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資料室

●地の章(051-075)●


■051 ナーガ ≪戻る≫

[種族]…龍王
インド神話で地下世界に棲むとされる蛇神。上半身を人間として描かれることも多い。

出身地:インド
蛇神であるナーガは、蛇(特にコブラ)の持つ再生力と猛毒のイメージから、生と死を司る神とされ人々の崇拝を集めた。地下世界に棲む彼らは、世界最高の宝石の所持者でもある。本来なら闇であるはずの地下世界が、その輝きによって明るく照らし出されている。ナーガたちはその守護の能力も買われ、いろんな神殿の入り口に立つ像となっている。

■052 ミズチ ≪戻る≫

[種族]…龍王
水を司るとされる蛇の精霊。山や川の精霊が霊力を発揮するようになったものとも言われる。

出身地:日本
ミズチは、その名が「水の神」という意味の日本の古語に由来する、湖や池や河など、淡水に棲む者達の支配者である龍、あるいは巨大な蛇である。かつては人々に敬われる存在であったミズチだが、仏教伝来以降は、邪悪な怪物と見なされることが多くなったようである。首のまわりに首輪のように見える白い模様があるとされ、背中には青い斑点、尾の先には硬いこぶがあり、体の側面が5色の光沢に彩られていると言われる。

■053 クエレプレ ≪戻る≫

[種族]…龍王
若いうちは泉にいて、年をとると海に移り棲むという翼を持った龍。

出身地:スペイン
若いうちのクエレプレは、地底に通じているとされる泉に棲む。近づかなければ襲われないものの、人間や家畜の血を吸うこともある。年をとって鱗が大きく硬くなると、泉から海へ移り、海底にある洞窟の宝物の番人となる。クエレプレに襲われないようにするには、大麦とトウモロコシで作ったパンを供えると良いと伝えられる。

■054 ホヤウカムイ ≪戻る≫

[種族]…龍王
アイヌ民族の間で語り継がれてきた蛇神。強い悪臭を放つ、湖の主であると言われる。

出身地:日本
ホヤウカムイはアイヌ伝承で湖の主とされる蛇神で、地方によって「サクソモアイプ(夏に語らぬ者)」とも呼ばれることもある。その姿は、頭と尾が細く、胴体が太くなっていて、背には翼が生え、鋭くとがった鼻を持ち、目の緑と口の周囲が赤いとされている。ホヤウカムイが棲む湖は、異常な悪臭がただようため、近づくことができないと言われており、無理に近づこうとすれば悪臭によって皮膚がはがれたり、全身の毛が抜け落ちてしまうと言われている。

■055 ヤマタノオロチ ≪戻る≫

[種族]…龍王
「古事記」に登場する八つの頭と八つの尾を持つ大蛇。スサノオ神によって倒された。

出身地:日本
ヤマタノオロチは、その名の通りに八つの頭を持つ大蛇で、「古事記」でスサノオに退治された蛇としてよく知られている。その体は八つの山と八つの谷を越えるほど巨大であったと伝えられており、その背にはコケやヒノキやスギが生い茂っていたとも言われる。全部で16もある目は、ほおずきのように赤く輝き、その腹には常に血が滴っていたと言われる。出雲の国(島根県)でスサノオに退治されたとき、その尾から「草薙之剣」が出てきたことも知られている。

■056 ウロボロス ≪戻る≫

[種族]…龍王
世界を取り巻くと言われる龍。自分の尾をくわえた姿で現わされ、無限の象徴ともされる。

出身地:ギリシア
ウロボロスの姿は、自分で自分の尾をくわえて円になった蛇の姿で現わされ、この姿は始原的統一、永劫回帰などの意味を持つとされている。蛇が脱皮を繰り返す姿も、古くなった肉体を捨て、新しい生を得るとうことで、「誕生と死の結合」を意味していると考えられており、この2つの概念が合わさって生み出された姿がウロボロスであると考えられている。ゆえにウロボロスは永久に保持する力を持ってるとされ、自己回帰の象徴と言われていた。

