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聖闘士星矢天界編序奏-overture-感想


<上映前>
アニメ、一般映画込みなら「少林サッカー」以来、アニメ映画のみでみたら「エヴァンゲリオン」以来の映画鑑賞です。
当初、見に行くか見に行かないか迷っていたため、前売り券を買わずに行きました。
見に行ったのは四条大宮にある大宮東映。着いた時間は12時20分ほど。入り口前で列を作っていたのですが、意外にも男性の方が多く見られたのには驚きました。聖闘士星矢は美少年ものだけど性別を越えて愛されている作品であることを実感。
入場時にはポストカードを二枚頂きました。最初はパンフを買わないつもりでいましたが、見に行った記念にと購入。高いのには辟易しましたが。
売店の方ではクリアファイル(イメージセルをプリント)、聖衣箱をあしらったチョーカー風デザインの携帯電話用ストラップにアニメイトでも購入できるステッカー、限定カレンダーが売られていました。他にはショーケースに古谷氏のサインが書かれたクリアケースが陳列されていました。


<ハーデス戦後の星矢〜復活の時>
ハーデス編後ひっそりと暮らしていた星矢は謎めいた男3人の襲撃を受ける。男たちの衣装はコロナの聖闘士を思わせる感じ(ミニスカート着用なので)。星矢はハーデスとの戦いでは死んでいなかったようだが、心は死んでしまった状態に…目はうつろになり、何も感じない…というところは「ZZ」序盤のカミーユ君を感じさせます(ZZ序盤におけるカミーユも戦争で精神が壊れた影響で何も感じない状態になっていた)。そんな星矢を沙織さんは看病していたが、自分のために傷付いてしまった星矢の姿を見て責任を感じてしまったから?
謎めいた男たちを率いていたのは月と狩りの女神アルテミス。アルテミスは沙織さんに地上の統治権を譲れと迫ってきたが沙織さんはあっさりとアルテミスの要求をのんだ。
沙織さんがいなくなったことを知った星矢はふらつきながらも聖域へ向かうことに。そのさなか、星矢は魔鈴さんに出会う。魔鈴さんはTV版と同じく結城沙羅の声(私の中では)でおなじみの山本百合子さん。声の感じがTVと違っていたため最初は違う方が演じているのかと疑いました。

<聖域へ>
聖域へと着いた星矢だが、そこで星矢を待っていたのは聖域の変わり果てた姿とかつての仲間。シャイナさん達が星矢を襲うが星矢は力が出ないのかまともに反撃できない。星矢とシャイナさんのやり取りはアテナの聖闘士とは何たるかを問い掛けるセリフになっています
神々と黄金聖闘士のやり取り。カミーユ君(飛田さん)の美声に聞き惚れてしまいました。ハーデス編では3大鎧ヒーロー(星矢・○ルーパー・○ュラト)の主役声優揃い踏みでしたが今回の天界編は歴代ガンダムの主役声優が揃い踏み…夢のような組み合わせです(古谷さん=アムロ、飛田さん=カミーユ、緑川さん=ヒイロ、堀川さん=コウ)。
沙織さんは地上を破滅から救うために自らの血を大地に捧げ始めた(何故地上が破滅の危機に陥っているのかが説明されませんでしたが)。沙織さんって自己犠牲的な行為で地上を救おうとする所はバクチ好きな性分から?または全ての人々を分け隔てなく愛する母性本能から?


<天闘士との戦い>
聖域の一角。沙織さんの下へ向かおうとする瞬の前に現れたのは天闘士のテセウス。テセウスって牛の頭をもつ怪物ミノタウロスを倒した英雄の名だが「リンかけ」にもテセウスっていたよな…髪型が神闘士のハーゲンにそっくり…チェーンの上に立ったり、舞うようなバトルスタイルで瞬を圧倒します。瞬のピンチに現われる一輝。瞬の「やっぱり来てくれたんだね。」には苦笑してしまいました。瞬のピンチに現われる一輝というパターンは過去の映画でもおなじみのネタですが今回は違います。一輝と瞬がタッグを組んでテセウスに挑みます。TV版94話で一輝と瞬が二人でバドに立ち向かうシーンのように熱い展開になっていてGOOD。ネビュラストームと鳳翼天翔、風と炎の二重奏でテセウスを倒した二人。一輝&瞬対テセウス戦は一輝の熱いセリフにしびれたが(この辺が青銅の私的セリフ重視ナンバー1と言っている所以)、フェニックスの聖衣の配色が彩色担当の色彩感覚を疑うようなものになっているのが悲しい。(T_T)ブルー系&藍色に加えて胸当て部分の一部と尾羽の色にオレンジが入っているので。アニメ版旧聖衣とアスガルド・ポセイドン編バージョンの彩色感覚が混じっているのでどっちつかずな印象を受けるんですよね。出来ればアスガルド・ポセイドン編バージョンと同じ配色にして欲しかった。冥界編が製作されたらアスガルド・ポセイドン編バージョンと同じ彩色に直していただきたいところ。ブルー系カラーの方がクールかつシックな感じになっていていいし。

