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資料室

●魔の章(051-075)●


■051 リリス ≪戻る≫

[種族]…夜魔
リリスは聖書外典などにも登場し、その書などには「アダムの最初の妻」とある。

出身地:イスラエル
リリスは唯一神の手によりアダムと結ばれるべくして創られた女性だが、リリスは男性優位を主張するアダムに嫌気がさし逃げた。リリスが逃げたのはメソポタミア地方とされる。神は3人の天使を遣わせ、リリスがアダムのもとに戻るよう説得したが、リリスは拒否した。また、魔王ルシファーはリリスの夫とする説も有名であり、リリスはルシファー(悪魔)との交わりで、多くの悪魔を生み出した。リリスの子供達の総称「リリム」もまた「悪魔の使い」としてキリスト教圏では恐れられていた。

■052 ペレ ≪戻る≫

[種族]…地母神
ハワイの火山の女神。流れ出る溶岩が神格化されて成った。怒りにかられると人々を石に変えると言う。

出身地:ポリネシア
ペレはハワイ島で多く見られると言われる火山の女神で、キラウェア噴火口に住んでいると言われている。ペレの起源については多くのポリネシアの神話で語られているが、ハワイの名家の出身とする説では、彼女はキラウェア火山口を掘り起こした本人であり、普段は噴火口に住み火の神々を取り仕切ると言われる。彼女は噴火が近づくと島民に危機が迫っていることを警告するとされる。マダム・ペレと呼ばれる彼女はいつも白い小犬を連れ、輝く赤いムームーに身を包み現れると言う。

■053 キクリヒメ ≪戻る≫

[種族]…地母神
菊理姫。イザナギ神とイザナミ神が黄泉の国で争った時、その仲裁に入った女神である。

出身地:日本
日本書記にその記述がみられる女神。イザナギが死んだイザナミと黄泉の国の入り口にある黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)で言い争っているところに現れ、何事かを話した。これを聞いた2神は納得し、お互いに去って行った。キクリヒメは白山信仰の白山比神と同体であるとされ、白山菊理姫とも言われる。

■054 セドナ ≪戻る≫

[種族]…地母神
イヌイットたちの神話に伝えられる海の女神。自分の子供であるアザラシや魚などの海の生物を監視する。

出身地:アラスカ
セドナは恐ろしい一つ目の姿をした女神で、石と鯨の骨でできた家に住むとされる。ただしその姿を見ることができるのは呪術師だけである。セドナの誕生に関してはいくつかの説があり、2人の巨人の間に生まれた貪欲な娘だとも、美しい人間の娘が鳥の姿をした悪霊に海に落とされて姿を変えたものだとも伝えられる。

■055 ハリティー ≪戻る≫

[種族]…地母神
日本では「鬼子母神」として知られている女神。子供の健やかな成長と安産をもたらすとされる。

出身地:インド
はじめハリティーは、多産で五百とも千とも言われる子供を持っていながら、他人の幼児を奪っては食べると言う邪悪な鬼神であった。しかし釈迦が戒めに彼女が一番可愛がっていた末子を隠したところ、ハリティーは気が狂うほどに嘆き悲しんだ。釈迦は彼女に子を失う親の悲しみを説き、善神として生まれ変わるようにさとした。その後ハリティーは他人の幼児の変わりにザクロを食べるようになり、子供の成育と安産をもたらす女神へと姿を変えた。

■056 ダイアナ ≪戻る≫

[種族]…地母神
古代ローマの地母神。狩猟の女神でもあった。後にキリスト教の影響で「魔女の女王」とされる。

出身地:ローマ
ダイアナは古代ローマにおいて最も崇拝されていた地母神で、ギリシア神話に登場する女神アルテミスのローマ名であると言われている。山野の野生動物の女主人で、ゼウスとレトの娘であり、太陽神アポロンの双子の妹であると言われる。彼女は誕生、多産を司るとともに、人間や獣の子の守護者でもあった。ダイアナはまた、男嫌いで結婚を拒絶する乙女でもあった。美しい姿をしながらも純潔を守る誓いを立て、ニンフ達を従えていると伝えられている。

