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資料室

●魔の章(026-050)●


■026 ヨモツシコメ ≪戻る≫

[種族]…鬼女
黄泉醜女。黄泉の国に棲む醜い鬼女。黄泉の神々に従っている。

出身地:日本
黄泉の国でイザナギ神に醜く変わり果てた自分の姿を見られたイザナミ女神は、逃げるイザナギを追いかけた。この時に遣わした鬼たちの一つがヨモツシコメである。ヨモツシコメに追われたイザナギは、自分の黒髪や櫛を地に投げた。黒髪は野ブドウに、櫛はタケノコに変わった。ヨモツシコメは追いかける任を忘れ、これを食べ始めた。

■027 リャナンシー ≪戻る≫

[種族]…鬼女
アイルランドの民間伝承に登場する美しい女性の姿をした妖精。人間の男性を誘惑すると言われる。

出身地:アイルランド
リャナンシーは人間の男性の愛を捜し求め続けるといわれる妖精で、特定の男につきまとい愛を求めると言われる。その男にはたまらないほど美しく見えるといわれるが、他の人間に彼女の姿は見えないとされる。男が愛を拒めば、男に奴隷のように仕えるが、そこで男がリャナンシーの愛を受け入れると、その男に取り憑き、他の男を見つけだすまで離れないとされる。取り憑かれている間男はリャナンシーに生命の精(一説では血と言われる)を吸われ続けると言う。

■028 ラ・リョローナ ≪戻る≫

[種族]…鬼女
メキシコの民話に伝えられる、むせび泣く女の幽霊。誘惑的な姿で現れると言われる。

出身地:メキシコ
メキシコの民話に登場する女性の姿をした幽霊で、様々な逸話が伝えられており、夜になると子供を探してうろつき歩くと言われている。生きている子供のほか、すでに死んでいる子供でも探すとされているが、これは彼女が生前に我が子を殺した幽霊であるからと言われている。また、子供嫌いな男性と恋に落ちた女性が、我が子を殺したつらさに耐えきれず自殺して幽霊となり、殺してしまった子供達を探してさまよっているものだとも言われる。

■029 トドメキ ≪戻る≫

[種族]…鬼女
腕や身体に百の鳥の目を持つ女の妖怪。「百々目鬼」という漢字で書かれる。

出身地:日本
長く器用な手を持った女スリ師が、盗んだ銭のたたりによって変化したのが、彼女の身体にあるたくさんの目は、盗んだ銭が張り付き変化したものである。トドメキの身体にある目が鳥の目とされたのには、昔は穴あき銭を「鳥目」と呼んでいたという経緯がある。

■030 ユキジョロウ ≪戻る≫

[種族]…鬼女
雪女郎。豪雪地帯に伝わる女の妖怪。雪の降る夜に現れるとされる。

出身地:日本
ユキジョロウはいわゆる雪女の一種で、人々を凍りつかせて殺す妖怪である。ユキジョロウは赤ん坊をだいて現れることもある。そして出会った男に、その赤ん坊を抱いてくれるよう頼む。男が赤ん坊を抱くと、それはみるみる重くなり、これに耐えきれないと彼女に殺されてしまう。ただし逆に耐えきれば、彼女は怪力を授けてくれる。

■031 アマゾーン ≪戻る≫

[種族]…鬼女
ギリシア神話に伝わる女だけの部族の戦士。弓を引くため右の乳を切り取ったことからこの名がついた。

出身地:トルコ
女神崇拝をしている女性だけの部族の戦士で、主に月の女神アルテミスを崇拝していたと言われている。戦神アレスとニンフを祖先としていると伝えられており、北方の未開の地に住んでいると言う。また彼女達はゆみを射る時に邪魔な右の乳を切断しているとも伝えられている。男性とは、子孫を残すときのみ接触すると言われ、それ以外の時は殺してしまうと言われており、子供として産まれた場合でも、体の一部を傷つけた後、育てずに捨ててしまい、女子のみを育てたと言う。

