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資料室

●地の章(001-025)●


■001 ピクシー ≪戻る≫

[種族]…妖精
イングランド南西部諸州に現れるとされる妖精。人間に親切で家事好きだと言われる。

出身地:イギリス
イングランド南西部諸州、サマーセット、デヴォン、コーンウォール地方にかけて出没する妖精で、一般に手のひらに乗る程度の大きさだと言われているが、人間と同じ大きさになって現れることもあるという。悪戯好きな妖精として多くの話に登場しており、特に旅人を道に迷わせたりすることが好きだと言われる。根は善良で人助けもよくする妖精としても知られており、チーズやミルクを与えると、お礼に家事の手伝いをするとも言われている。

■002 ジャックフロスト ≪戻る≫

[種族]…妖精
雪と氷でできた体を持つ霜の妖精。冬の季節にだけその姿を現わすとされる。

出身地:イギリスなど
冬の訪れとともにその姿をみせる、可愛らしい霜の妖精。もともとは雪男のような恐ろしい怪物であったと言われる。人なつっこい性格らしく親しげに人間に話しかけてくる。とはいえ彼と話すなら、その機嫌をそこねないよう十分に注意しなければならない。かわいい笑顔を見せる彼も、相手が気に入らない奴とわかれば、その口から冷気を吐き出し、凍らせてしまうからである。

■003 ジャックランタン ≪戻る≫

[種族]…妖精
イギリスの民話に登場する、夜に浮かび流れる怪火。この世をさまよう運命にある魂の姿だとも言う。

出身地:イギリスなど
ジャックランタンは、鬼火(ウィル・オ・ウィスプ)の一種であると言われ、イギリスに伝わる民話では夜に怪火となって現れて旅人を脅かし、後についてくるように誘って道に迷わせたりすると伝えられている。もとはジャックという名の人間であったと言われ、堕落した生活と悪魔をだまし続けたことによって、死後天国へも地獄へも入ることを拒否された魂であると伝えられている。彼は光る衣装、あるいは火を点けたワラ束を持ってこの世をさまようように運命づけられていると言う。

■004 シルキー ≪戻る≫

[種族]…妖精
イギリスに伝わる女性の家霊。家の者が寝静まった後に現れ、家事をこなすという。

出身地:イギリス
イングランドとスコットランドの国境付近で多く見られると言われる女性の家霊で、住み着いた家の者が寝静まった後、家庭内の雑用を片付けてくれると言われており、伝統的にありがたがられている妖精である。絹の服をまとっているため、家事を行うときにさやさやと衣ずれの音が聞こえると言われている。また、家を守護するものとして働くこともあると言われており、その家に害をおよぼそうとして近づいてくる人を殺してしまうこともあると言われる。

■005 ローレライ ≪戻る≫

[種族]…妖精
ライン川の、同名の巨岩に棲む美しい女の水魔。歌声で人々を誘っては、溺死させる。

出身地:ドイツ
ハイネの詩でも有名なこの水の妖精は、古代には川の女神と同一視された存在であった。しかし、巨岩とラインの流れが作りだす大渦の恐怖は、次第にこの女神を人々を水の中へ引き込む魔女に変えていった。ローレライに関する伝説の類は数が多く、女神として伝えられるもの、水の魔女とされるものの他、悲恋の乙女の物語とするものまである。

■006 ヴィヴィアン ≪戻る≫

[種族]…妖精
アーサー王伝説に登場する精霊。円卓の騎士の一人、ランスロットを守護したと伝えられる。

出身地:フランス
フランスにあると言われる蜃気楼の湖の中の館で、多くの騎士や召使いと共に住んでいると言われる美しい女性の姿をした精霊で、「湖の貴婦人」とも呼ばれている。中世の「アーサー王伝説」に登場しており、アーサー王に聖剣エクスカリバーを与えた精霊だと言われている。またアーサー王の円卓の騎士の一人、ランスロットの守護精霊であるとも言われ、湖の岸辺にいた幼いランスロットを館へ連れていき、騎士として育てたとされている。

