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講座4 居飛車VS振り飛車 
PART1…居飛車と振り飛車の戦いの歴史をひもとく

 将棋の戦法というのは主張と主張の衝突なのでしょう。
その大きな流れが居飛車と振り飛車の抗争です。

その昔、プロでは角道を止めると叱られたそうです。「そんな消極的な手を指すとは何事か!!」って感じでしょうか? ですから振り飛車なんて「邪道」「外道」だったんですね。(確か、そんなレスラーもいたっけ?)

振り飛車の巨人といえば「大山康晴」。

「巨人」。「鉄人」。そんな言葉がぴったり当てはまる棋士と言えるでしょう。

大山康晴はもともと居飛車党でした。たしか「銀矢倉」を得意としてたように思います。銀矢倉は受身の戦法。
受けを得意とする大山康晴の棋風にあっていたのでしょう。しかし、振り飛車はもっとあっていたのに違いありません。
振り飛車といえば「美濃囲い」。「大山康晴」と「美濃囲い」。なんとも運命的な出会いです。 玉の堅さを武器として終盤のねじりあいに耐える戦法「振り飛車」。 出会うべくして出会ったといえるかもしれません。
世に言う「大山の受けつぶし」とは相手が攻める前に受ける大山の正確な受けの棋風を表しています。 そのすごさゆえ、相手がやる気をなくしてしまったそうです。

一方、豪快な指し手を売り物にする升田幸三がいました。「新手一生」の言葉を掲げて魅力ある将棋を指しました。
大山と升田のライバル抗争は以前「知ってるつもり」でも放送されたので知っている方も多いでしょう。
大山は「平凡は妙手に勝る」と言いのけました。 つまり、「悪い手を指すから負けるのであって普通の手を指していれば負けることはない。」という意味です。

「平凡は妙手に勝る」の大山と「新手一生」の升田。全く対極をなすこの2人の戦いは長い「居飛車VS振り飛車」の戦いの幕開けのような気がします。 (升田は升田式石田流という戦法にもあるように居飛車しか指さないというわけではありませんが)

つづく