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資料室

●天の章(001-025)●


■001 ハーピー ≪戻る≫

[種族]…妖鳥
ギリシア神話に登場する風の精。元はクレタ島の女神であったと言われている。

出身地:ギリシア
ハーピーという呼び名は英語名で、神話上では「ハルピュイア」と呼ばれ、「かすめ取る者」「むしり取る者」という意味を持っている。ハーピーは、ガイアの子タウマスとオケアノスの娘エレクトラの子で、アエロ(疾風)、オキュペテ(速き者)、ケライノ(黒雲)の3姉妹で現れると言われる。この3羽は美しい羽の生えた乙女である。性格は臆病であると言われており、戦闘を嫌うと言われているが、その反面、意地が悪く悪戯好きな性格であると言われている。

■002 ヤマチチ ≪戻る≫

[種族]…妖鳥
年をとったコウモリが最後になるという妖怪。山の中に隠れ棲むとされる。

出身地:日本
コウモリが年をとると、まずノブスマという妖怪になり、これがさらに年をとるとヤマチチになる。ヤマチチは山の一軒家などに現れ、熟睡している人間の息を吸う。他の人がこれを見ていれば、息を吸われた人間は長寿になるが、誰も見ていなかった場合には、翌日死んでしまう。

■003 コカクチョウ ≪戻る≫

[種族]…妖鳥
中国に伝えられる、子供をさらっていくという妖鳥。鬼神の類だとも言われる。

出身地:中国
人間の少女をさらってきては、自分で育てると言われる中国の妖鳥。普段は鳥の姿をしているが、羽毛を脱ぐことができ、羽毛を脱いだ時は人間の女性と同じ姿になると言われ、この人間の女性の姿となっている時のコカクチョウは「天帝少女」とも呼ばれる。子供がいない状態のコカクチョウは人間の少女を好んで養女にすると言われている。養女としてさらわれてきた子供は、コクカチョウに育つと言う。

■004 タクヒ ≪戻る≫

[種族]…妖鳥
中国の次之山に棲んでいるとされる妖鳥。人間の顔を持つ、一本足の鳥だと言われる。

出身地:中国
タクヒは人間の顔を持ち、足が一本であると言われる妖鳥で、一説にはフクロウに似た大きさと姿をしていると言われている。タクヒの姿が多く目撃されるのは冬で、夏は岩場にこもって眠り続けていると言われている。群棲することを嫌うとも言われており、単体で行動することが多いとされている。また、このタクヒの羽毛を身につけていれば、雷害にあわなくてすむと伝えられている

■005 カラドリウス ≪戻る≫

[種族]…妖鳥
病気の兆候を読み取ったり、病気そのものを治してくれたりする、不思議な力を持つ鳥。

出身地:不詳
カラドリウスはそのくちばしで病気を吸い取り、治療してくれる。しかしそれは、まだ助かる場合に限った話であって、既に手遅れである場合は、関心すら示さない。その姿がどのようなものかはハッキリせず、チドリの一種だとも、セキレイに似ているとも言われる。ただ、体の色が白いということだけは確かなようである

■006 ホラワカ ≪戻る≫

[種族]…妖鳥
神のお告げを人間に伝えるために遣わされた鳥。エチオピアのガラ族の間に伝わる。

出身地:エチオピア
神はホラワカに、「自分の体が年老い弱くなったと感じたなら、皮膚を脱ぎ若返るよう」人間たちに告げる役目を授けた。しかし、役目の途中で腐肉を食べている蛇を見た際、その肉欲しさに、神のお告げを蛇に伝えてしまった。これによって蛇は脱皮して若返るようになり、反対に人間は不死を得ることに失敗した。

■007 ルフ ≪戻る≫

[種族]…妖鳥
アラビアの、嵐の鳥とも言われた巨鳥。象をくわえたままで飛べるほど巨大だと言われる。

出身地:不詳
ルフは「ロック鳥」とも呼ばれる巨鳥で、その姿は鷲に似ていると言われる。体は比類ないほどに大きく、爪で象を捕まえて飛ぶことも可能だと言う。バートン版「アラビアンナイト」では、ルフは象をひとのみにすると言われる巨大な蛇を食べるとされている。またマルドリュス版では、ランプの魔神イフリートがアラジンに対し「私と私以外のランプに仕える全ての魔神はロック様の奴隷である」と言うが、これはルフが太陽と天空の象徴とされていたためである。