■057 キュベレ ≪戻る≫

[種族]…地母神
プリュギアの山の女神、大地の化身である太母神。後にギリシア神話に入り、女神レアーと同一視された。

出身地:トルコ
キュベレはプリュギアの山々に祀られた、母なる大地の化身である地母神で、ギリシア神話の大地の女神であるレアーと同一視されて考えられてた。彼女は動物達の女王でもあったことからダイアナやアルテミスといった女神と同一視され、両側にライオンを置き玉座に座った姿や、ライオンの引く戦車に乗った姿でも表された。ギリシア神話では、彼女は主神ゼウスがディンデュモン山に流した精液から生まれ、両性具有であったために去勢されて女神になったと言われる。

■058 カーリー ≪戻る≫

[種族]…地母神
ヒンドゥ神話の黒い殺戮の女神。シヴァ神の妃として知られ、カルカッタを聖地とする。

出身地:インド
シヴァの神妃の一柱であるとされるカーリーは、同じくシヴァ神妃である女神パールヴァティと同一視して考えられている。彼女のカーリーと言う名は時間と黒色を意味するカーラの女性形であると言われ「時の女神」とも「黒色の女神」とも呼ばれる。その姿は4本の腕を持ち、血まみれの武器や生首を持った姿で描かれることが多い。パールヴァティの変化した姿である女神ドゥルガーが、アスラ達に対する怒りで顔を黒く変化させた時にカーリーが出現したと伝えられる。

■059 セイオウボ ≪戻る≫

[種族]…地母神
西方の聖地・崑崙の主人とされる、古代中国の女神。漢代にさかんに信仰された。

出身地:中国
セイオウボは「西王母」と書かれ、人間の姿をしているが、髪はざんばらでかんざしを乗せており、ヒョウの尾と虎の歯を持った姿をしていると言われる。彼女は、天の災いと五つの刑罰を司る女神であるとされていたが、後に美しい女性の姿をした崑崙の主人であるとされ、女性の仙人を統括する女神と言われるようになった。また不死になる仙薬を持っているとも言われた。この薬は孫悟空がセイオウボの目を盗んで食べたとされる仙桃の話でも知られている。

■060 バロール ≪戻る≫

[種族]…魔王
ケルト神話に登場する、巨人族の首領。にらむだけで人の命を奪う邪眼を持つとして恐れられた。

出身地:アイルランド
北欧神話に登場する巨人族の首領の一つで、一方の目に、にらみ付けるだけで戦闘能力を失うとも、命を奪われるとも言われる「邪眼」を持っていたとされる。普段は「邪眼」の目は閉じられており、これを開かせるためには4人の勇者の力を必要としたと言われる。巨人の一族と供にアイルランドを支配しようとするが、神々との戦いの際に「邪眼」を開くやいなや、魔神ルーグが射た石弓によって頭をつらぬかれ、一族と供に滅んだされている。

■061 ツィツィミトル ≪戻る≫

[種族]…魔王
アステカ神話に登場する女の魔神。世界を滅ぼすと言っては人間を脅し続けたとされる。

出身地:メキシコ
アステカ文明時代に伝えられている伝承に登場する女性の魔神で、人間を脅し続ける恐ろしい暗闇の魔神とされる。夜を象徴するとも言われるこの魔神は、朝、夕、そして太陽と戦う存在であるとされている。人間に酒を与え、歌や踊りの文化を与えようとしたケツアルコアトルがツィツィミトルの孫娘のマヤウェルと供に酒を造りだそうとするが、そこへツィツィミトルがやって来て、マヤウェルを引き裂き、その死体を食べたという恐ろしい話しがある。

■062 ロキ ≪戻る≫

[種族]…魔王
北欧神話のトリックスターとして知られる悪神。奸計に長けた、美貌を持つ神だとされる。

出身地:北欧
巨人族の父と母の間に生まれながらもアース神族に名を連ねていた神で非常に美しい姿と、ずる賢い知能を持った神として語られる。悪戯好きで、神々に危機を引き起こす悪神であるともされている。主神オーディンの子、パルドルを殺したことで々の怒りに触れたロキは洞窟に幽閉され、自分の子の内臓によって体を拘束された。彼は、神族と巨人族の最終戦争であるラグナロクにおいて復活し、自分の子等を率いてアース神族と戦いを行う運命にあるとされている。

