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資料室

●地の章(026-050)●


■026 シャイターン ≪戻る≫

[種族]…妖魔
アラビアの精霊であるジンの一種。炎と風の中から生まれたとされる。

出身地:アラビア
魔神の王とされることもあるイフリートの子孫で、その性格は悪性である。イスラムの預言者マホメットは、このシャイターンに対してコーランの教えを説き、神と共に正しい道を歩かせようとした。シャイターンという名は、キリスト教の悪魔サタンに由来するとされる。

■027 マルト ≪戻る≫

[種族]…妖魔
インド叙事詩「リグ・ヴェーダ」に伝えられる嵐と雷の精霊。暴風神ルドラの子と言われる。

出身地:インド
マルトという名は、正式には嵐と雷の精霊の群体の呼称とされる。彼らはモンスーンが神格化された暴風神ルドラの息子である。彼らはインドラ神の従者としても知られている。普段は陽気であるこの若者たちはひとたび戦いにおもむくと、たちまち恐ろしい戦士となる。マルトは装備した弓矢、オノ、光る槍で雲の牛を打ち砕き、雲の石を割り暴雨を地上にもたらして太陽の目を覆うようにする。彼らはまたインドラの宿敵ヴリトラの従者たちを、獣のような叫び声で恐ろしがらせる。

■028 テング ≪戻る≫

[種族]…妖魔
山に棲んでは神通力を奮う、人型の魔物。山伏の衣装に高い鼻をした赤い顔が、一般的なイメージとして浸透している。

出身地:日本
幻術、念力、飛行術といった神通力と呼ばれる不思議な力を持っていることで知られる。山に入って修行を積んでいた仏教僧が、その道を誤り魔道に墜ちると、テングになると言われる。良い心の持ち主であった僧は良いテングとなり、他の修行僧や山へ参拝に来る人を事故などから守るとされた。悪い心の僧はテングになり僧たちの修行の邪魔をしたとされる。

■029 ロイチェクタ ≪戻る≫

[種族]…妖魔
醜い姿をしたスイスの妖怪。謝肉祭の木曜日に現れ、悪霊を追い払ってくれると言われる。

出身地:スイス
ロイチェクタは、ファスナハト(謝肉祭)の木曜日に、山羊の毛皮をまとい杖を手にした姿で、うねりながら現れると伝えられている妖怪で、その恐ろしく、醜い容姿とは反対に、あらゆる悪魔を追い出し、どんな病気でも治してくれると言う。このロイチェクタが出現するとされる地方では、冬になると死霊が氷河を越えてやってくると言い伝えがあるが、この妖怪はそんな死霊たちを追い払ってくれる、貴重な存在であるらしい。

■030 ペリ ≪戻る≫

[種族]…妖魔
高原に住むとされる白い翼をもった女性の精霊。魔術を身につけている勇者には知恵を与えるとされる。

出身地:イラン
イラン神話に登場する精霊で、まばゆいばかりの美しさをもった女性の姿をしており、天使のように背に翼を持っていると言う。ペリは様々な魔術を身につけていると伝えられており、予言や幻術、空中飛行などを得意とすると言われる。神話ではそうした魔術、仙術によって人間の勇者の助けになる存在として登場しており、勇者がペリと結ばれたという話も伝えられている。また、彼女たちが流す血は固まると美しい宝石になるといわれ、水に浸ればルビーになると言われている。

■031 ヴァルキリー ≪戻る≫

[種族]…妖魔
北欧神話の主神オーディンに仕える女神。戦地に死した勇士達を、主館へ運ぶ。

出身地:北欧
ヴァルキリーは北欧神話の主神オーディン仕える女神で、その命を受けて戦場におもむき、死すべき運命の者の息を止め、その死体をオーディンの館「ヴァルハラ」の運ぶと言われる。ヴァルキリーによって命を奪われ館に運ばれてきた戦士は、再び命を与えられ、神々と巨人族の最終戦と呼ばれる「ラグナロク」において、神の側の戦士として戦うことを運命づけられると言われる。彼女達はルーンや魔術について深い知識を持っており、人間を祝福したり呪ったりするとも言われる。