■057 シーサー ≪戻る≫

[種族]…聖獣
沖縄県で祀られている聖獣。コマ犬のように魔除けとしての働きを持つと言われる。

出身地:日本
シーサーは、沖縄県で一種の魔除けとされている聖獣で、その起源はコマ犬同じであると言われる。その姿を型どった焼き物が人家の屋根や神社に置かれており、こうすることで火災を招く悪霊から建物を守るのだとも言われている。沖縄では死者の霊魂が火の玉となったものをフィーダマと呼ぶが、このフィーダマには火災を引き起こすものもあり、シーサーにはこうしたフィーダマを追い払う力があるのだとされている。

■058 アピス ≪戻る≫

[種族]…聖獣
エジプト神話の創造神プタハの聖獣である牡牛。メンフィスで実際に崇拝された。

出身地:エジプト
生涯に一度しか子供を産まない牝牛が、体の上に降った天上からの光線で身ごもって産むのがアピスである。アピスには眉間に白い斑点があることや、背に鷲の形をした模様があることなど、29のはっきりした特徴があった。ナイル下流の都市メンフィスでは、実際にこのような牡牛が探し出され、民衆の崇拝をうけていた。

■059 ヤツフサ ≪戻る≫

[種族]…聖獣
滝沢馬琴作「南総里見八犬伝」に登場する、人語を解する妖犬。「八房」と書く。

出身地:日本
滝田城主里見義実に飼われた犬。義実が戯れに「敵将の首を取ってきたなら、三女・伏姫を嫁にやる」と言ったところ、その夜ヤツフサは本当に首を咥ってきた。義実はヤツフサに伏姫をやることをためらったが、伏姫は自らヤツフサの嫁となる。ヤツフサと伏姫は城を離れ山で暮らし始めるが、そこで両者とも義実の家臣・金椀孝徳の鉄砲に倒れることになる。

■060 アイラーヴァタ ≪戻る≫

[種族]…聖獣
ヒンドゥー神話で、インドラ神が乗物としたとされる巨象。4本の牙と雪のように白い体を持つ。

出身地:インド
アイラーヴァタはインドラ神の乗物とされる聖獣で、4本の牙と雪のように白い体をした巨象の姿をすると伝えられる。その風貌ゆえ、象の王であるとも言われる。神々が乳海の攪拌を行った際に、他の宝物と一緒に誕生したとされており、産まれたときには翼が生えていたと言われている。かつてすべての象は翼を持ち、大空を自由に飛び回っていたとされるが、聖仙の怒りに触れた後、呪いによって翼を取られてしまい、それ以後二度と空を飛べなくなったと言う。

■061 ビャッコ ≪戻る≫

[種族]…聖獣
「四神」と呼ばれる古代中国の四霊獣の一。漢字では「白虎」と表記される。

出身地:中国
ビャッコは古代中国の「四神」と呼ばれる動物達の一つで、あらゆる獣の頂点に立つ王とされている。その全身が白色の虎の姿をしていると伝えられている。一説では、五百年以上生きた虎がこのビャッコになるとも言われている。陰陽五行思想において「白」は西を表す事から、後にビャッコは西方を守護する神と見なされた。また彼は、土を司る精であるとされることもある。

■062 セイギュウカイ ≪戻る≫

[種族]…聖獣
太上老君が乗物としたと言われる仙牛。下界に降りてきては多くの災いを引き起こしたとされる。

出身地:中国
セイギュウカイは太上老君の乗物獣であると言われる牛で、「青牛怪」と書かれる。ある時、太上老君が不在の際に下界に降りたセイギュウカイは、西域の大秦国にたどり着き、王とすりかわって宮廷を支配したと言われる。後に本物の王が見つかり、正体がばれたセイギュウカイは暴れ回り多くの死者を出したが、後に王が祈願した玄奘娘娘と太上老君の弟子の徐甲によって捕まり、太上老君の元へ連れていかれたと伝えられる。

■063 パピルサグ ≪戻る≫

[種族]…聖獣
サソリの身体に人間のような足と上半身をもったバビロニアの獣人。その姿は見えるもの全てを震え上がらせるとされる。

出身地:イラク
パピルサグは恐ろしい姿をした獣人だが、強い力はもちろんのこと、かなり高い知性も持つとされた。パピルサグは人間界と魔界をむすぶ門の番人でもある。半神半人の英雄ギルガメッシュが、不死を求めて魔界に降りた時に通ったのも、この門である。ギリシア神話の半人半馬のケンタウロスも、このパピルサグが元イメージになっている。

