火鉢を象徴する魔法のカップを携えた姿で描かれる。彼女はその名前自体が「女神」と同義語として使われるほど権威があった女神で、民衆の厚い信奉を得ていた。アイルランドにキリスト教が広まった際も、ブリジットはあまりに民衆に崇拝されていたので、教会は彼女を聖人とし、キリスト教に取り込んだ。

■068 パラスアテナ ≪戻る≫

[種族]…女神
戦いと技芸を司る、ギリシア神話の女神。主神ゼウスの額から生まれたとされる。

出身地:ギリシア
通常は「アテナ」の名で通っている戦いと技芸の女神で、パラスアテナとはアテナが後に自分につけた名であると言われている。ギリシア神話の主神ゼウスとティタンの女神メティスの間に生まれた女神で、身ごもったメティスを飲み込んだゼウスが頭痛に悩み、鍛冶屋神ヘパイストスに頭を割らせたところゼウスの額から武装した姿で飛び出してきたとされる。彼女はアテネ市の守護神であり、パルテノン(乙女)神殿に祀られている処女神であると言う。

■069 ノルン ≪戻る≫

[種族]…女神
北欧神話において運命を司るとされる三人の女神。運命の泉であるウルドの泉の近くに住む。

出身地:北欧
ノルンは、人間はおろか神々の運命をも支配する姉妹であるとされる。彼女達は一般に、長女がウルズ(運命)、次女がウ゛ェルザンティー(存在)、三女がスクルド(必然)と呼ばれ世界樹イグドラシルの根元にある運命の泉の番人をしている。生命と精神をもたらすと言われる運命の泉の流れによって神々は知恵を授かるとされ、この泉の力がなくては神々も無力になると言う。また、ノルンは人間の生涯の最初の日と最後の日を決定する者であるとも言われている。

■070 ラクシュミ ≪戻る≫

[種族]…女神
ヒンドゥー神話で幸運と美を司るとされる美しい女神。ウ゛ィシュヌ神の妻とされている。

出身地:インド
ウ゛ィシュヌ神の神妃であるラクシュミは、神々とアスラが不死の霊滴アムリタ(甘露)を求め、混沌の乳海を攪拌した際に現れたとされる女神で、その場でウ゛ィシュヌの妻になったと言われている。日本では仏教の吉祥天として知られており、赤い水蓮の上に立ち、四本の腕を持つ美しい女性として現されることが多い。常に夫であるウ゛ィシュヌに付き従うと言われており、ウ゛ィシュヌが変化を行うと、ラクシュミも応じた姿に変化して付き添うとされる。

■071 アナト ≪戻る≫

[種族]…女神
生誕と死を司るオリエントの女神。豊饒の神バアルの妹であり妻でもあると言われる。

出身地:シリア
アナトはバアルと同じく豊饒の神であったが、同時に死の呪文を司る恐ろしい女神でもあるとされている。天界の父であるエルでさえもアナトの呪いを恐れたと言われ、アナトには逆らわなかったと言う。彼女は息子であり婿でもある冥界の支配者モトに、毎年死の呪いをかけることによって大地に豊饒をもたらしたと言われている。アナトは男性の血液によって受胎したとされており、彼女の祭祀には多くの若者が生け贄とされ、流血が絶えなかったと伝えられる。

■072 インティ ≪戻る≫

[種族]…魔神
インカの太陽神。インカ人を作り地上に遣わした存在として崇拝された。

出身地:ペルー
人類の創造者で、天空の星を支配する太陽神インティは、月の女神である妻ともども、慈愛に満ちた寛大な神とされ、インカの民衆に愛された。インカの王はこの太陽神と同一視されるようになり、王とその妻のミイラは、金色の輿に乗せられ、インティの大神殿に安置された。インティの祭礼はライミと呼ばれ、年に2回行われた。

■073 マハーマユリ ≪戻る≫

[種族]…魔神
すべての障害を滅ぼすとされる神。毒蛇を食う孔雀が神格化された存在であると言われる。

出身地:インド
マハーマユリは仏教の「孔雀明王」のインド名で、毒蛇をはじめ、いっさいの諸毒、畏怖、災難を取り除く神である。これは孔雀の持つ毒蛇を食う性質が神格化されたものである。その姿は孔雀に乗り、蓮華や孔雀の羽を持ち、菩薩のような優美な表情をしているとされ、他の明王のような荒々しい存在とは異なった姿で表されている。また空海の開いた密教において、孔雀明王は釈迦如来を元とする存在であると言われている。人間を教化するために釈迦が変化した姿が彼なのだと言う。

■074 プロメテウス ≪戻る≫

[種族]…魔神
ティターン神族の神。名の意味は「予想・先見の明」で、優れた知性を持つ神である。

出身地:ギリシア
ティターン神族は、大神ゼウスをはじめとするオリンポスの神々の前に世界を支配していた神々で、巨人族とされる。その1柱であるプロメテウスは、泥をこね人間をつくり、火を授けた神である。ゼウスに度々逆らったプロメテウスは、山の頂に縛られ、毎日鷲に肝臓を食われるという責め苦を、英雄ヘラクレスによって解かれるまで受け続けた。

■075 ルーグ ≪戻る≫

[種族]…魔神
あらゆる技能に優れているとされる光明神。ルー、あるいはルーフとも呼ばれる。

出身地:アイルランド
北欧神話に登場する光明神で、名前には「光」あるいは「輝ける者」といった意味を持っている。魔槍ブリューナクを持って戦うことから「長腕のルーグ」とも呼ばれる。魔王バロールの娘であるジャフティニャとの間にクー・フーリンをもうけたものの、彼の正妻は大地の女神ブイだと言われる。また、魔王バロールは彼の祖父であると同時に、最大の敵でもあったと言われる。彼はこの宿敵を、モイトゥーラの戦いで、その邪眼を射抜いて倒した。


アトラスWeb>i 目次に戻る 週刊フーレスト表紙に戻る