■032 ガネーシャ ≪戻る≫

[種族]…妖魔
ヒンドゥーの知恵・学問・富と繁栄の神。象の頭に4本の手を持つ。シヴァ神とパールヴァティ女神の息子とされる。

出身地:インド
ガネーシャの特徴である象の頭は、生まれたときから、もっていたものではなく、話の行き違いから父のシヴァにはねられた頭の代わりとしてつけられたものである。様々な障害を除去し、幸運や成功をもたらしてくれるため、商人を中心に人気も高い。日本では仏教の聖天あるいは歓喜天として知られる。

■033 オーガ ≪戻る≫

[種族]…邪鬼
山や丘に棲んで、人を襲っては食べるとされる邪悪な鬼。力は強いが頭は弱いと言われる。

出身地:フランス
オーガは巨大な身体を持った鬼で、人間、それも特に若くて美しい女を好んで襲い、食したと言う。力が強いだけでなく変身能力も持ち合わせていたが、あまり頭がよくなかったため、人間の策にはまり、退治されることもあった。オーガという名前は、ローマの死の神オラクルス、あるいは北欧の主神オーディンの異名ユッグに由来すると言う。

■034 ウェンディゴ ≪戻る≫

[種族]…邪鬼
カナダに棲息するとされる雪男。身長が5メートルを超える巨人であると言われる。

出身地:カナダ
ウェンディゴはカナダの森林地帯に棲息するといわれる雪男の一種で、その身長は5メートルを超えると言う。骸骨のように見える顔と厚い毛で覆われた姿をしていて、深い雪山の中でも俊敏に走ると言う。村里に現れては、人間を襲って食べると言われており、そのため生け贄を捧げることによって、そうした被害を出さないようにする風習もあったと伝えられている。ウェンディゴは山に棲む精霊の一種であるとも言われていた。

■035 ラームジェルグ ≪戻る≫

[種族]…邪鬼
軍服姿で現れると言われるスコットランドの幽霊。「血まみれの手の幽霊」とも呼ばれる。

出身地:カナダ
スコットランドに伝わる有名な幽霊で、高地地方の大渓谷グレートグレーンに出没すると言われる。リエルグとも呼ばれ、人間の前に姿を現わすときは決まって血にまみれた赤い手と軍服を着ていると言う。ラームジェルグは男性に対し戦いを挑んでくると言われる。彼と戦った人間は、しばらくすると必ず死んでしまうと伝えられている。戦争によって無念の死を遂げた者、あるいは戦争で満足できなかった猟奇的な戦死をしたものがこのラームジェルグになると言う。

■036 オセロット ≪戻る≫

[種族]…邪鬼
アステカ神話に伝わる、かつて人類すべてを食い尽くして滅ぼした、大地の怪物。

出身地:メコシコ
アステカの神話では、現在の人類の前に、4回人類が生まれては滅びたと伝えられる。この4回のうち、最初の人類を滅ぼしたのがオセロットであり、最初の人類を支配したのはテスカトリポカ神であった。この神をケツアルコアトル神が打ち倒したとき、オセロットたちは人類を襲い、食い尽くした、やがてすべては滅び、太陽も消滅した。

■037 ガシャドクロ ≪戻る≫

[種族]…邪鬼
巨大なドクロの姿をした妖怪。戦死したり、のたれ死んだりした人間の霊が集まって成ったと言われる。

出身地:日本
戦場で無念の死を遂げた人の魂や、肉親などに殺された人の魂が集まって巨大なドクロの姿となったのが、このガシャドクロだと言う。夜になるとガチガチと音を立てながら戦場をさまよい歩き、人を見つけると襲いかかるとされる。ガシャドクロが恩返しをしたという話も伝えられる。野原に現れたこの妖怪が目が痛いと訴えるので、朝になって近くにある死体の頭に生えた竹の子を抜いてやると、後にごちそうと財をふるまったと言う。

■038 ラクシャーサ ≪戻る≫

[種族]…邪鬼
ヒンドゥー神話に伝えられる、神々に敵対すると言われる邪鬼の一族。人間の敵となる存在でもある。

出身地:インド
ラクシャーサはインド・ヒンドゥー神話に登場する邪鬼の一族で、神に敵対する邪悪な部族であるとされている。同じくヒンドゥー神話に登場するアスラ族と同質の力を持つ、闇の種族であるとも言われる。彼らは神々にのみ敵対するものではなく、人間に対しても敵対関係にある種族だと言われる。彼らは人間の死体を食らい、中傷と不信感をあおると伝えられている。恐ろしい異形の姿をしているが、人間に接するときは違う姿で現れ、何かと陥れようとすると言う。