■063 スルト ≪戻る≫

[種族]…魔王
北欧神話における炎の巨人族ムスッペルの王。世界を焼きつくす終末の時を待っているとされる。

出身地:北欧
北欧神話にといて、灼熱の国ムスッペルヘイムに住む炎の巨人族ムスッペルの王にして守護神とされる、黒い姿をした巨人。炎の剣「レーヴァティン」を手に、世界を焼きつくす終末の時を待っていると言われる。神々と巨人の最後の戦いラグナロクでは、炎の民を率いて参戦し、唯一の生き残りになるといわれる。彼の放った炎は世界を包み、一度焼きつくすと言われる。これは世界の再生の前に行われる徹底された最後の破壊であるとされる。

■064 ラーフ ≪戻る≫

[種族]…魔王
霊薬アムリタを飲み、首だけ不死になった魔族。日食や月食を起こすとされる。

出身地:インド
神々が混乱の乳海を攪拌して得た不死の霊薬アムリタを飲んでいると、ラーフというアスラが、神のふりをしてこれに紛れ込んだ。彼はアムリタを飲もうとするところを、太陽と月に正体を見抜かれる。ヴィシュヌ神はすぐに彼の首をはねたが、すでにアムリタの回っていた首から上だけは不死を得た。ラーフはこの時の恨みで、太陽と月を追うのである。

■065 ネルガル ≪戻る≫

[種族]…魔王
古代メソポタミア伝承に伝えられる冥府の王。冥界の女神エレシュキガルを妻に持つと言われる。

出身地:イラク
古代メソポタミアの伝承において、神々の酒宴の場で、冥界の女神エレシュキガルが送った使者に対して、敬意を表さなかった唯一の神が、このネルガルであった。彼の態度に怒ったエレシュキガルは、ネルガルを冥界へ招き寄せた。ネルガルはエレシュキガルと対面すると、彼女に短剣を持って襲いかかり、それに恐怖した彼女はネルガルを冥界の王として迎え、彼の妻になることで命びろいをした。天界に住む神であったネルガルは、こうして冥界の王となった。

■066 ミトラス ≪戻る≫

[種族]…魔王
イランやインドを中心に興った太陽神。後にローマに至る広い地域で信仰された。

出身地:ローマ
ミトラスはミスラとも呼ばれる様々な時代の異なった国々で信仰されていた神で、主にイランやインド、ペルシアなどで信仰を受けていた。後にローマでミトラス教としても成立し、キリスト教徒対峙する最も主要な宗教にまでなった。ミトラスは「征服されざる太陽の誕生日」と呼ばれる12月25日に太陽神とその母の近親相姦から生まれたとされる。この逸話は誕生の内容に引き継がれていると言われる。

■067 シュウ ≪戻る≫

[種族]…魔王
中国の古代神話に登場する魔王。牛の頭に8本(あるいは6本)の手を持った姿で描かれ、その目は4つである。

出身地:中国
武器の発明者でもあるシュウは戦闘を得意とし、連戦連勝の強大な軍勢を率いていた。天下を取ることを望んだシュウは、偉大な帝王である黄帝の軍勢と戦うことになる。自軍を巧みに率い、互角以上にわたりあっていたが、太母神である西王母の助力をえた黄帝の前についに敗れた。シュウの体はバラバラにされ、2ヶ所に分けて埋葬された。

■068 デルミウルゴス ≪戻る≫

[種族]…魔王
悪のはびこる物質世界を創造し、支配したとされる唯一神もしくはそれを僭称する者。

出身地:不詳
古代エジプトのコプト神話、旧約聖書などを組み合わせ、独自の解釈を加えていったグノーシス主義。その中でデミウルゴスは、唯一神もしくはそれを僭称する者と言われる。コプト神話の万物の父ヤルダバオトと同一視されることもある。グノーシス主義では、宇宙は「不完全な偽の神=デミウルゴス」が創造したもので、人間もまた不完全な存在であるとされる。「真の神」が「真実なる宇宙」を創造の過程において、低次の天使であったデミウルゴスが驕り高ぶり、神を模倣して、自身で世界を創造しようと試みた結果、不完全な宇宙、また不完全な人間の「肉体・心魂」が創造されたと言われる。

■069 マーラ ≪戻る≫

[種族]…魔王
魔そのものとされる存在。修行者を誘惑し、堕落させると言われる。漢字では「魔羅」と書く。

出身地:インド
もともとはインドの悪魔であり、愛の神カーマと結びつけられ、カーマ・マーラと呼ばれた。修行者を誘惑し、堕落させるが、悟りを得た仏陀に打ち負かされてしまう。マーラは「魔」そのものを意味するが、仏教では神として上位欲界他化自在天に属し、弥勒菩薩をも上回る位階におかれている。