■032 ダーキニー ≪戻る≫

[種族]…鬼女
カーリー女神の眷族である女ヤクシニー(女ヤクシャ)。人間を食らうとされる。

出身地:インド
ダーキニーという名は「空を歩く者」という意味を持つ。彼女は血で満たされた頭蓋骨の杯を手にし、踊りながら空を進むと言う。日本では仏教の茶吉尼天(だきにてん)としても知られる。かつては人間の心臓や肝を食らう凶悪な夜叉であったが、大日如来によって降伏され、改心した。

■033 ボルボ ≪戻る≫

[種族]…鬼女
魔女達に最高神として信仰された魔術と妖術を司る地母神。ギリシア神話に由来する。

出身地:ギリシア
あらゆる魔術と妖術を統べる最高神として、魔女から信仰を集めていた女神で、太古から伝えられる地母神であるとも言われている。血を求める凶暴な性格を持つ反面、包容力に満ちた愛をもあわせ持つとされる。「ヘカーテ」の別名を持ち、彼女は豊饒の女神、新月の女神、夜と亡霊と霊魂の女王の三つの顔があるとされる。夜になると冥界の力を使い、地獄の番犬や死霊の群を率いて地上をさまようとも言われた。

■034 ランダ ≪戻る≫

[種族]…鬼女
悪の権化ともいえるバリ島の恐ろしい魔女。悪霊を使い魔とし、人々に災厄をもたらす。

出身地:バリ島
インドネシアのバリ島で、最強とされている魔女で、魔法を使う女性が人を恨み、悪に目覚めた時に悪の力が集まってランダへと姿を変えると言われている。善人にとっては恐ろしい殺戮者であり醜い老婆として見えるが、魔術を志す者にとっては絶大な力と絶世の美を兼ね備えた妖艶な美少女に見えると言われる。同じくバリ島に伝わる神獣バロンと対を成す存在であるとされ、互いに輪廻転生を繰り返しながら、永遠に善と悪の戦いを続けるとされる。

■035 オトゴドウジ ≪戻る≫

[種族]…鬼神
修験者によって使役される鬼神の一つ。子供あるいは少年の姿をする。漢字では「乙護童子」と書かれる。

出身地:日本
修験道の達人たちが使役する鬼神は「護法」と呼ばれ、その多くは仏や菩薩、明王である。この護法は童子の姿で現れることが多いので、「護法童子」とも呼ばれている。オトゴドウジはこの護法童子の一である。たとえその姿は子供・少年のようであっても、オトゴドウジは立派な仏法の守護者なのであり、その能力は並みの悪魔では太刀打ちできないものである。

■036 コトシロヌシ ≪戻る≫

[種族]…鬼神
記紀に登場する、託宣を司るとされる神。漢字では「事代主神」と表記される。

出身地:日本
古事記や日本書紀に登場するコトシロヌシは、託宣を司る神であると言われ、大国主神と神屋楯比売命の御子神であると言われている。コトシロヌシという名は「事知りの神」という意味を持つ。古代の山陰地方では巫女の活躍が目立ったとされるが、彼女たちに神託を下したのがこのコトシロヌシであると言われ、神託によって全てを知ることができた巫女達は彼を重んじたと言う。通常、巫女が祀る神は女神であると言うが、日本神話に組み込まれた際に男神とされたという説がある。

■037 ティール ≪戻る≫

[種族]…鬼神
北欧の神々の中で最も勇敢であるとされる戦いの神。裁きや誓約を司る司法神でもある。

出身地:北欧
ティールは北欧神話に登場する戦いの神で、彼の右手首から先はフェンリル狼に食いちぎられて失われたため片手の神として表されるが、彼はこの行為によって神々の中で最も勇敢であると言われるようになった。彼はまた、戦いにおける勝敗を司る神であると同時に、裁きや誓約を司る神であるとも言われている。ローマでは火星の守護神である軍神マルスと同一視されており、英語のTuesday(火曜日)の語源は彼の名前から来ていると言われる。

■038 ショウキ ≪戻る≫

[種族]…鬼神
道教で悪霊や邪鬼を退治するとされる神。日本でも五月の節句の武者人形で知られる。

出身地:中国
唐の玄宗皇帝が原因不明の病気で就寝中、一匹の小鬼がしのび込んだ。小鬼は皇帝の所持品を盗み去ろうとしたが、怒った皇帝が警護のものを呼びつけると、役人姿をした巨大な鬼のショウキが現れて小鬼を捕まえ、そのまま食べてしまった。すると不思議なことに、同時に皇帝の病気も治ったと伝えられている。彼は役人の試験に落ちて自殺した者の霊であり、手厚く葬ってくれた高祖皇帝に報いるために悪霊退治をしていると言われる。

