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資料室

●魔の章(076-100)●


■076 グクマッツ ≪戻る≫

[種族]…龍神
古代マヤ文明の叙事詩「ポポル・ブフ」に登場する海蛇。緑と青の羽を持つとされる。

出身地:メキシコ
天地創造以前に存在したとされる空と海には、フラカンと呼ばれる天の神と、海の神であるグクマッツが存在した。フラカンが三本の稲妻となって現れた後、二人は互いに語り合い始め、夜明けと供に人間の食料を造り出さなければならないとして水の中から山と大地を生み出した。次にその大地に住まわせるために、森の動物達を生み出した。グクマッツは古代マヤにおける天地創造の神とされている。

■077 アナンタ ≪戻る≫

[種族]…龍神
千の頭を持つ、インド神話の世界蛇ともいうべき龍神。ヴィシュヌ神はこの蛇を自身のベッドとする。

出身地:インド
世界の始まりと終わりに現れるナーガの王で、その名は「無限」「永遠」を意味する。千の頭を持つとされるが絵に描かれるときは7頭が多い。世界が始まる前、そこには果てしなく続く乳海があるだけであった。ここにいたのはアナンタと、その上で横になって眠るヴィシュヌのみであった。長い眠りの後にヴィシュヌは目を覚まし、世界の創造を始めた。

■078 ヴリトラ ≪戻る≫

[種族]…龍神
ヒンドゥー神話に伝えられる、神々をしのぐ力を持つ龍。干ばつを引き起こし人々を苦しめた。

出身地:インド
ヴリトラは古代インドの宗教文献である「リグ・ヴェーダ」に登場する巨大な龍で、名前には「障害」という意味があると言われている。蛇のように手と足の無い姿をしていて、天から流れ出ている川の水をせき止めては、地上の人間を苦しめると言われる。その体は不死身であったが、インドラ神に唯一の弱点である口の中を攻撃されて死んだとされる。ただしヴリトラは毎年生まれ変わってはインドラ神と戦い続け、その度に干ばつを起こしたと伝えられている。

■079 ショクイン ≪戻る≫

[種族]…龍神
季節や天候を司る古き龍神。その顔は人に似ているが、目が縦に並んでいる。

出身地:中国
中国北方にあるとされる、鍾山という霊山に棲む龍で、真紅で果てしなく長い身体を鍾山に巻きつけ、人のようなその頭を頂上に置いている。ショクインは何も食べず、何も飲まず、眠りもせず、息すらしないで世界を見ている。ショクインが目を開くと世界は真昼になり、閉じると夜になる。息を吐き雲を起こせば冬になり、息を吸えば夏になる。

■080 トナティウ ≪戻る≫

[種族]…破壊神
古代アステカ神話の、戦争の神としても崇拝された太陽神。戦士達に力を授けたとされる。

出身地:メキシコ
古代アステカ時代の伝承に登場する太陽神がトナティウで、天体と象徴される神々の内の一人であると言われている。彼はその身体に太陽の光を背負い、武装した戦士の姿で表されることが多く、戦争の神ともされていたと言われる。また、アステカ時代には戦争崇拝があり、トナティウはその中核をなす神として崇拝されていたが、その戦争の目的とは、主として太陽であるトナティウに心臓を捧げるための捕虜を確保するためであったと言われている。

■081 トリグラフ ≪戻る≫

[種族]…破壊神
西スラブの軍神。その名前は「3つの頭」という意味を持っている。

出身地:ロシア
西スラブの人々の間で崇拝された神々には、軍神とされるものが多い。トリグラフもその中の1柱である。名前に表された通りに3つの頭を持つトリグラフは、主神的な位置の軍神であった。彼は黒い馬を聖獣とし、その背に跨るが、これは、同じく主神的な位置にある軍神スヴェントヴィトが白い馬を聖獣としたことと対照的である。

■082 セイテンタイセイ ≪戻る≫

[種族]…破壊神
邪鬼・悪霊退治に絶大な力を持った神。「孫悟空」が神格化されて成った神で、「斉天大聖」と書かれる。

出身地:中国
セイテンタイセイは「西遊記」の主人公として良く知られる「孫悟空」が神格化されたものであると言われ、邪鬼や悪霊を退治し、絶大な法力を持つ神であるとされる。東勝神州傲来国にある花果山の頂上にあった仙石が生んだ石の卵から生まれた猿が後の孫悟空であり、セイテンタイセイとされる。仙人から様々な法術を授かった彼は天界で暴れまわり霊桃を食い散らして不老不死となるが、釈迦如来によって五行山に封じられた後、三蔵法師に助けられ、供になったという。

