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杉ちゃんさんのレビュー
sugichan.gif (426 バイト)


■HeadRoom "AirHead" headphone amp 満足度★★★★★

1.安い 

AirHead小型、軽量化のため音質を妥協した製品。$129で買ってこそ意味があると考えました。

2.小さい

D-E990はER-4S大音量でドライブすることが出来ないことを考えると、気軽に常にE990と合わせて持ち運べるというメリットはあまりにも大きい。そのようなヘッドホンアンプが今すぐ欲しかった。

3.使用するヘッドホンのインピーダンスは最低でもER-4Sの100Ω

HeadWizeの掲示板でもAirHeadのノイズはGradoやER-4Pなどの高能率ヘッドホンを使う場合にのみ見られる、と言われていたのでおそらくノイズは気にならないだろうと考えました。

というところです。

 さて、まず肝心のノイズについてですが、HD580ではほとんど何も聞こえない、ER-4Sではわずかに聞こえるがまず気になるレベルではない、と言う感じでした。ER-4Sでも電源を切ってみると今までわずかにノイズがあったのがわかる、と言う程度で、これならばクラシックなどでもまず問題にならないと思います。
 ただ、これだけならば良いのですが、試しにE990付属のイヤホンや昔使っていた国産ヘッドホンを使って見たところ、かなりのノイズが聞かれます。正直言ってこれはひどいの一言で、使い物にならないと言う方が現れるのも納得できます。低インピーダンスのヘッドホンはAirHeadではまともに使えないと断言できます。ちなみにノイズの内容はただの「サー」と言う音です。

 次に音質についてですが、価格を十分に超えた素晴らしいものと思います。ソニーD-E990のジャックと比べると、低音は音程が余裕で聞き取れるようになり、それでいてER-4Sでも十分に重みのある音を聞かせてくれます。また中域、高域の解像度や正確さも明らかに向上しました。そして、大音量になっても音の躍動感は衰えません。


 そして、Audio-Image-Processorも素晴らしいですね。さすがに頭外定位こそしないものの、片耳からのみ音が聞こえるという気持ち悪い現象が著しく緩和されて実に聴きやすい音になっています。

 総じて、$129と言う値段を考えれば文句のない製品と思います。確かに高能率のヘッドホンでノイズがみられますが、AirHeadの使命はHD600やER-4S十分な音量、音質でドライブすることだと考えれば私はさほど気にしません。その使命は十分に果たされていると思います。

 

■HD580 満足度★★★★★

 素晴らしいヘッドホンだと思います。低音はウーファーのような重低音ではなく正確でタイトな音、中高域も正確でありながら刺激音が全くなく、とにかく気持ちよく聴けます。また、低音から高音までのバランス取りも絶妙。解像度はまだまだいけると思いますが、音作りに関してはまさに完璧、死角無しという感じです。

 

■HD590 満足度★★★★

 まず、これを買った直後は、高音やボーカルのサ行がかなり刺激的な音を出し、実に聴きにくいヘッドホンでした。しかし、2週間ほど使っていると、刺激音が緩和してきたので、これはエージングをすると刺激音がなくなるのではないかと思い、数時間大音量で鳴らし続けてみました。すると、あれほどきつかった刺激音がうそのように少なくなり、その結果、HD580にかなり近い音になりました。

 これは、同会社の同価格帯のモデルなので当然のことなのですが、これから細かい違いを挙げていきます。

  まず、低音についてですが、HD590の低音はHD580、HD600が持ち味とする「タイトさ」が欠けているように思われます。つまり、HD590の低音はややBOOMYであり、結果としてHD590で聴く音楽は低音に支配されているように聞こえることがあります。この点が、HD580やHD600が絶賛されている理由の一つである音の透明感、繊細さを消してしまっているような気がします。もちろんHD580と比べて細かい違いを挙げれば、ということであって、聞き苦しい低音というわけではありませんが。また、HD590はエージングでかなり刺激音が少なくなりましたが、それでもHD580に比べるとまだボーカルのサ行などは聴きにくいと感じます。また、全体的に音の解像度がわずかにHD580に劣っているようです。つまり、音質面ではHD590はHD580に一歩劣ります。
 
 一方、かけ心地についてはHD590の方が明らかに上です。HD580は側圧がやけに強く、耳の周りがイアパッドに押されているという感覚が常に付きまといます。しかし、HD590はイアパッドがHD580よりもやわらかく、側圧もほとんど感じず、ヘッドホンをつけていることをまるで感じさせません。HD590のかけ心地のよさはは完璧です。

 そして、これが最も大きな違いなのですが、HD590にはおそらくヘッドホンで最高峰と思われるほどの音の広がりがあります。HD590はイアパッドがかなり分厚く出来ており、しかも発音体が耳のかなり上方に配置されています。その結果、耳のそばで音が鳴っているという感じがほとんどなく、中央の音は頭内のやや上方、左右に割り振られた音などは頭外の左方、右方に思いっきり分離します。この音の広がりによって、HD580ではただ耳のそばで鳴っているだけの音楽が、ヘッドホンとは思えないほどの臨場感をもって迫ってくることがあります。とくに、ゲーム音楽など、意図的に左右への割り振りをする打ち込み音楽の場合に多いようです。もっとも、音の広がりといってもスピーカーのようなものとは全く違いますし、ヘッドホンにしては音が耳の近くで聞こえない、という程度のものです。それでもこれはHD590がHD580よりも大きく優れている点だと思います。

<総評>

 音質がHD580の方が優れている以上、HD580の方が優れたヘッドホンであることは間違い有りません。ですが、悪いヘッドホンではないことは間違いないので、国内でHD580が手に入らず、ヘッドルームなどから輸入することに抵抗があるならば買う価値はあると思います。とはいえ、私としてはヘッドルームの199ドルHD580を強くおすすめします。


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