忘却曲線の理論は受験勉強にそっくりそのまま適用すべきものではないので、俺なりに実行しやすくした方法を利用する。
準備するのは3〜4色ボールペン、およびチェックペン(緑or赤のマーカーでチェックし、
反対の色のシートを使うことで、文字が消えるペン)だ。なお、チェックペンは緑ペン&赤シートが、見た目は悪いがよく消える。
未見の参考書が1冊あるとする。これをどう進めて行くかについて。
まず、1冊を最初から最後まで一気に終わらせる方法。これはあまり頭のいい方法とはいえない。
というのも、ある情報Aが記憶に定着する前に新しい情報Bがインプットされると、情報Aは忘れてしまう可能性が高いからだ。
さらに、次の情報Cが現れると、情報Bまで忘れてしまう。こんなやり方では、いくらやっても覚えることはできないだろう。
ではどうするか。1冊を一気にやるのではなく、こまめに復習を挟んだらどうだろう。
1冊が1章から10章まで分かれているとしたら、その章が終わるたびに、1回復習するという方法だ
これは最初の方法に比べると、格段に記憶の定着率が上がる。1冊が終わる頃、もちろん最初の方は忘れてしまっているが、
それでも間に復習を挟まない方法よりはずっといい。
だが、これでは不十分だ。
エビングハウスの忘却曲線を持ち出すまでもなく、勉強した後、時間が経てば経つほど忘れていく。
逆に、時間が経っていない状態なら、さほど忘れていない。
ここで注意深くなって欲しいのは、<かなり時間が経過した後の復習>と<さほど時間が経過していない復習>のどちらがいいか、
ということである。
それはもちろん後者だ。わざわざ理詰めをしなくても、経験的に分かるだろう。
一定の割合を覚えているうちに復習をした方が、記憶の中に残っているものを再び辿るだけなので、ずっと短時間で終わらせることができるんだ。
記憶に残っているものを再び辿る、ここが<復習を重視した勉強法>のポイントだ。
つまり、できるだけ情報Aを記憶に残した状態で情報Bを覚え、さらにできるだけ情報Bを残したまま情報Cを覚える。
すると、復習する時に情報AもBもCも、比較的覚えている。
さらにそれだけでなく、その復習時に覚えるべき総量が軽減されるため、全体的な記憶効率も上がるというわけだ。
1度ではなく、2度目に同じ道を辿ることによって、より記憶に残る。このとき、かかった時間は1度目よりずっと短くて済む。
3度目に同じ道を辿れば、もっと短くて済む。4度目、5度目も同じだ。
ここで重要なのは、電話番号を瞬間的に覚えるような記憶をするのではなく、
記憶の対象を、イメージあるいは前後関係と繋げて覚える記憶を心がけることである。
最初の1回は、初見の内容に対して電話番号を記憶するように、向かっていかなくてはならない。
というのも、イメージは確立されていないし、前後関係と関連させられるほどの周辺知識が無いからだ。
だが、2回目からは、1度やっていることだから、イメージや前後関係とつなげることが容易になる。
ただし、電話番号を瞬間的に覚えるような記憶のまま復習をしても、長期的な記憶へはなりにくい、
というのが俺の実体験から言えることだ。
どういうことかというと、2回目3回目を直後に繰り返し過ぎても、それは瞬間的な記憶であり、受験本番までは持たないということだ。
これを回避するためには、一定の理解をしたら、少し間をおいて復習をすることが重要である。
この<間>は、各自でつかむべきものだ。
例えば俺の場合を例に挙げるとすると、<1〜5分><30分><数時間><寝る前まで><1〜3日><1週間><1ヶ月><数ヶ月>
と、これくらいのサイクルがあると感じた。
短期的に仕上げたい場合、短時間のサイクルを集中的に行うことによって可能になる。
DUOを1週間で覚えきる方法に当てはまる。
短期サイクルで1冊を集中的に覚えることができれば、その後、その参考書1冊を、短時間でまるごと復習ができる。
この<短時間で1冊を復習する>ことができると、その復習効率は断然優れたものとなる。
これがDUOの有用性であり、これを他の参考書にもできるだけ利用しよう、というのがこの試みだ。
さて、そのために必要なのが、最初に書いた、<3〜4色ボールペン>と<チェックペン&シート>だ。
3〜4色ボールペンは、<既に覚えたこと>と<まだ覚えていないこと>を分けるのに利用する。
視覚的に色分けすることにより、分かりやすく、記憶に残りやすくなるという利点がある。
このボールペンは、単語帳などの単純記憶に威力を発揮する。復習する毎に、覚えたことと覚えていないことをしつこく分けることにより、
いつ、どれくらい復習すればいいのかを、自分の脳(記憶の定着度)を基準として、簡単に判別できる。
チェックペン&シートは、社会科科目などの、時系列やイメージ的に前後関係のある科目で効果が大きい。
この場合、覚えるべきこと全てをチェックペンでチェックし、覚えたものor覚えていないもののどちらかをボールペンでマークしておけば、
覚えるべきことだけが分かりやすく残り、非常に効率的だ。
それと、何かと書いて覚えているアホがいるが、時間の無駄だ。どうしても覚えれないものだけ、<最後に>何度か書けばいい。
日本史だとその割合が多くなるだろうが、それを覚えるのは勉強の最後の段階で、この時期からやる必要は無い。
このように、ボールペンとチェックペン&シートを使うと1冊まるごとを短時間で復習できるようになる。
そして、1冊まるごとを簡単に終えることができる参考書のストックが増えていけばいくほど、普段の勉強はもちろん、
さらに受験直前期の記憶の総定着化が効率的になり、ここで他の受験生との圧倒的な差が生まれる。
また、これは私立文型に特化した場合に特に有効であり、他の科目と並行している者よりも、圧倒的な差をつけられる、
という俺の考えの根拠でもある。
最後に
復習とは面倒くさいものだ。1回やったのだからもうここ終わりにして、次の新しい分野に進みたい、
というのは一つの欲望と言えるだろう。
だが、それを抑えて、地道に復習を積み重ねることにより、他の受験生を一歩リードするということが完全に理解できれば、
その欲望を抑えるのは、そんなに難しいことではない。
これを読めば、復習の重要性について理解できると思う。理解できない、あるいは違った考えを持っているのなら、
自分の考えに沿ってやればいい。
だが、理解したなら、理解した通りに進めないと損だぞ。ここまで読んで、まだ復習をしないで先へ進んでしまうのでは、
合格への遠回りを自ら選んでいるようなものだ。
復習を甘く見ないこと。
復習はしっかりやろう。
作成者 早稲田への道スレの u 氏