■008 タイホウ ≪戻る≫

[種族]…妖鳥
中国の伝説に伝えられる巨鳥。鯤と呼ばれる巨大な魚が変化し、鳥となったものと言われる。

出身地:中国
タイホウはもともと荘子の「消揺遊篇」に登場した巨大な鳥で、その後「西遊記」「封神演義」といった小説にも登場した。その記述によると、タイホウは北極のさらに北にある天の池に棲む鯤(こん)と呼ばれる大きさが数千里もある巨大な魚が、変化したものだと言う。タイホウは、神々の存在するはるか古代より存在していると言われており、海が荒れ狂う時になると、南の海を目指して飛び立つと言われている。

■009 モー・ショボー ≪戻る≫

[種族]…凶鳥
愛を知らぬまま死んでしまった少女の霊がなると言われる悪しき鳥。美しい娘の姿をして現れると言う。

出身地:モンゴル
モー・ショボーの名は「悪しき鳥」という意味を持ち、不幸にも生きている間に愛を知ることも無く死んでしまった少女の霊が、鳥の姿となって現れたものとされている。長い髪と、鳥のようにとがった赤い唇をした美しい娘の姿に化けることができるとも言われ、旅人の前に娘の姿で現れては、誘惑すると言われる。この時に隙を見せると、彼女は唇を鳥のくちばしに戻し、旅人の頭に穴を空けて脳味噌を吸い取ってしまうとされる。

■010 グルル ≪戻る≫

[種族]…凶鳥
スリランカの伝承に伝えられる、鷲の姿をした魔物。悪鬼の一人だとされる。

出身地:スリランカ
「グルル・ヤクシャ」とも呼ばれるスリランカの鷲の姿をした魔物。もとはインドの霊鳥であるガルーダであり、スリランカで悪魔化された存在であると言われる。仏教を信仰するスリランカのシンハラ族にとって、インドで崇拝されるヒンドゥーの神々達は,いわば敵対関係にある存在であった。インドでは神聖とされるこの神々も、スリランカでは悪鬼や羅刹といった存在にされ、インドでは悪鬼の棲んでいる島と考えられるようになった。

■011 スチュパリデス ≪戻る≫

[種族]…凶鳥
ギリシア神話の英雄ヘラクレスによって退治された、スチュパリデス湖の怪鳥のこと。

出身地:ギリシア
スチュパリデスは、もともと狼を恐れてこの湖に逃げ込んだ鳥たちであった。翼や爪、くちばしは青銅でできており、これを使い、人や家畜を襲っていた。ヘラクレスは彼の行った12の難行のうちの6番目に、この怪鳥退治を行った。女神パラスアテナから授かったシンバルで怪鳥たちを空に追い、これを次々と矢で射落とした。

■012 カマソッソ ≪戻る≫

[種族]…凶鳥
マヤ神話の地下界・シバルバに棲むという悪しきコウモリ。英雄神フンアフプの首をはねた。

出身地:メキシコ
マヤの双子の英雄シュバランとフンアフプが、死神達の住む地下界・シバルバにおもむいた時、二人をおとしめるために死神達は様々な試みを夜毎おこなった。双子の英雄はこれを無事に通りぬけ、最後のコウモリの館まで来た。二人はその身を吹き矢筒の中にひそめて夜明けを待っていたが、日の出を確かめるためにフンアフプが首を出したところ、この殺人コウモリ・カマソッソに切り落とされた。しかしその後、機転をきかせて首を取り返した双子の英雄は、死神達を負かし父の仇を討った。

■013 チン ≪戻る≫

[種族]…凶鳥
体中に猛毒を持つとされる鳥。その羽でかき混ぜた酒で人が殺せると言われる。

出身地:中国
チンの身体の大きさは鷲くらいで、紫がかった緑の羽に包まれている。その首は長く、くちばしは赤い色をしている。チンが好んで食べるのはマムシなどの蛇の頭で、このために全身に毒を持つと言われる。雄と雌とでそれぞれ違う呼び名がついており、雄は雲日(ウンジツ)、雌は陰諧(インカインジツ)と言う。

