remove
powerd by nog twitter

Balinさんのレビュー


HD580/600のケーブル自作 Balin


 HD580/600用交換ケーブルとして,CLOU社のJaspis Blue,Jaspis Red が販売され,少し高価ですが評判が良いようです。電源ケーブルやピンケーブルを換えると,HD580のケーブルの細さが気になってくるわけで,ちょっと心が揺らぎます。
 そこで,レビューにあった aoさん,こて丸さんの自作ケーブル報告に勇気づけられ,ダメモトで自作してみることにしました。簡単にでき,思いのほか結果が良かったので報告します。
 オリジナルケーブルを材料として使ってしまうのですが,このケーブルはHeadRoomで売られており,もし失敗と思っても元に戻せます。

●システム
CDP TEAC VRDS-50
AMP 窪田登司氏設計ヘッドフォン・アンプ(自作)
HP Sennheiser HD580,Etymotic ER-4S

●材料
オリジナルのケーブル:ヘッドフォン側の端子部分を使う。
ケーブル:オヤイデ電気製 切り売り電源ケーブル L/i15 OFC 2.5m(1,500円/m)
FLチューブ:一番細い3mm径のもの。(秋葉原オヤイデ電気)
熱収縮チューブ:12mm径,6mm径ほどのものを各少々。
フォンプラグ:ノイトリック製(秋葉原トモカ電気)

計 約5,000円


 オヤイデのケーブルは,中は4芯で,細い銅線を多数撚ったもの。被覆はごく柔らかなシリコンゴム。これを鮮やかな緑色の袋打ちコードとしている。外径6mm。4芯で,導体が太い割にしなやかというのが,選んだ理由。電源用ですが,気にしないことに・・・。FLチューブは,内径が自由になる網状のもの。化粧用なので無くても良い。
 フォンプラグは,金メッキでないが,がっちりして高級感がある。ミニでなく,標準プラグ。
 オヤイデ電気,トモカ電気とも通信販売をしていますから,材料は揃うはずです。

●工具
カッター,はさみ,ハンダごて,テスター,ヘアドライヤ(熱収縮用)など。

●作り方
1 2.5mのケーブルを,社名印刷方向による方向性確認のおまじないを一応してから,ヘッドフォン側を25cmほど袋打ちを取って二またにする。FLチューブと熱収縮チューブで,外観を整える。緑色の上に黒の網がかかり,ぐっと落ち着いた感じになる。

2 フォンプラグをハンダづけ。プラグの先端から,L,R,グラウンドの極性。ケーブルは赤2芯,白2芯なので,赤をそれぞれLとRに,白2本をグラウンドに,ハンダづけ。

3 オリジナルケーブルをヘッドフォンから外し,端子から5cmほどケーブルを残して切る。端子に直接,新ケーブルを接続したいが,難しそうなので,オリジナルのケーブルにつなぐ作戦。
 オリジナルのゴム被覆から現れたのは,驚くほど細い撚り線。ポリウレタン塗膜?で絶縁された6本ほどの極細の銅線がケブラー繊維とともに撚られて芯線になっている。塗膜は,R側が赤と緑の2芯,L側が無色と緑の2芯。緑がグラウンドに接続されている。
 新ケーブルのL,Rを間違えないようテスターで確認し,オリジナルの線にハンダづけ。それぞれ,事前にハンダあげしておく。オリジナルの線材は,細すぎて絶縁膜を剥がせない。そのまま,ハンダあげして,結果オーライ。
 熱収縮チューブで,補強を兼ね,隠してできあがり。

●結果
 手術は大成功。結果は良好です。
 20時間ほど慣らした状態ですが,音質は,低域が伸び,ゆとりが出て,雄大。トーンバランスは低域の量が増えますが,高域が出ないとか,癖が生じるといったことはないようです。情報量が増加した感じ,音場も広がった感じがします。音量そのものも大きくなりました。 オリジナルのHD-580は,弦や管にちょっと艶が乗る美音で,特段の不満は感じてなかったのですが,振り返ると,少し「眠い」音だったかも。よりダイレクトな感じで,エネルギッシュになり,今や,Etymotic ER-4S 並に目覚しい感じです。失われるかもと思った艶も健在です。 全体として,文句なしの改善。HD580のグレードアップになりました。CDPやアンプの電源ケーブル,ピンケーブルの交換以上の大きな改善です。ER-4Sは,これまでにまして低域の細さが意識され,控えの二番手になるかも。

 見た目は,高級ケーブルの風格。太いし,フォンプラグと合わせて信頼感があります。
 装着感も悪くないです。ケーブルがゴワゴワせず適度な硬さで,思ったほど重さを感じません。タッチノイズもなく,実用上まるで問題なしです。長さを,オリジナルの3mからちょっと詰めて2.5mにしましたが,もっと短くして,床に着かず宙に浮く形になるようだと重いでしょう。

 CLOU社のケーブルが Blue と Red とすると,こちらは緑なので「Green ケーブル」です。
 満足度は,オリジナルケーブルを ★★★ とすると,Green ケーブルは ★★★★★


「読者の方によるレビュー」一覧に戻る
HOME