■039 ギリメカラ ≪戻る≫

[種族]…邪鬼
黒い巨像の姿をした悪鬼。邪悪な仏敵である魔王マーラが乗物とすると言われる。

出身地:スリランカ
瞑想する仏陀を誘惑したことで知られる仏敵、魔王マーラがその乗物とすると伝えられるのがこのギリメカラで、その姿は黒い巨像であると言われる。ギリメカラは、もともとはインドラ神の乗物であるアイラーヴァタであったが、インド南部・ヒンドゥー教を信仰するタミール族と、スリランカ・仏教を信仰するシンハリ族の対立を背景に、幾度となくスリランカを襲った邪悪な存在とされたようである。

■040 グレンデル ≪戻る≫

[種族]…邪鬼
「ベーオウルフ」に登場する半獣半人の怪物。12年にわたりデンマーク王の館を襲った。

出身地:デンマーク
中世イギリスの叙事詩「ベーオウルフ」に登場する半獣半人の怪物で、巨体で全身毛に覆われた姿をしていると言われる。デンマーク王フロトガルが建造した黄金と宝石の館「牡鹿の館」へ夜毎訪れては人間を殺して食べたと言われる。王とその家臣達は、12年に渡りグレンデルと戦ったが、誰もこの怪物に勝つことはできなかった。後に、フロトガルの元を尋ねてきた勇士ベーオウルフによって両腕を引きちぎられた後、館の近くにある湖で死んだとされている。

■041 ヘルハウンド ≪戻る≫

[種族]…妖獣
ヨーロッパ各地に出没したとされる犬の幽霊。地獄の狩猟群の一角を担うとされる。

出身地:イギリス
ヘルハウンドは「地獄の猟犬」とも呼ばれている犬の幽霊で、地獄の狩猟群の一角を担うとされている。ヨーロッパ各地でその存在が伝承として伝えられており、特にイングランド南西部のコーンウォール地方で多く目撃されている。ヘルハウンドは群れを組んで現れることが多いが、霊団と供に現れることもある。周囲を荒らし回っては姿を見た者に死を与える。その遠吠えを聞いただけで死の予言が降りかかるとも言われている。

■042 カクエン ≪戻る≫

[種族]…妖獣
中国伝承に伝えられる妖猿。単性社会を構成していて、子孫を残すために人をさらうと言う。

出身地:中国
カクエンの群れは牡社会で構成されていて、自らの子孫を残すため、人里に姿を現わしては人間の女性をさらうと伝えられている。さらわれた女性はカクエンに犯され続け、カクエンの子を産むまでは決して返されることはないと言う。子が生まれると母子は家に返してもらえるが、生まれた半獣半人の子を育てなかった場合、母親は殺されてしまうと言われる。なお生まれた子供は、普通の人間の子と何も違うところはなく、人間社会で普通に成長をとげると言う。

■043 ジャージーデビル ≪戻る≫

[種族]…妖獣
ニュージャージー州に出没するとされる異形の悪魔。レオナベ族の伝説に語り継がれる。

出身地:北アメリカ
ニュージャージー州のワートン森林地帯に生息する異形の悪魔で、アメリカ原住民であるレオナベ族にその存在が伝承されている。よく知られた伝承は、ある母親が魔術のまねごとをしていたところ、その子供に突然変異が起こり、見たこともない怪物へと化して、母親をふくむ近辺の人間を食べた後、夜空へ消えていったと言うものである。馬のような顔とひづめの生えた足を持ち、肩から背中にかけて翼が生えており、全身が黒い体毛に包まれた姿をしていると言われている。

