せまい部屋を飛び出して　さざめく星を眺めれば
この地球が愛しく思えるだろう
不老不死の夢なんざ　ちっちゃすぎるぜ　そこの君
宇宙のため　地球のため　戦おう！

ベルリンの壁も　派閥の壁も
勇気出して撃ち破って　歴史は動いた

＊１６連射で心の闇を撃て　堕落と言う名の巨大な要塞を
　１６連射でタブーを撃ち破れ　宇宙の秘密がいま解き明かされる

ひとりひとりの心には　パワーが無限にあふれてる
星をひとつ生み出すほどのものさ
目の前に立ちはだかる　壁を嘆いた　そこの君
恐れないで　ひるまないで　さぁシューティング！

恋の悩みも　進路のことも
燃えるハートで突き進めば　未来は開ける

　１６連射で夢の扉を撃て　高嶺の花さえ　はらりと落ちてくる
　１６連射で迷いを撃ち破れ　君さえ変われば　あの子も腕のなか

＊Ｒｅｐｅａｔ

該当曲「ハートに１６連射」は、ウルトラマンティガか？と思うほどユーロビートな展開
で始まり、ＫＯＪＩ１２００を思い出してしまうほどニューウェーブな調子で宇宙ヤング、
笹キミヒトの声が自信たっぷり無理矢理に乗り込んで来て「宇宙に飛び出そう」と誘う。
聞き手の不安を見透かしたように、すかさず高橋名人が後に続けて「一緒に旅立とう」と
勇気づける。「１％の可能性がある限り信じる価値がある」という高橋名人の生き様を
表現したサビ「１６連射で〜」は一度耳についたら離れそうにない。間奏にはドラマが
配置されて、ストーリーをダイナミックに演出している。最後のサビがリフレインされる
直前(3:10)に、おなじみのフルパワーのテーマが登場する展開はツボを心得ている。
個人的には、もっとＰＳＧっぽい音で出現して欲しかったところだが、それは各人の
好みの問題だろう。テクノポップの遺伝子が流れているせいかYMOのCUEを思い出した。
…全部聞き終わってから、イントロはスタソルのオープニングの変奏形であると納得。

宇宙ヤングは、隠喩に頼ることなく直球の歌詞によって、メロディーに負けることない
個性を発揮しているが、笹キミヒトの時代を逆行したヒーローイズム溢れる世界観には
懐かしさを覚える。個人的には、ハイスクールララバイが大好きだった頃を思い出す。
人に後ろ指を指され笑われても、クイズ王になる夢があるならあきらめるなと憧れを歌う
宇宙ヤングと、「時間は夢を裏切らない」とハーロックに語らせる松本零二が重なる。
大真面目に夢を語るのが憚られる、そんな現代社会へのアンチテーゼなのかもしれない。
なんて、思わせぶりに紹介してみたけど、大真面目に妄想恋愛経験を歌い上げることが
出来ないシャイな正直者というのが本当のところなのだろう。
さて、宇宙ヤングについてよく知ってる方なら既に常識だろうが（もちろん、ファミコン
少年団は、宇宙ヤングが夜もヒッパレに出ていた頃から知ってますヨ…笑）、20世紀中に
既に解散していたが、名人の一言を足がかりに活動再開となったという。