■070 ルキフグス ≪戻る≫

[種族]…魔王
魔界の宰相。魔界の王ルシファーから全世界の富と財産の管理を任されている。

出身地:イスラエル
正式名称はルキフグ・ロフォカル。この名の由来は「光を避ける者」であり、ルシファーの「光を発する者」と対をなしている。バアル、アガレス、マルバスの3人を直属の部下とし、魔界の王ルシファーから全世界の富と財宝の管理を任されている。魔界においてこれだけの地位を有するルキフグスだが、堕天以前の事柄が明確でないため、しばしルシファーが堕天し、ルキフグスになったといわれることもあるが、2人は別の存在と考えるのが一般的である。

■071 ベルゼブブ ≪戻る≫

[種族]…魔王
蝿の王。「七つの大罪」では、暴食を象徴する悪魔であり、魔王と呼び恐れられた。

出身地:イスラエル
カナアンの主神「バアル・ゼブル(高い館の王)」が、ユダヤ・キリスト教によって貶められ、悪霊化したとされる。魔界ではルシファーに継ぐ高い地位を持ち、「蝿の王」「糞の王」「悪魔の天使長」など数々の異名を持つ。「蝿の王」と呼ばれる由来は数多く存在し、古代カナアンの人々には、蝿は新たな魂を運ぶ霊魂の象徴であり、バアルもまた王として深く信仰されていた為という説や、本来の名前である「バアル・ゼブル(高い館の王)」は、偉大な魔術王ソロモンを連想させることから、ヘブライ語で「蝿の王」を意味する「バアル・ゼブブ」に置き換えられたという説もある。

■072 マカラ ≪戻る≫

[種族]…龍神
その背に神々を乗せて運んだとされるインドの聖獣。河や湖に棲息していたと言われる。

出身地:インド
マカラはインドの川や湖に棲息していたと言われる巨大な魚の一種で、ワニを基本とし、カバや象、龍(ナーガ)の特徴を持っていると言われる複合獣である。マカラは神々に乗り物とされたと伝えられる。ガンジス河の女神ガンガーや、水の神ヴァルナなどがその体に乗って旅した神である。「大唐西域記」には、ある商人の船がマカラに襲われた話が記されている。そこでは山のように大きな体で二つの目が太陽のように見えたと語られている。

■073 セイリュウ ≪戻る≫

[種族]…龍神
「四神」の一つに数えられる古代中国の聖なる龍。漢字で「青龍」と書かれる。

出身地:中国
古代中国の「四神」と呼ばれる4種の動物達の王のうち、あらゆる魚類の王とされたのがセイリュウで、その姿は青い色をした龍であると伝えられている。陰陽五行思想において「青」は東と木を表すことから、セイリュウは東方を守護する神とされた。この龍はまた、木を司る精霊であるとも言われた。セイリュウは春になると水の中から生じ現れると伝えられている。

■074 パトリムパス ≪戻る≫

[種族]…龍神
リトアニアで崇拝された主要な3神の1柱である、海と水の神。

出身地:リトアニア
頭に麦穂の冠をかぶった若い男の姿か、渦巻状に立ち上がる人頭の蛇の姿で表される神。パトリムパスは人間の欲求に必要なもの全てを与えてくれる神とされる。その根源には、あらゆる生命の始まりである水の支配者という彼の性質があるものと思われる。人々はパトリムパスに、マッコウクジラから採れるリュウゼンコウを捧げた。

■075 イルルヤンカシュ ≪戻る≫

[種族]…龍神
古代ヒッタイトの神話に登場する竜神。狂暴な性格で強力な力を持ち、海を支配していたとされる。

出身地:トルコ
ヒッタイトをふくむ古代オリエント文化では、荒れた海の脅威や、川の氾濫を龍(ドラゴン)にたとえることが多かった。イルルヤンカシュもそうした天候神の一種で、大きな自然の力そのものを神としてたとえていたと言われる。この龍には実際に嵐の神と戦ったとされる伝説が多く残されている。そこではイルルヤンカシュは、主神であるその神をも超える力を持った強力な龍神として描かれている。


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