■039 タケミカヅチ ≪戻る≫

[種族]…鬼神
軍神、あるいは雷神とされる記紀神話の神。国譲りで活躍した天津神である。

出身地:日本
タケミカヅチは「建御雷」などと表記され、イザナギ神が火ノカグツチの首をはねた時に、その剣の鍔際についた血から生まれた。国譲りの時に高天原からオオクニヌシ神のもとへ遣わされたのもこの神である。従おうとしなかったオオクニヌシの子タケミナカタ神とは力くらべをすることになるが、これにも勝利する。

■040 フツヌシ ≪戻る≫

[種族]…鬼神
天孫降臨に先立ち葦原中つ国を平定したとされる神。タケミカヅチ神と同一視する説もある。

出身地:日本
フツヌシ日本書紀に登場する刀剣の神である。フツヌシと言う名は、刀剣に物が断ち切られるさまを表す「フツ」と、神であることを表すとされる「ヌシ」から成っていると言われる。この名の意味から、彼は刀剣の威力を象徴する神であるとされている。日本書紀では、イザナギ命が十握剣をもちいて火之迦具土神を惨殺した際に、剣からしたたり落ちた血液から生まれた岩の子であるとされ、高皇産霊尊によって葦原中つ国の平定に遣わされた神と伝えられる。

■041 トール ≪戻る≫

[種族]…鬼神
北欧神話に登場する無双の怪力を持つ雷神。大地に豊饒をもたらす神でもある。

出身地:北欧
トールは北欧神話の神々の中で最も怪力の持ち主であると言われ、鉄槌ミョッルニルを武器に神々の敵である巨人族と戦うとされている。彼は雷や稲妻を司る神で、その名は「とどろく者」という意味を持つ。トールはまた、豊饒神としても知られていると同時に、結婚、出産、葬儀といった人間の通過儀礼に関わりを持つ神でもある。世界の終わりであるラグナロクでは、彼は世界蛇ヨルムンガンドと相打ちになり、果てると言われている。

■042 ビシャモンテン ≪戻る≫

[種族]…鬼神
仏教世界の北方を守護するとされる武神。ヒンドゥー神話の富の神クベラに由来する。

出身地:インド
ビシャモンテンは仏教の世界観において中心地とされる須弥山(しゅみせん)の北方を守護する武神で、手に槍を持ち、甲冑に身を包んだ姿で表されている。インドではバイ・シュラバナと呼ばれる。これには「仏の教えを良く聞く」という意味があり、ここから多聞天の異称が生まれている。日本では仏教の伝来と供に信仰され鎮護国家の神とされてきたが、民間では富の神として信仰が広がり、福の神の一員とされている。

■043 マリシテン ≪戻る≫

[種族]…鬼神
陽炎(かげろう)が神格化されて成った、仏教の神。「摩利支天」と書かれる。

出身地:インド
マリシテンは、見ることも触れることもできない陽炎が神格化した神であると言われる。もともとインドでマリーチと呼ばれる神であったが、この名に陽炎あるいは威光といった意味があると伝えられている。日本では武士達によって祀られ、あらゆる害から身を守り、悟られずに敵を襲うことができるご利益があるとされた。天女の姿で表されることが多く、一般には3つの顔に6本、あるいは8本の腕を持ち、金剛杵や針、矢といった武器を手にする。

■044 モコイ ≪戻る≫

[種族]…夜魔
アボリジニに伝えられる、人間に良く似た姿の妖怪。ジャングルに棲み夜に活動するとされる。

出身地:オーストラリア
オーストラリアの原住民であるアボリジニの民権伝承に古くから伝わる妖怪で、フクロウと供にジャングルに生息していると言われる。モコイは、人間によく似た姿をしているとされるが、頭が異常に大きく舌を持っていないので、言葉を話すことができないと伝えられている。人間の「影の魂」の生まれ変わりであるとも言われ、人間の女性と交わることもあれば、生まれてきた子供を食べたり、人間と戦ったりすることもあると伝えられている。