■007 ティターニア ≪戻る≫

[種族]…妖精
戯曲「真夏の夜の夢」にも登場する妖精の女王。その名はローマ神話の女神ダイアナに由来するとされる。

出身地:イギリス
ティターニアという名前は、「大地の娘」という意味があるとされ、巨人(ティタン)の娘という意味もあると言われている。シェイクスピアの「真夏の夜の夢」に登場した妖精の女王で、ローマ神話の月の女神ダイアナと同一であるとも言われており、繊細で美しい、月光に満ちた夜の森の支配者であるとも言われる。イギリスでは、彼女とその侍女達はフェアリーと呼ばれ、妖精の国フェアリーランドに住んでいると言われている。

■008 オベロン ≪戻る≫

[種族]…妖精
シェイクスピアの戯曲「真夏の夜の夢」に登場する妖精の王。女王ティターニアを妻に持つ。

出身地:イギリス
オベロンは妖精と空気の王であり、月の光と夢を司る役目を持っているとされる。オベロンという名は古代高地ドイツ語のアルベリッヒ(王の意味)を語源としているとされる。オベロンは非常に気が短く、身勝手な妖精の王としても知られており、人間の女性に恋心を抱き、妻である女王ティターニアといさかいを起こしたという話も伝えられている。また、夫婦でインドに住んでいるとされることもあり、夜になると海を越えてヨーロッパを訪れ、月明かりでダンスを踊るとも言われている。

■009 ノッカー ≪戻る≫

[種族]…地霊
イングランドの鉱山に現れるとされる妖精。地中から音を立てて、鉱脈の場所を教えると言われる。

出身地:イギリス
ノッカーとは叩く者という意味で、これはノッカーが地中から鉱脈の場所を教えるというところから来ていると言われている。採掘場の坑道に住んでいると言われており、ごくまれに採掘場に憑くこともあるとされる。彼らは鉱脈を教える他に供物を与えると危険を教えてくれるが、場合によっては人間を襲ってくることもあると言われる。ノッカーは鉱山で働いていた、またはキリストを十字架にかけたために冥界で働かされているユダヤ人の幽霊であると信じられている。

■010 コロポックル ≪戻る≫

[種族]…地霊
アイヌ民族に伝えられるおとなしい小人族。その名には「フキの下に住む者」という意味がある。

出身地:日本
アイヌ民族の伝承に現れる小人族の妖怪だが、性格は非常におとなしく臆病であると言われている。彼らは成人した状態でも、人間の赤ん坊程度の大きさしかなく、雨が降るとフキの下に10人は入っていたとも言われる。彼らは感性が鋭く知恵があり、動作が機敏で狩猟が上手だったとも言われ、かつてアイヌ人に入れ墨の技術を教えたのもこのコロポックルだったと言う。

■011 カワンチャ ≪戻る≫

[種族]…地霊
黄泉の国の骸骨といわれる病魔。人々に腹痛などをもたらすと言われる。

出身地:ネパール
カワンチャはネパールの十字路に現れる病魔だが、供え物をしマントラを唱えれば、反対に病魔を追い払ってくれる。また彼はシヴァ神やカーリー女神の従者でもある。ネパールの人々は秋の祭りに神々や魔物などの仮面をつけて街を歩くが、その中にはこのカワンチャもある。

■012 ドヴェルガー ≪戻る≫

[種族]…地霊
北欧神話に登場する小人の地霊。洞窟や丘の下などの地下に棲み、鍛冶仕事や細工を行うと言われる。

出身地:北欧
北欧神話に登場する「ドワーフ」の英語名でも知られている小人の妖精族で、もともとは原初の巨人ユミールの遺体にわいたウジ虫であったが、神々によって人間の姿と知能を与えられたと言われている。醜い姿をしているといわれ、地下にあると言われているスヴァルトアールヴァヘイムという名の妖精の国に住んでいるとされている。天才的な鍛冶仕事を行うと言われており、神々のために幾度か不思議な能力を持った武器や財宝を作ったと言われている。