■064 スレイプニル ≪戻る≫

[種族]…聖獣
オーディン神が乗物とする、8本足の怪馬。馬に変身したロキ神より生まれた。
出身地:北欧
スレイプニルは、北欧神話の主神オーディンが所有している8本足を持つ怪馬で、天と海を駆けることが出来ると言われている。アースガルズの砦(神々の砦)が築かれる際、太陽と月の美の女神フレイヤを差し出すことを条件に、半年の期間で建設すると言った巨人の大工に対して、作業を妨害するために悪神ロキが牝馬に変化し、手伝いをしている牡馬のスヴァジルフェーリを誘惑した際に生まれたのがこのスレイプニルで、その後オーディンの所有馬となった。

■065 カマプアア ≪戻る≫

[種族]…神獣
ハワイ神話で人気のあるブタの神。戦闘好きにして好色な性格であったと伝えられている。

出身地:ポリネシア
カマプアアはポリネシア諸島の内、とりわけハワイで人気の高いブタの姿をした神で、その性格は好色で戦闘好きだと言われる。カマプアアという名は「ブタの子」という意味を持つ。この神はそのブタ鼻で敵の収穫を根こそぎにし、人間の形をした手でこん棒を振り回して戦い、全ての貴重品を奪っていくと言われた。火の女神ペレに求婚した際、「ブタめ、ブタの子め!」とののしられたことに腹を立て、彼女と戦闘を起こし、勝利した後に彼女を妻とした。

■066 ゲンブ ≪戻る≫

[種族]…神獣
蛇と亀が合わさった体を持つとされる霊獣。姿を真武玄天上帝に変え、人々に信仰されたとも言われる。

出身地:中国
ゲンブは古代の中国にあいて、「四神」と呼ばれるこの世の動物達の王の一とされている。なかでも甲殻虫類の王とされ、亀と蛇を合成した姿で表される。またゲンブという名は、「黒い甲羅」という意味を持つ。陰陽五行思想において「黒」は北と水を表すことから北方を守護する神とされ、水を司る精とされている。中国では山々を支える巨大な亀の神話があり、ゲンブもその亀の一つであるとされ、日本でも平安京を建設する際にゲンブが棲むとされる山を都の北に作ったといわれる。

■067 キマイラ ≪戻る≫

[種族]…神獣
ギリシア神話に登場する、口から炎を吐く怪物。合成された生物の代名詞としても著名。

出身地:エジプト
首から上がライオン、胴体が山羊、尻尾あるいは後肢がドラゴンという奇怪な風貌を持った獣。父は蛇人間テュフォンで、母は上半身は美女で下半身が蛇である女怪物エキドナである。地獄の番犬である魔獣ケルベロスや蛇の怪獣ヒュドラとは、兄弟関係になる。

■068 アヌビス ≪戻る≫

[種族]…神獣
エジプトの、葬祭の儀式を執り行う使者の神。死者の魂の善悪を見極める役目を持つと言われる。

出身地:エジプト
エジプトに古くから信仰されていたジャッカルの頭を持つ使者の神がアヌビスである。死者の魂を「オシリスの法廷」と呼ばれる審判の広場へ導き、心臓の重さを心理の秤で調べ、その者の善悪を見極めるのが彼の役割と言われている。この審判の結果によって死者は天界に行けるかどうかの判断をされる。アヌビスはミイラを最初に作ったとも言われ、その製造技術を司る神とされている。主神オシリスが悪神セトによってバラバラにされた後、その体の復元を行ったのも彼である。

■069 ウカノミタマ ≪戻る≫

[種族]…神獣
日本記紀神話に登場する神格化された稲の精霊で、五穀・食物を司る神。

出身地:日本
「宇迦之御魂」あるいは「倉稲魂」と表記され、「古事記」ではスサノオとオオイチヒメの、「日本書紀」ではイザナギとイザナミの子供とされる。名前自体になじみは薄いが、全国に3万〜4万社ある稲荷神社の祭神の多くが、このウカノミタマである。本来は五穀豊穣の神だが、現在では商売繁盛や家内安全などにも御利益があるとされるようである。

