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出口論
注意:出口を否定するのではなく 出口はこういうものなんだ 程度に留めておき、
参考書を選ぶときは実際に自分の目で確かめ、比較して最終決定してください



私と出口の本との歴史は今年の1月に始まった。その本は『出口の現代文実況中継』。
この本で、現代文の解き方がこのように定義されていた。


1.すべての根拠は本文中にある。
2.評論文は作者の論理を追う。
3.筆者の主張は形を変えて繰り返される。
4.傍線、空所はその前後をみる。
5.指示語、接続語があれば、チェック。

どうやら彼は初心者にも解るように論理の追い方を説明しているようだが、私(その当時偏差値65程度)はあまり論理を追えなかった(問題が解けなかった)。
私は焦燥感からか落ち込みながらも本屋に行き、
私は彼についていけば現代文が得意科目になるかもしれないと信じて、出口ブランドの本を手に取った。
それは「マリンちゃん」なるお世辞にも可愛いとは言えないキャラクターが印刷されている、
『システム現代文・バイブル編』と『〃・解法公式』だ。
前者は値段も高く、中身も実況中継以下。役に立ったのは『解法公式』のみ。これには私が今まで買った出口ブランド+αの情報が載っていた。
数か月の紆余曲折の後、再び本屋に行き『レベル別問題集3〜6』を購入、そして、いまはレベル5に突入したところ。ちなみに成果はボチボチ。 で、結論に入るが、
出口が論理を追えば文章が読めると言っているのは正しいが、その論理を追う行為がとても難しく、それができないからこそ、みな困っていることを彼は解っていない。
しかも彼の著書ではA→A'(具体例)方式で問題を解いているが、実際そんな文章はあまりないことに私は気付いた。
彼の著書は似たような文章形式しか集めていないので、実践において、そこが受験生の「論理をつかめない」という嘆きをもたらす一因かと思われる。
あと論理を追うだけで、問題が解けるようになるのと、すぐに現代文で結果を出せると言っているのが間違い、もとい誤解の種を招いている。
私は上の紆余曲折の間、語彙力を蓄えて、ある程度文章が読めるようになったが、今現在、まだ実戦では通用しない。
やはり知識を熟成させ、実際に使いこなして読むことができるようになるには相当の時間が必要になるものだ。


1.A´→A型の文章はあまり無い。よって筆者の主張を重ねながら読めないときが多々ある。そのときの対処法みたいなのが書いてない。
2.出口本に個々の文章に応じた、文章を読み解くプロセスが書いてない。もうわかった前提で話が進められている。
3.問題解説が薄い。特に傍線部の説明問題。たとえばその箇所を説明するとき、本文中に答えが直接書かれてない場合がある。それなのに
   解説では「ここはこういうことだ」という説明もなく、いきなリ結論を書いて、論が飛躍または主観が交じっているとしか思えないときがある。


実例
から客観的に説明します。
【一】選択肢の消し方
 ・センター『加藤周一「文学の概念」〜問三』の選択肢の消し方

●出口の現代文特訓(中経出版)p50
 選択肢@ 「文学は経験の抽象化」がダメ。
 選択肢A 文句のない文章でしょう。/文中のキーワードを生かして、文句なく合っているので、おそらくAで間違いないでしょう
 選択肢B どこにもそんなこと書いてない。
 選択肢C 実はまだこの段階では書いてありませんが、最後まで読んでいくと出てきます。
 選択肢D 「文学が経験の法則化」がダメ。

●現代文と格闘する(河合出版)p124〜(問二に該当。選択肢はア〜オだがここでは@〜Dとする)
  選択肢@ 「文学は経験の抽象化にかかわる」の部分が本文の逆である。
 選択肢A  
 選択肢B ポイントa(=文学は分類不能な具体的な経験を強調する)とポイントb(=科学は抽象化された経験から法則の普遍性を語る) のポイントの説明が「レモン」に限定されている点と、ポイントc(=aとbは相容れない)がない点でダメ。
 選択肢C 「科学のように世界全体と普遍性にかかわる」の部分がポイントbの説明とズレている。
 選択肢D 文学が〜追求する人生の真の姿」の部分が本文の内容からそれる(本文には論じられていない)。

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