■013 トラルテクトリ ≪戻る≫

[種族]…地霊
アステカの創世神話に登場する強大な怪物。その体が千切り取られ、大地となった。

出身地:メキシコ
メキシコの創世神話において、大地に姿を変えられたと言われる怪物でワニのような姿をしているが、後に女性の姿で描かれることが多くなった。これはトラルテクトリが地母神としての役目を持っていたことから来ているものと思われる。神話では、天地創造を行おうとするケツアルコアトルとテスカトリポカの二人の創造神によって身体を切り裂かれ、上半身は大地に、下半身は空中に投げられた後に天になったと言われている。

■014 ティターン ≪戻る≫

[種族]…地霊
ギリシア神話の、もともとは世界を支配していた神々である巨人族。

出身地:ギリシア
天空の神ウラノスと大地の女神ガイアから生まれたティターンらは、キュクロプロス、ヘカトンケイルらと同じ巨人族である。しかしティターンらは彼らと違って賢く、常に冷静で落ち着きを持っていた。ゼウス紳を中心とするオリンポスの神々と10年戦うが、結局は敗れた。彼らの多くは地底の暗黒界タルタロスに幽閉された。

■015 ゴグマゴグ ≪戻る≫

[種族]…地霊
かつてイギリスに棲んでいたと伝えられる巨人。その名は「この世のあらゆる敵」を意味すると言う。

出身地:イギリス
伝説では、ゴグマゴグは人口が急激に減少し20人ばかりとなった巨人族を率いていた巨人だと言われる。彼は自分の名を、聖書の一節に出てくる「この世のあらゆる敵」を意味する言葉からつけた。これは、この世の全てを相手にできる存在であると自己主張したものだと解釈されている。ゴグマゴグはまた、馬、あるいはドラゴンと供に行動する巨人であったとも伝えられている。

■016 ムスッペル ≪戻る≫

[種族]…地霊
北欧神話に登場する炎の巨人。炎に包まれた国ムスッペルヘイムに住んでいるとされる。

出身地:北欧
ムスッペルとは北欧神話に登場する巨人族の一つで、神話世界の南半球にある炎に包まれた国「ムスッペルヘイム」の住人である。世界の最初に存在していた国であるとされており、全てが炎に包まれていたため、そこで生まれた者以外は住むことができないと言われる。国の入り口には王であり守護神であるスルトと呼ばれるムスッペルが、炎の剣を持って守っていると言われる。このスルトは終末の時であるラグナロクにおいて、世界を焼きつくすと言われている。

■017 カンフュール ≪戻る≫

[種族]…魔獣
エチオピアのモルッカ島に生息していると言われる魔獣。その頭に一本の角を持つ。

出身地:エチオピア
見かけや大きさは牡鹿に似ているが、後ろ足がひずめではなく水鳥の足のようになっており、首の周辺のみに体毛が生えた姿をしていると言われる。最も特徴的であるのが、頭部に生えた太い角であり、その姿から一角獣の一種であるとも言われている。この角は自在に動かすことができると言われており、食料の捕獲もこの角を使用することで行われると言われる。またこの角には一角獣と同じに解毒作用があると信じられ、そのため古くから人間に狙われることが多かったと言われている。

■018 カタキラウワ ≪戻る≫

[種族]…魔獣
奄美大島に現れると言われる、影を持たない子豚の妖怪。人間の股をくぐり命を奪うとされる。

出身地:日本
カタキラウワは漢字で「片耳豚」と書かれ、その名の通りに片耳のない姿をしていると言われる。その他に片目が欠けているもの、片足が欠けているものなど、いずれも体の一部が欠けている姿で現れると言われている。カタキラウワに股の間をくぐられた人間は、魂を抜かれて死んでしまうか性器を駄目にしてしまうと言われ「カタキラウワを見たら両足を踏み交わして股の間を通れないようにやり過ごす」というのが災難を免れる方法だとされている。

■019 ネコマタ ≪戻る≫

[種族]…魔獣
長い年月を生きた猫が変化してなると伝えられ物の怪。人の言葉を理解すると言われる。

出身地:日本
ネコマタは長い年月を生きた猫が変化したものとして知られている。尾が二つに分かれ、人間の言葉を理解するようになり、後ろ足のみで歩いたりするようになると言われる。人間に化けることもあると言われるが、その場合は女性に化けることが多いとされている。女性に化けたネコマタは、男をたぶらかして食べることもあるとされて恐れられているが、無念の死を遂げた主人の復讐を行うなど、善悪の区別が行えるかのような側面を見せることもあると言う。