■083 カルティケーヤ ≪戻る≫

[種族]…破壊神
ヒンドゥー神話に登場する軍神。シヴァ神の息子で、神々を統率すると言う。

出身地:インド
カルティケーヤは、ヒンドゥー神話に登場する戦争の神で、シヴァ神の息子であると言われている。彼は不死を象徴する孔雀に乗り、手に長い槍を持った姿をしているとされる。カルティケーヤはシュヴェータ山の黄金の穴から産まれ、生後4日目にして神々の軍勢を退けて神軍の総司令官になったと言われる。生後6日目には神々を率いて魔神達を撃破したと伝えられている。仏教ではイダ天と呼ばれ、俊足を誇る天軍の将として邪神を消滅するとされている。

■084 ザオウゴンゲン ≪戻る≫

[種族]…破壊神
修験道の主尊として知られる荒ぶる神。役小角の守護神であったと言われる。

出身地:日本
修験道の主尊にして金剛山の守護神とされるのがこのザオウゴンゲンで、その名は「金剛蔵王権現」とも書かれる。この神は役小角の守護神としても知られる。小角が混迷した世を救う力を求め千日の修行を行った際、この神を感得したと言われる。釈迦如来や千手観音、弥勒菩薩も現れたが自身の主尊とはせず、最後に現れたザオウゴンゲンこそが混迷の世を救う神であるとして自身の主尊として迎え入れたと伝えられる。

■085 スサノオ ≪戻る≫

[種族]…破壊神
日本記紀神話に登場する気性の荒い男神。イザナギ命より生まれた三貴子の一柱。

出身地:日本
「建速須佐之男命」とも呼ばれる男神で、「古事記」や「日本書紀」に登場する。黄泉の国から帰ってきたイザナギ命が禊を行った際に生まれたとされ、同じくイザナギ命より生まれた「天照大神」や「月読命」とともに三貴子と呼ばれる。日本書紀上の主神の一柱である。荒ぶる神と言われ、高天原で様々な暴挙を働いた後、天界の汚れを背負わされたまま地上へ追放されたが、その後ヤマタノオロチ退治などを行い、根の国の大神となった。

■086 ホクトセイクン ≪戻る≫

[種族]…破壊神
北斗星君は、北斗七星の神格化した存在であり、死後の人間を司る星座神である。

出身地:中国
北斗七星は、道教では大きな霊力を持つとされる。紀元前3世紀以前には、現在より北極星の近くに位置していたため、天文観測の基準「辰」(しん)とされることもあった。北斗星君は、人間の生死、貧富、貴賎を司り、特に人間の行動により死後の扱いを定める神とされた。悪行の多い人間は、北斗星君によって地獄に落とされるわけで、大変畏れられ、崇め奉られた。

■087 シヴァ ≪戻る≫

[種族]…破壊神
ヒンドゥー教の三大主神の一柱である破壊神。世界を破壊した後に再生させると言われている。

出身地:インド
シヴァ神は、ヒンドゥー教において最も信仰されている神の一柱で、世界の破壊者にして創造神でもあると言われている。また、天界と地上、地下世界を支配する三界の主であるとも言われている。千を超える異名を持ち、4本の腕に3つの目という姿で表される。額にある第3の眼から放たれる光は全ての被造物を焼き尽くすと言われる。再生の為に破壊を行う神でもあると言われ、破壊が徹底されたものであるほど、次に大きな可能性を秘めた存在が生み出されると言う。

■088 ボーグル ≪戻る≫

[種族]…妖鬼
スコットランドに棲む性悪な妖精。人間の生活に興味を持っていて、いろんないたずらをしてくる。

出身地:イギリス
ボーグルは決まった姿を持たない妖精とされる。そのため、舞い上がるホコリのような姿で描かれもする。彼は暗いところを好み、めったに開けられない戸棚などを住み家にする。概して性悪だといわれるボーグルだが、彼が悪い行いをするのは、悪い人間に対してだけだとする話もある。人を殺した者や嘘の誓いをした者などが、彼にやられたとされる。