■014 アンズー ≪戻る≫

[種族]…凶鳥
バビロニアの伝承に登場する邪悪な巨鳥。鷲の体にライオンの頭を持つと言う。

出身地:イラク
アンズーはバビロニアの伝承に登場し、神々の神殿を守護するとされた霊鳥である。神々の王として君臨したいという邪念を持っていたと言われ、主神エンリルが、身体を水で清めているスキに全てを統率する力を授けると言われる「点命のタブレット」を盗みだし、聖なる山に隠れてしまったとされる。神々は「七つの戦の風」を支配する戦いの神ニンギルスをアンズーの討伐に向かわせ、アンズーを倒しタブレットを奪い返したと言う。

■015 フレベルク ≪戻る≫

[種族]…凶鳥
世界樹イグドラシルのこずえにいるとされる巨大な鷲。巨人族の末裔だと言われる。

出身地:北欧
北欧神話に登場し、「死者を飲み込む者」とも呼ばれる巨大な鷲。世界樹イグドラシルのこずえにとまっているとされ、巨人族の末裔の一人であるとされている。いつも天空から下界を見下ろしているだけなため、多くの出来事を知っているとされる。死者の肉を食らっては魂を運ぶ役割を持ち、世界の風を起こす役割を持つと言われる。神々の最後の戦いであるラグナロクには参戦せず、イグドラシルのもとに次々と送られてくる死者の魂をひたすら食い続けると言われる。

■016 カウ ≪戻る≫

[種族]…凶鳥
太陽の中に棲むとされる烏。その足は3本である。漢字では「火烏」。

出身地:中国
太古の中国には10個の太陽があり、1個づつ順に天空を旅していた。しかしある時10個の太陽が一度に空に現れ、地上は灼熱の焦土となった。これをゲイという男が9個まで射落とした。彼が射たのは太陽に棲むカウに他ならなかった。太陽は1つとなったが、10個であった頃の名残りは、十干十二支の十干や10日を1旬とする暦法にみることができる。

■017ハンサ ≪戻る≫

[種族]…霊鳥
その背中にブラフマン神を乗せる、インド神話の聖なる白いガチョウ。

出身地:インド
インドでは冬になるとガチョウが渡ってくる。その空を飛ぶ堂々とした純白の姿は、知恵の神であるブラフマンに到達しようと修行するバラモン僧の気高さの象徴とされた。ハンサがブラフマン神の乗り物となった背景には、こういうイメージがあったものと考えられる。

■018 フェニックス ≪戻る≫

[種族]…霊鳥
不死鳥の名でも知られる霊鳥。炎の中に身を投げ、再生・復活を繰り返すと言われる。

出身地:エジプト
フェニックスは、エジプトの霊鳥ベンヌがモデルとされたと考えられている霊鳥で、一般には「死と復活」を意味する不死鳥として知られる。五百年あるいは六百年ごとに自ら発する炎によって焼け死ぬとされているが、灰となった体から幼鳥となって生き返ると言われ、こうした転生を行う生態が、不死鳥と呼ばれるゆえんになっている。真紅の体をしており、鷲と同じくらいの大きさで、金色と赤い色の羽を持ち、また単性生物であるとされ、オスのみが存在すると言われる。

■019 サンダーバード ≪戻る≫

[種族]…霊鳥
北アメリカ先住民の神話にしばしば登場する天界の精霊である霊鳥。雷や稲妻を起こすとされる。

出身地:北アメリカ
北アメリカの先住民の神話に登場する、鷲に似た巨大な霊鳥で、空の高みに棲んでいると言われる。サンダーバードの鳴き声や羽ばたきは雷となり、眼から発する光は稲光になると言われている。また、湖全体を背中に乗せて運んだとも、クジラを丸ごと食べてしまったとも言われ、その巨大さが伝えられている。多くの部族の神話にその存在が伝えられ、チノーク・インディアンの神話では、人間はサンダーバードの卵から産まれ、火山は彼によってもたらされると言う。