先に進む星矢を待っていたのは天闘士・オデュッセウスによって傷付いた紫龍と氷河。星矢もオデュッセウスの攻撃によって傷付くが、不屈の闘志でもって立ち上がるところを見ると一応戦う力を取り戻したようだ。星矢の不屈の闘志に触発されて戦うことの意味を思い出し、再びオデュッセウスに挑む姿は王道を行っています。
今回の氷河は負傷した目が完治しているし紫龍も目が見えているが、氷河に関してはBBSでアイザック状態(負傷した目に派手な傷が出来ている)になっていたらどうしようと危惧していた方がいたがそれは杞憂に終わったようです。紫龍のほうはデスマスク戦同様ハデスとの戦いでも小宇宙を究極まで高めていたから目が再び見えるようになったのか?
オデュッセウスの最期は「北斗の拳」状態…

砂漠らしい所でイカロスに挑む星矢。ここのバックはアナログ風。バトルアニメにはアナログ風の背景が似合います。イカロスの電撃を受けながらも立ち上がりイカロスに挑む星矢はかっこいいし、自信満々?と思わせるセリフを言ってくれます。

<沙織との再会>
イカロスの力によって沙織さんの下へ飛ばされた星矢。ここでの星矢と沙織さんのやり取りは思わず涙腺が緩んでしまいました。男の方にあんな告白されたいです。
メロドラマシーンに水をさすアルテミス。アルテミスは沙織さんに神としての使命を全うしろと言い、沙織さんもそれに従おうと星矢を殺すと宣言。黄金の杖が星矢の体を貫いた!
星矢は本当に死んだのか?という謎を残しつつ次のシーンへ