■020 カソ ≪戻る≫

[種族]…魔獣
中国の原始伝説に登場する、火の中に住むとされるネズミ。火の精であるとも言われる。

出身地:中国
古代中国において南海の果てにある火山に住んでいると言われる、火の中に棲んでいるとされたネズミで、その毛皮は決して火に焼かれることがないと伝えられていたため、この毛皮を求めてカソを捕まえようとした人達が多くいたと言われている。日本では「かぐや姫」の物語で、求婚者の一人である阿部右大臣に「唐土にある火鼠(カソ)のかわぎぬ」を持ってきることができれば結婚しますとかぐや姫が言ったことで知られている。

■021 ドゥン ≪戻る≫

[種族]…魔獣
ドゥルガー女神が乗り物とする聖なる虎。獅子の姿で描かれることもある。

出身地:インド
悪魔を殺すために生まれてきたドゥルガーは、その誕生に際して神々からさまざまな武器を授かった。彼女の乗り物とするこのドゥンも、その贈り物の一つである。ドゥンの背中に乗ったドゥルガーは、その10本の手全てに武器をとり、悪魔たちに立ち向かう。ドゥンは鋭い牙と爪を武器に、これを応援する。

■022 オルトロス ≪戻る≫

[種族]…魔獣
ケルベロスの弟とされる、双頭の魔獣。ギリシアの英雄ヘラクレスにより倒されたと伝えられる。

出身地:ギリシア
オルトロスは地獄の番犬ケルベロスの弟であると言われ、ケルベロスと同様に嵐の巨人テュフォンと半人半蛇の怪物エキドナから生まれた怪物の一人であるとされる。七つの蛇の頭と一つの蛇の尾が体から生えた姿をしていると言われる。三体の巨人が交わった怪物ゲリュオネウスの牛の番をしているとされ、これを狙ったヘラクレスと戦ったことで知られており、また、母であるエキドナと交わり、エジプトのスフィンクスやネメアのライオンを産んだことでも知られている。

■023 アーマーン ≪戻る≫

[種族]…魔獣
エジプト神話に登場する怪物。ワニの頭、獅子の前足、カバの後ろ足を持つ。

出身地:エジプト
アーマーンは、エジプトに伝わる死後の裁判として有名な「死者の書」に登場する怪物で、死者がオシリス神により「魂の裁判」を受けるとされる裁判場にいるとされている。アヌビス神の側で裁判の様子を記録するトト神の背後に控えており、天秤の上に乗せられた死者の心臓と真理の女神マアトの羽根がつりあわなかった場合、このアーマーンが死者を食べると言われている。アーマーンに食われた死者は、永久に現世に復活することができないと言われる。

■024 ケルベロス ≪戻る≫

[種族]…魔獣
冥界の入り口を守護していると言われる恐ろしい魔犬。三つの頭を持つと言われる。

出身地:ギリシア
ギリシア神話に登場する、冥界の王ハデスの住居の門を守護している冥界の番犬。三つの頭を持つ巨大な犬の姿をした魔獣で、生肉を食らい、青銅の声で敵を威嚇したと言われる。嵐の巨人テュフォンと半人半蛇の怪物エキドナの子で、三つの頭のほかにも、全身に無数の蛇と竜の尾が生えていると言われる。三つの頭それぞれが、過去、現在、そしてきたるべき時を示しているのだとも言われる。

■025 アプサラス ≪戻る≫

[種族]…妖魔
河や池に宿るとされるインドの水の精霊。乳海攪拌の際に生み出されたとされる。

出身地:インド
インド神話に登場する水の精霊で、天女であるとも言われ、歌と踊りの妖精としても知られている。乳海攪拌の際に、他の神々に付随して生まれて来たと言われている。その美しさにもかかわらず神々は誰も妻にしようとしなかったことから、彼女たちは「全ての者の妻になる者」とも呼ばれた。また、地上の人間が修行によって神の存在に近づこうとすると、神々はアプサラスを送って修行者を誘惑することによって、堕落させようとするとも言われている。


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