■020 ヴィゾフニル ≪戻る≫

[種族]…霊鳥
北欧神話の世界樹イグドラジルのてっぺんに棲む、光輝く牡鶏。

出身地:北欧
北欧神話の世界観では、イグドラジルと呼ばれるトネリコの大木が、全ての国の上に枝葉を広げているとされる。「木の蛇」という意味の名を持つウ゛ィゾフニルは、この樹のてっぺんを棲家とする牡鶏で、その体は自ら光を放ち、輝いている。イグドラジルはこの牡鶏の光を浴びて、その姿を空に浮かび上がらせる。

■021 ヤタガラス ≪戻る≫

[種族]…霊鳥
神武天皇の東征の際に、天照大神より遣わされたとされる霊鳥。その姿は三本足のカラスだと言われる。

出身地:日本
ヤタガラスは神武天皇東征神話に登場する先導神(みさきがみ)として現れた三本足のカラスで、天照大神によって遣わされた鳥である。天皇の軍隊が熊野から次第に奥地へ進み、荒ぶる神々との戦いで苦戦している時に天照大神の声が聞こえ、現れたヤタガラスの導きに従うと、無事に大和国へ入ることができたと伝えられる。熊野の地方では、古くよりカラスを神の使いの鳥として尊重しており、ヤタガラスの神話もこの風習から産み出されたものであると思われる。

■022 スザク ≪戻る≫

[種族]…霊鳥
古代の中国より伝わる「四神」の一つとされる瑞獣。漢字では「朱雀」と表記されている。

出身地:中国
スザクは古代の中国において、鳳凰とも呼ばれ、この世の動物達の王とされる「四神」の内の一つに数えられた。この鳥はあらゆる鳥の頂点に立つ王とされており、様々な鳥が混ざり合ったような姿をしている。後に朱色を現す霊鳥として陰陽五行思想に取り入れられ、「朱」は南と火を表すことから、南方を守護する神で火を司る精とされた。四海を自由に飛び回り、道徳に満ちた時代に姿を現すと言われ、日本では平安京建設の際にスザクが住むとされる大池を都の南に作ったと言う。

■023 ガルーダ ≪戻る≫

[種族]…霊鳥
ヒンドゥー神話に登場する非常に強大な鳥の王。ウ゛ィシュヌ神が乗り物としたことでも知られる。

出身地:インド
ガルーダはヒンドゥー神話に登場する非常に巨大な姿をした鳥の王であり、太陽と空、勝利を表す最も偉大な鳥であるとされている。ウ゛ィシュヌ神の乗り物とされることから太陽鳥であるとも言われ、鳥の頭とくちばし、赤い翼と爪を持っており、黄金色に輝く人間の体をした姿をしていると言われる。また、自身の大きさを自在に変えることができるとも言われている。願いを成就させる「生命の樹」に巣をつくり、一日に一匹の蛇を殺しては食べるとされる。

■024 ジュボッコ ≪戻る≫

[種族]…妖樹
多くの死者の血を吸い続けた妖樹。戦場跡に生まれ、通りかかる人を枝で捕まえ血を吸うと言う。

出身地:日本
人間の血を大量に吸い込んだ樹木には、やがて魂が宿り、この「樹木子(ジュボッコ)」になると言われている。多くの死者を出した戦場に生えると考えられている樹木で、死者の怨念や魂が木に憑依した存在であると言われる。ジュボッコは、木の下を通る人間を枝で捕まえては血を吸うと言われている。血を吸われた人間の魂は再びジュボッコに吸収され、同化するとされる。

■025 マンドレイク ≪戻る≫

[種族]…妖樹
その根が2本足の人間の姿である異形の植物。男女の性別がある。

出身地:ヨーロッパ
マンドレイクは万病に効く貴重な霊薬でもあるが、入手が非常に困難であった。このマンドレイクは、土から引き抜かれる時にとてつもない叫び声を上げて、人を殺すからである。よってこれを採取するには工夫が必要であった。人々が考えたところでは、その根元に縄を結び付け、もう一方を犬に引かせて抜く方法が、犬は犠牲になるものの、一番よいとされた。


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