■089 トケビ ≪戻る≫

[種族]…妖鬼
韓国の民間伝承によく登場する一本足の鬼。その正体は使い古された器物だと言う。

出身地:韓国
トケビは韓国の鬼で、昔話や民間伝承として朝鮮半島に広く伝えられ、様々な話が残されている。一般には、一本足の姿をした山神の一種であると言われるが、実際にトケビの姿や性格はハッキリとしておらず、昔話や民間伝承の中でも統一されてはいない。人間と鬼、あるいは人間と妖怪の中間的な存在であると言われている。夜や雨降りや霧の濃い日に限って現れると言われ、その正体は人間が使い古して
不要となった器物に人間の血が付着したものであるとされる。

■090 プルキシ ≪戻る≫

[種族]…妖鬼
人間の身体に象の頭を持つ姿で表される神。仮面舞踏などでその姿が再現される。

出身地:ネパール
象頭の神としてはインドのガネーシャがよく知られるが、このプルキシもその影響を受けているものと思われる。ただし独自の特徴として、額に3番目の目を持つこと、よく頭部に蛇を巻きつかせることが挙げられる。またこのプルキシは、精霊ガンダルヴァからナーガ龍族の土地を取り返すためにヴィシュヌ神が行った化身に由来するとも言われる。

■091 ビルヴィス ≪戻る≫

[種族]…妖鬼
ドイツの穀物畑に現れると言われている妖鬼。夜に出てきては畑を荒らすとされる。

出身地:ドイツ
ドイツに伝えられている、夜に畑を荒らすと言われている妖鬼。ビルヴィスが現れる日は決まっていると言われており、ヴァルプルギスの夜(メイデーの前夜)あるいは精霊降臨祭の日の出前がそれにあたると言われる。ビルヴィスは背が高くやせ細っていて、醜い顔をしていると言われる。足の指に鎌を結びつけた姿をして現れるとされており、その姿のまま畑の中を歩き回って穀物を刈り取ってしまうのだと言われる。

■092 ギャリーベガー ≪戻る≫

[種族]…妖鬼
イングランドの北部を中心に現れる幽霊。ガイ骨のようにやせこけ、頭を小脇に抱えると言われる。

出身地:イギリス
イギリスに現れると言われる幽霊で、ガイ骨のようにやせこけた姿をしており、たいていはイングランドの北部で見かけられると言われている。ギャリーベガーは、「恐がらせる」「脅かす」といったその名の語源どおりに、遭遇した人間全てを恐がらせることを目的として現れると言われている。首なしのまま行動することもあると言われており、頭部を小脇に抱えたまま笑い声を上げて、近くにいる人間を脅かすこともあると言われる。

■093 ヨモツイクサ ≪戻る≫

[種族]…妖鬼
日本神話に登場する、黄泉の国の神々につかえる邪鬼。「黄泉軍」と表記される。

出身地:日本
ヨモツイクサは日本神話に登場する黄泉の国の軍師で、黄泉の国の神々に仕えている兵であるとされ、邪霊や邪鬼が擬人化されたものであると言われている。ヨモツイクサは、イザナギ命が死んでしまった妻のイザナミ命を、黄泉の国から連れ戻そうとした話に登場している。イザナギ命が禁を破ってイザナミ命の醜い姿を見て逃げ出した時、怒ったイザナミ命がイザナギ命を捕まえるために追わせた兵が、このヨモツイクサである。

■094 ニャルモット ≪戻る≫

[種族]…妖鬼
世界各国の雪山で目撃されている雪男(イエティ)の内、最も巨大なものにつけられた分類名。

出身地:ネパール
ニャルモットは巨大な雪男につけられた分類名であり、世界各地の雪山で目撃されていると言われている。ちなみに小型の雪男はラクシ・ボンボ、中型だとリミと呼ばれている。ニャルモットの身長は、実に四メートル以上あると言われる。その性格は凶暴で、山羊などの家畜を殺して、その肉を食べると伝えられる。顔以外が全身体毛で覆われており、腕が極めて長く、人間のように直立した状態で歩くと言われている。

