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お便り&情報BOX

●第59回 布瑠之言本●

今回はすあまさんの投稿レポートです。



編集長KAZ様。
・・・・初投稿でかなり緊張してます。
「布留部〜」の呪文について、いくつか資料をみつけたのでまとめてみました。
内容の正確さについては・・・・・・目をつぶっていただけると幸いです(^_^;

 先代旧事本紀の第三巻、『天神本紀』によると、
アマテラス大神は自分の子オシホミミに葦原中国を治めさせるべく、天から降ろそうとしました。
それに対してオシホミミは「子が生まれたのでその子を降ろしたい」とアマテラスに申し出、認められます。 
 そしてアマテラスはその子供・ニギハヤヒに天璽瑞宝十種(あまつしるしのみずたからのとくさ)を与え、
『若有痛處者。令茲十宝謂。一二三四五六七八九十。布瑠部。由良由良止布瑠部。
如此為之者。死人反生矣』
「もし痛むところがあれば、この十宝に一二三四五六七八九十と唱えてゆらゆらとふるいなさい。
そうすれば死人であっても生き返ります」と教えたのでした。
 これは『布瑠之言本』とされ、神事を行う猿女の君らはこの『布瑠之言本』を挙げて
神楽を舞ったと記されています。

 天璽瑞宝十種(あるいは十種神宝・とくさのかんだから)の内訳は、
澳津鏡(おきつかがみ) 辺津鏡(へつかがみ) 八握剣(やつかのつるぎ) 生玉(いくたま)
足玉(たるたま) 道反玉(ちがえしのたま) 死反玉(まかるがえしのたま)
蛇比礼(へびのひれ) 蜂比礼(はちのひれ) 品物比礼(くさぐさのもののひれ)
となっており、石上神宮に祭られているそうです。
 このうち、蛇および蜂比礼は、古事記に少しだけでてきます。
オオクニヌシが根の堅州国にスサノオを訪ね、蛇や蜂の出る室に眠ることになった時、
スセリヒメが「蛇や蜂が出たらこれを振りなさい」と渡してくれた布がそれです。

 ニギハヤヒが地上に降りてから迎えた妻はトミヤヒメ(あるいはミカシキヤヒメ)と言い、
真・女神転生やデビルサマナーに出てきたナガスネヒコの妹にあたります。
 ナガスネヒコはニギハヤヒが天から降りてきて以来彼に仕えていました。
やがて神武天皇が遠征してくると、ナガスネヒコは「天の神の御子はすでにいる。
自分はずっとその方にお仕えしてきた」と立ち塞がりますが、
神武天皇は自分が天の神の子孫である証拠を示し、ナガスネヒコも、その証拠については納得します。
しかし決して従おうとはせず、結局ニギハヤヒ(あるいはその子供ウマシマジ)はナガスネヒコを
『謀殺』(先代旧事本紀第6巻より)して、天皇に帰順します。
 そして神武天皇の元年十一月、ウマシマジは天皇と皇后に対し、鎮魂の神事として、
父・ニギハヤヒがアマテラスから教わったとおりに、十種の宝物を用いて祈梼しました。
これが鎮魂祭(たましずめのまつり)の起源とされています。

参考文献
「先代旧事本紀」(國史大系第7巻)
「神道大辞典」
「古事記」(角川ソフィア文庫)
「日本書紀」(小学館)

/ すあま


KAZ / ありがとうございました☆
古事記、日本書紀等はとっつきにくいですけど面白いですよね。
皆さんも日本神話に触れてみると意外な発見があって楽しめますよ。


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