窓の匠さんのレビュー
レビュー機種
SR-007(Ω2)&SRM-007t(STAX)
満足度 満点
(ただしこれは現時点でこれを越える物を私が聞いたことがない&想像できない為)
ヘッドフォンの中ではズバ抜けて高額であるが、それだけの価値は十二分にあると納得するヘッドフォン。
私はHD600やER−4Sも所有しており知人からΩ2との比較を求められることがあるが、はっきり言って比較できるものではない。
イメージとしてはそもそも原音を100とした場合、HD600やER−4Sは限りなくその100に近づこうとして設計されており、またそれがよく再現されている。
対してΩ2は120〜140の音、つまり原音を越える音を目指して設計されている感じがする。
そのため原音忠実としてはΩ2の音はあまりに美音すぎ、リアル(忠実)を求める人には向かない気がする(HD600やER−4SもしくはSignature辺りが向く)。
逆に音楽をもっとも素晴らしい音で聴きたいという人にとってΩ2は最良の選択と思える。
音の傾向だが、不得意なジャンルは存在しない。
一部STAXのヘッドフォンはクラシック向きと言われる方がおられるが少なくともこのΩ2に関してはテクノやJPOPからフルオケまであらゆるジャンルを美しくそして余すことなく奏でてくれる。
また、弦楽器系に関してはアンプ側の特性と思われるがより美音化が著しい。
Ω2の生成するヴァイオリンの音が並みの現物ヴァイオリンよりも美しいと感じるのは私だけだろうか?
残念ながらそうそう気軽に購入できる価格ではないが、海外での価格に比べれば遥かに安く(海外ではセットで$5000を軽く越える)、また、HD600やER−4すら色褪せて感じられる最高位のヘッドフォンが国内製だという事実は日本人として嬉しく思える。