■044 ヌエ ≪戻る≫

[種族]…妖獣
頭が猿、胴がタヌキ、手足が虎、尾が蛇という奇怪な姿をした獣。

出身地:日本
ヌエはそのあいまいな姿から正体不明の人物のたとえなどにも使われる獣で、現れるときには独特の声で鳴くとされる。平安時代の終わりに源頼政という武将によって退治された話がよく知られている。夜な夜な黒雲に隠れて天皇の宮殿に現れては人々を脅かしていたヌエを、頼政は弓矢で見事に射ち落とした。

■045 カブラカン ≪戻る≫

[種族]…妖獣
マヤ文明の創世神話に登場する強大な怪物、自身を「天地をゆるがす者」と呼んだ。

出身地:メキシコ
古代マヤ文明における創世神話「ポポル・ブフ」登場する、その名は「地震」を現わしていると言われる巨人の怪物、マヤ人によって地震が神格化された存在であるとも言われている。傲慢な巨人ヴクブ・カキシュを父に持ち、山を作り出す「火山」が神格化された兄シパクナト供に地上を支配して暴れていたが、見かねた天界よりの使者フンアフプとイシュバランケによって親子共々滅ぼされ、カブラカンは地中に生き埋めにされたと言う。

■046 カトブレパス ≪戻る≫

[種族]…妖獣
西エチオピア付近に生息すると言われる妖獣。その視線を見てしまったものは死に至るとされる。

出身地:エチオピア
カトブレパスは、古代ローマの将軍であり作家でもあるプリニウスの「博物誌」において、西エチオピアに棲むと記述されている怪物で、普段閉じているその目を見たものは死に至るとされ、恐れられたと言う。黒いバッファローに似た体と、ブタのような頭をしており、頭部と体は細長くたるんだ区部でつながれ、すごい量のたてがみが頭部から生えた姿をしていると言われる。毒の息を吐きかけて枯らせた地面の草を食べ、普段は横たわったまま動かないとされる。

■047 フェンリル ≪戻る≫

[種族]…妖獣
北欧神話に登場する、巨大な狼の怪物。終末の戦いラグナロクで主神オーディンを殺すとされる。

出身地:北欧
フェンリルは北欧神話に登場する、巨大な狼の怪物で、口を開くと上顎と下顎が天と地に届くほど大きく、目や鼻から炎を出すとされる。また、悪神ロキの子の一人であり、週末の日に太陽を飲み込むつもりであるとも言われてる。あまりにも凶暴すぎるために小人族が作った魔法のひも「グレイプニル」によって縛られ、身動きがとれないようにされたが、終末の戦いラグナロクにおいて解き放たれ、その戦いのなかで、主神オーディンを食べてしまうと言われている。

■048 トウコツ ≪戻る≫

[種族]…妖獣
人頭に虎に似た身体を持つ妖獣。四凶と呼ばれる中国の4怪獣の一つ。

出身地:中国
トウコツは中国西方の辺境に棲むとされた獰猛な獣で、世の平和を常に乱していたと伝えられている。このトウコツは非常に気の強い獣であった。人の言うことには一切耳を貸さず、また戦闘のときも決して後ろにさがらなかった。向こう見ずな性格ではあるが、人間が仕掛けた罠に捕まることはなかったと言う。

■049 ノズチ ≪戻る≫

[種族]…龍王
日本記紀で古くから山に住むとされる蛇の精霊。地脈を司るとも言われる。

出身地:日本
ノズチは「古事記」「日本書紀」にも登場した、古くから山に住んでいると考えられている蛇。その名は日本の古語の「野の神」に由来する。ノズチは地脈を司る精霊であると考えられており、木の陰ややぶの中に住んでいるとされる。頭の先には大きな口があるものの、目や鼻はないと言われる。山の奥に棲み、その気性は荒く、人を食うこともあるらしい。

■050 ヴィーヴル ≪戻る≫

[種族]…龍王
蛇のような体とコウモリのような翼を持つ龍。種族すべてが牝だとされる。

出身地:フランス
ヴィーヴルは主に地底や城跡などに好んで住み着き、財宝を隠し持っていると言われる。このドラゴンは普段は額に美しいガーネットをはめ込んだ女性の姿をしているとされる。このガーネットを手にしたものは、様々な魔法をつかうことが出来るとして、多くの人間がヴィーヴルからガーネットを奪おうとした話が残されている。また、このガーネットを奪われたヴィーヴルは、その人間の言いなりになるとも伝えられている。


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