<神との問答〜ラスト>
沙織さんの黄金の杖で体を貫かれた星矢を見た沙織さんは初めて星矢に対する想いを感じ涙を流す。
死んだと思われていた星矢だが、黄金の杖が貫いたのは星矢自身ではなく星矢に取り憑いてした呪いのようなもの。沙織さんが人間をかばうことを快く思わないアルテミスは沙織さんを殺そうとするが、その際に取り出したのは弓矢。アルテミスは月の女神ではあるが、狩りの女神でもあるので弓矢は妥当な選択。弓を念力のようなもので動かしているが、狩の女神でもあるんだし自分の力で引いたら?それに衣装のほうもドレスじゃなく狩りの女神らしく丈の短いスカートにしてアクティブな感じの方がよかった?
星矢とイカロスの戦いを絡めつつ、アテナとアルテミスのやり取りに。ここでは神とは?人間とは?という問いかけが出てきます。沙織さんは神だけど人間として育ったわけだし、人の愚かさはもとより、人の美点もわかる人。自分より目上の者であるアルテミスに対して人のすばらしさを説いてます。神は自分たちを畏怖することを忘れたと言うことと争いばかり起こすからという理由で人を滅ぼそうと目論むが、極論ですね。ハデス編でも触れられていたが、人間は善人と呼ばれる人であっても悪行は知らずの内に犯してしまうものだし、完全な悪、完全な正義はないのだから、どっちが正義であると言うのは答えられないんですよね。それに完全なるものが全てを支配したら、美点というか個々の個性というものも死んでいくんじゃないのかな・・・(今で言ったら管理体制とかが当てはまると思う)
イカロスと戦う星矢は完全に戦士として復活したよう。何度倒されても不屈の闘志で立ち上がります。魔鈴さんが登場したところでイカロスの正体が魔鈴さんが探していた弟・斗馬(トウマ)であることが判明。斗馬のネーミングは「○ルーパー」の軍師役H君と同じ…
沙織さんとアルテミスの問答が続く中、アルテミスは本気で沙織さんを殺そうと弓に力をこめた!沙織さんを救ったのは敵であるはずのイカロス(斗馬)。このシチュエーション、原作ポセイドン編におけるカノンが沙織さんをかばうシーンと似てません?
星矢が神に挑戦するという決意を固めた時、アルテミスの実の兄である太陽神アポロンが登場(アポロンとアルテミスはゼウスとレトの子で双子神)。衣装がアベルと酷似しています。アポロン登場シーン辺りから星矢は裸になっているが、直視し難いですし、「○ルーパー」や「○ュラト」同じ事をするとは「星矢」もここまで墜ちたか…(「○ュラト」のヌードは意味があったようですが)という感情を持ちました(ハデス編OPでもヌードが出てきたが)。「星矢」は鎧ヒーローの元祖だから他のとは一線を画す存在でなければ…(星矢と沙織のヌード、「イデオン」のラストシーンを思い出すと某BBSで発言していた方がいましたが)
星矢がアポロンに拳を向けたところでEDへ。EDは旧OP・EDを歌ったMAKE-UP。やはり星矢にはロック調の歌が似合います。ラストに謎めいた聖衣姿の星矢が…ハデス編バージョンの聖衣と神聖衣が合体したデザインだが、続編が作られて実際に出てきた場合は必要に応じて(おそらく小宇宙の燃焼で)神聖衣になるとか、神聖衣の軽装版になるかのどっちかだろうなぁ…スタッフロールの後「おわり」と出てきたのには面食らいましたが、アレで本当に終わりだったら悲しいです。
見に行った日は目の調子が悪かったせい(選んだ席が悪かったのかも?)もあって綺麗なはずの映画が見づらかったのが残念です。
映画鑑賞終了後、改めて観客層を見てみると年配の方や小さい子供の姿も…しかし、小さい子に今回の映画を理解できたのかは謎ですが。

<総論&補足>
・ハデス編に続いて登場した星矢の劇場新作。スタッフのこと、出演声優さん等を星矢サイトで調べた上での映画鑑賞でした。脚本がハデス編を手がけた横手美智子(実際は男性脚本家との合同脚本)がやると聞いた時は、ハデス編のようにヘボい内容のものしか出来上がらないのじゃ?と心配したが、ヘボいものではなく一安心(一応は)。ハデス編で歯切れが悪いと指摘したアクションシーンもスピーディーでしたから。ただ、登場キャラの心理面を重視した作りというのはいかがなものかと思う。勧善懲悪、星矢特有の男の美学、5人の友情を強調したドラマが一切排除されているのも気になった。(今回、星矢以外の出番ってあんまりなかったし)リアルタイムから好きな方は男の美学、5人の友情の素晴らしさに惹かれていたと思うし(私が星矢に惚れ直した理由でもあるし)、見たかったのはその男の美学、5人の友情です。そのリアルタイムからのファンを突き放した感があるのがマイナスでは?実際見てても理解できなかったので
・星矢達5人はマスクを着けていなかったが、これは何故?もしかして書くのが面倒だった?
・作画面はハデス編同様、3DCGで背景を作っているが(一部アナログ的になっている所あり)、アクションアニメに3DCGは似合わないです。全編アナログ風の背景を採用して欲しかった…
・声に関してはプロレスラーの方二名を声優起用というのには抵抗を感じたが、天闘士、アルテミス、アポロンはプロの方だったので一安心。アルテミス、アポロンは映画メインで活躍されている方を起用しているが、過去の映画版を踏襲しているみたい(過去4作のボスキャラ(エリス以外)の声優さんは映画メインの方がやっていた)。
・東京・大阪等の重要都市では試写会、東京では前夜祭が行われたが、京都市は近畿圏では都会の部類に入るし、映画館も複数ありますが試写会や舞台挨拶はないわ、前夜祭的なイベントもなしでしけた鑑賞になったのが多少残念。(*注:公開前にローカル局であるKBS京都で関連特集が放送されましたし、2月29日に京都・四条大宮東映で舞台挨拶がありました)
(2004年2月18日・19日/3月1日)


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