■045 キキーモラ ≪戻る≫

[種族]…夜魔
スラヴの民間伝承に登場する女の家霊。その顔と足は、鳥のようだと伝えられる。

出身地:ポーランド
スラヴ民間伝承に登場する女性の姿をした家霊で、夜中に現れては赤ん坊を泣かせたり、糸紡ぎをしたりするとされる。その姿を見たり糸紡ぎをしている音を聞いたりした者は不幸になるとも言われる。家事を手伝うこともあると言われているが、これは主婦が働き者で勤勉な女性であった場合であって、怠け者である場合には、夜の間子供をくすぐって母親に苦痛を与えるとされる。この場合、羊歯を煎じた薬で家中の食器を洗うことによって和解することができるとされている。

■046 ザントマン ≪戻る≫

[種族]…夜魔
ドイツの民間伝承で伝えられる眠りの精。袋に入れた砂を目にかけ、人々を眠らせると言う。

出身地:ドイツ
ドイツで伝えられる睡魔で、語源はサンドマン(砂男)と言い、人間の目の中に砂をかけて徐々に眠くさせるところから来ているらしい。眠らされてしまうため、その姿を見た者はいないはずなのだが、砂のつまった袋を背中に背負っている、気の優しそうな老人の姿をした小人の姿をしていると伝えられている。どうしても寝ようとしないしつけの悪い子供の目に砂を入れた後、目玉をえぐり取ってしまうと言われており、月にいる自分の子供にその目玉を食べさせる悪魔だと伝えられる。

■047 ヒノエンマ ≪戻る≫

[種族]…夜魔
夜になると現れ、男に取りつきその血を吸う、美しい女の姿をした妖怪。「飛縁魔」と書き表される。

出身地:日本
日本の吸血鬼ともいえるのがこのヒノエンマで、外見は美しく淑やかな女性だが、その本性は、虜にした男の血を一滴残らず吸い付くし、その命を奪うという、残酷で恐ろしい魔物である。このヒノエンマという名前はもともと仏教から来たもので、僧が女性に迷って身を滅ぼすことのないよう悟すためのものであった。

■048 インキュバス ≪戻る≫

[種族]…夜魔
眠っている女性の夢に入り込み、交わりを持つとされる男の夢魔。交わられた女性は悪霊を産むと言う。

出身地:ドイツ
男性の姿で現れては、寝ている女性の夢に入り込み、性的交渉を行う夢を見させることで快楽におぼれさせ、堕落へと導くと言われる悪魔。一般に夢魔と呼ばれている。インキュバスは人間の女性に対する官能欲求のあまりに堕落した天使の姿であるとも言われる。美しく若い男性の姿で現れては人間の女性を誘惑するが、火トカゲの子あるいはサキュバスの子であるとも言われる。彼らと人間の女性との間には、悪霊か魔女あるいは奇形な子供が生まれると伝えられている。

■049 サキュバス ≪戻る≫

[種族]…夜魔
眠っている男性に取り憑き、生気を吸いつくすと言う女の夢魔。人間を堕落に導くとされる。

出身地:ドイツ
サキュバスは、魅惑的な女性の姿で現れては、寝ている男性と交わって生気を吸いつくすとされる悪魔で、彼女に取り憑かれた男性は生気を失う代償として、強烈な快楽を得ると言う。彼女達の本当の姿は醜い顔をした女性の悪魔であるとも言われ、取り憑かれた男性のみが、非常に美しい姿だと認識するものだとも言われている。古代においてはラミア、あるいはリリスの娘であるリリムとされ、またインキュバスと元を同じとする存在であるとも伝えられている。

■050 ヒュプノス ≪戻る≫

[種族]…夜魔
夜の女神ニュクスの息子である、眠りを司る神。その姿は美しい若者のようである。

出身地:ギリシア
決して光が射すことの無い冥界にヒュプノスは住む。息子である「夢」に囲まれて、やわらかい寝床に眠っている。彼は人々に対して慈悲深い性格である。疲れた者の額に魔法の杖で触れては、眠りを授ける。 ヒュプノスの持つ眠りの力は神にも及んだ。たとえゼウス神といえども,その例外ではなかった。


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