■070 カイメイジュウ ≪戻る≫

[種族]…神獣
崑崙山の正門を守護するとされる神獣。大きな虎のような体に九つの人面の頭を持つと言われる。

出身地:中国
カイメイジュウは「開明獣」と書かれ天界の王である天帝が住む崑崙山の宮殿を守護していると言われる。9つあるという崑崙山の門の内、東にある正門(開明門)の門前に立っていると言われる。「山海経(せんがいきょう)」では9つの人面をした頭を持ち、虎のような体をしていると記され、開明門の門前にある岩の上で威風堂々と立ちはだかる姿が描写されている。開明という名の通り知能が高かったとも言われるが、これに関する伝承は残念ながら残されてはいない。

■071 バロン ≪戻る≫

[種族]…神獣
ヒンドゥー教の残るバリ島において崇拝される聖獣。悪なる力の化身である魔女ランダの天敵とされる。

出身地:バリ島
バロンは「森の王」とも呼ばれ4足獣で、赤い顔でギョロリとした目をしており、黄金の冠をかぶり全身が白い体毛で覆われていると言う。かつては人間を襲う猛獣であったが、供物を捧げたことによって人間の守護神になったと言われている。彼はブータ(餓鬼)やカーラ(暗闇を象徴する小鬼)を引き連れ、様々な悪霊と戦う聖獣になったと言う。悪の代表とされる魔女ランダに対抗する存在であるとされ、永遠に決着のつかない善と悪の戦いを続けると言われている。

■072 イクティニケ ≪戻る≫

[種族]…幻魔
北アメリカの先住民族であるスー族に伝わる機知に富んだ英雄。太陽神の息子。

出身地:北アメリカ
父である太陽神の機嫌を損ねたため、天界から追いやられたイクティニケは、地上でいたずらをしたり、嘘をついたりして暮らした。創造神とされるビーバー、カワセミ、リス、ジャコウネズミらを欺くこともあったが、そのときは仕返しを受け、痛い目にあっている。なお、スー族の人々に戦い方を教えたのは、このイクティニケだといわれる。

■073 ナタタイシ ≪戻る≫

[種族]…幻魔
永遠の少年の姿をしていると言われる英雄神。「西遊記」では孫悟空を相手に激しい戦いを繰り広げた。

出身地:中国
ナタタイシは中国の伝記に登場する神の中で、現在でも絶大な人気を誇る神であり、永遠に少年の姿をした英雄神であるとされている。乾坤圏と呼ばれる武器を手に持ち、混天綾と呼ばれる真紅の布を身にまとった姿で産まれてきたと言われ、この二つを装備したまま、竜王や魔王と戦い退治していくとされている。産まれてすぐに戦い始めたと言われ、また、父の裏切りに合い一度自殺しているが、釈迦が蓮の根や葉を使い復活させたとも言われている。

■074 ジャンバヴァン ≪戻る≫

[種族]…幻魔
ヴィシュヌ神の息子である、インド神話の賢明な熊王。熊の軍団を率いる。

出身地:インド
叙事詩「ラーマヤナ」で、猿神ハヌマーンらとともにラーマ王子を助けてラーヴァナと戦った、熊軍の王。この奉仕に対して、ラーマ王子から「父にのみ弱い」という恵みを授かる。しかし、叙事詩「マハーバーラタ」で魔法の宝石をめぐって父ヴィシュヌの化身であるクリシュナと戦うことになり、命を落とす。

■075 クー・フーリン ≪戻る≫

[種族]…幻魔
その武勇で知られるケルト神話の英雄。太陽神ルーグを父に持ち、超自然的な力を備えていたと言われる。

出身地:アイルランド
クー・フーリンはケルト神話に登場する半神半人の英雄で、太陽神ルーグの精を受けたジャフティニャを母に生まれたと言われ、幼い頃から既に並外れた力を持っていたと言う。美しい少年の姿をしていたとされるが、ひとたび戦闘の狂気にとりつかれると、恐ろしい魔物へと姿を変化させたと言われる。「影の国」でスカアハから授かった魔槍エイボルグの使い手でもあり、伝統的な強さを誇ったが、後に呪いをかけられた自らの槍につらぬかれて命を落としたと伝えられている。


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