■095 ベルセルク ≪戻る≫

[種族]…妖鬼
北欧神話に登場する狂戦士。自分自身に自己暗示をかけることにより、凶暴な戦闘能力を発揮する。

出身地:北欧
北欧神話の、主神オーディンの加護を受けた獰猛な戦士達。彼らは戦闘時の極度の興奮によって忘我の境地に入り、凶暴な戦闘能力を発揮すると言われている。熱狂的な戦闘心に支配されている状態の彼らは、恐怖をも感じなくなり、戦いに没頭し続けるとされる。ベルセルクの名の語源は、古代北欧語の「熊の毛皮を着た者」から来ているとされ、英語では「バーサーカー(狂戦士)」とも呼ばれている。

■096 ヤクシャ ≪戻る≫

[種族]…妖鬼
ヒンドゥー神話で富の神クベラに仕えるとされる半神の精霊。ヒマラヤに棲み、財宝を守護すると言う。

出身地:インド
ヤクシャは異世界や空中、森や水中などに棲む、神聖な霊的存在であると言われている。仏教では、仏法を守護する八部集の一人である夜叉として知られ、家屋に悪霊が侵入するのを防ぐ門神とされており、善人には恩恵を与え、悪人は食い殺すとされる。インドでは善神とされていたが、日本に伝わってからは人を傷つけて殺し、肉や精気を食らう恐ろしく獰猛な食人鬼として知られるようになったと言われる。

■097 ラリョウオウ ≪戻る≫

[種族]…猛将
華北にあった国・北斎の武将で、美貌を仮面で隠し戦ったと伝えられる。

出身地:中国
北斎では6世紀中頃の中国北部にあった国で、隣国の北周と絶えず争っていた。ラリョウオウはそこで活躍した武将で、戦場には不釣合いな、その美しく優しい顔立ちを隠すため、奇怪な形相の面をかぶり、五百騎の兵を率いて出陣したと伝えられる。このラリョウオウの故事は中国の古舞曲となったが、後に我が国にも伝えられ、唐楽曲の雅楽の中に取り入れられた。その中で彼は、龍を象った恐ろしい面をつけた姿で表される。

■098 ハゲネ ≪戻る≫

[種族]…猛将
ドイツの叙事詩「ニーベルンゲンの歌」に登場する武将。ジークフリートを暗殺したものとして知られる。

出身地:北欧
ハゲネはブルグント王国・グンテルに使えた重臣で、その忠誠の厚さを持って知られる。彼は無敵のジークフリートを討つため、泉で水を飲むジークフリートの背中にある、ただ一箇所の急所に槍を指すという策を用いて、ジークフリートを倒したと言われている。しかし彼も最後は激しい戦の末に捕らわれの身となり、ジークフリートの妃であったクリエムヒルトによって、主君であるグンテル王ともども首をはねられ、生涯を閉じた。

■099 ロンギヌス ≪戻る≫

[種族]…猛将
十字架にかけられたキリストを槍で刺した盲目のローマ軍の兵士。後に聖人になったと言われる。

出身地:イスラエル
ロンギヌスは、ガイウス・カシウスという名の盲目の兵士が後に呼ばれた名前で、はりつけにされて死んだキリストの遺体を、槍で刺し貫いたことで知られている。伝説では、キリストの遺体を刺したときに血が滴り落ちて彼の目に入り、目が見えるようになったと言われる。その後、ロンギヌスは改心し、洗礼を受けた後に聖者とされた。また、このロンギヌスの槍を手に入れたものは世界の王として君臨するが、失ったときに破滅するとも言われる。

■100 マサカド ≪戻る≫

[種族]…猛将
平安時代中期に活躍した武将。現在でも東京の守り神、祟り神として知られている。

出身地:日本
マサカドは、平安時代中期に存在したとされる平家の武将で、鎮守府将軍の子として生まれた。下総を本拠地として勢力を伸ばした後、新皇を自称し新たな国を築くが、藤原家との戦いに敗れた後に殺害され、その首は京都へ運ばれたと言われている。また、マサカドの首は東京を目指して飛んでいったとも伝えられ、当時の江戸幕府はマサカドの霊を鎮めるために東京に七つの社を築いたと言われる。首が飛んできたとされる場所は、現在でもマサカドの首塚として大切に安置されている。


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