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初代仮面ライダーについて
<誕生>
 初代の放送は1971年だが企画の立ち上げは2年前に遡る。「仮面天使(マスクドエンジェル)「マスクマンK」「クロスファイヤー」などの企画変更が行われた。企画立ち上げのスタッフとして平山亨氏、市川森一氏(「ウルトラマンA」のメイン脚本家)、上原正三氏(「ウルトラマン」、「仮面ライダーBLACK」の脚本家)伊上勝氏(「仮面の忍者赤影」脚本・井上敏樹氏の実父)らが中心になってた。上原氏はウルトラマンシリーズに関わってた関係で実際の脚本に参加しなかった。
 「クロスファイヤー」の企画が立ち上がった際、検討用シナリオ「クロスファイヤー(仮題) 第一話 怪奇蜘蛛男」まで作られ、本郷猛役に近藤正臣氏、緑川ルリ子役に島田陽子さんという配役まで決定していたという。しかし、石ノ森章太郎氏の「自分のデザインが気に入らないので、作り直したい。」との一言で、白紙となった。なお、本郷猛役に決まっていた近藤正臣氏は制作スケジュールの遅れから出演不可能となり、藤岡弘氏に変更になったとのこと。

で、次に「仮面ライダースカルマン」のデザインを石ノ森氏が書き起こすが、これは石ノ森氏が読みきりで書いた「スカルマン」*を発展させたものだった。しかし、キー局である毎日放送は「骸骨は縁起が悪い」と難色を示したことから企画は白紙に。「スカルマン」が気に入っていた石ノ森氏だったが、20冊以上の動物、昆虫、科学図鑑の中からヒントを得、バッタ型改造人間・仮面ライダーホッパーキングを考え出した(後に題名が長すぎるとのことで「仮面ライダー」に)。決定デザインに関しては当時5歳だった長男で現在俳優として活躍している小野寺丈氏が決めたとか。
*「ぼくらマガジン」で読み切りとして発表されていたもので神楽竜夫はドクロの面をかぶってスカルマンと名乗り、自分の両親と妹を殺した政財界の大物・千里虎月に関わるものに復讐していくが、虎月と会った竜夫は虎月が実の祖父であること、両親の死の真相を聞かされる上に妹も生きていた。自分達が世間に受け入れられない存在と言うことで3人は炎の中に消えていく・・・と言う内容だった。直接の続編である島本和彦版や実写・アニメにもなってる。

<1話>
 漫画版1話と実写版1話は内容がほとんど一緒だが、立花藤兵衛が原作だと本郷に仕える執事と言う設定になってたり原作にあった改造手術の名残の傷跡は実写ではなくなってる。
 余談だが、実写1話の1号の声が藤岡氏ではないのだがこれは「ウルトラマン」に影響されて変身後の声を他人にしたとか。

<変身>
原作ではマスクと防護スーツを装着して変身。この設定はリメイク映画「THE・FIRST」でも踏襲されてる

<2号ライダー登場>
 仮面ライダー2号こと一文字隼人登場のいきさつだが藤岡氏は実際に仮面ライダーのスーツを着てアクションをするほどの方だったが10話のラストシーン撮影時にバイク事故に遭ってしまった。この事故はOA前の出来事で藤岡氏は1話のOAを入院先の病院で見ていたという。藤岡氏の事故を知ったスタッフは大慌てしたそうでスタッフ会議でこれからを話し合ったがこのときに出た案は「本郷が整形で別人になる」「2号ライダー登場」「本郷を殺す」というものだった。結局TVの方では「2号ライダー登場」の案が決定し、本郷はショッカーの別計画を追い、ヨーロッパに向かったと言う設定にしておき、佐々木剛扮する一文字隼人が登場した。一文字役の佐々木剛は当初「藤岡氏が復帰するまで」という条件付で出演を引き受けたが、Wライダー登場の回などでライダー人気が急上昇した為結局は最後まで(出演しなかった回もあったが)出演することに。初代放送後も先輩ライダー客演というシチュエーションでは積極的に出演していたほどになった。
 原作では本郷を始末する為に12人の仮面ライダーを刺客として送り込み、本郷を変身不能にまで追い込み、ついには本郷を倒してしまう。洗脳が解けた一文字が本郷の遺志を継ぎショッカーと戦う決心を固めると言う交代劇を展開した。
 ただ、死んだと思われた本郷も脳だけは生きていて、後述する最終話では全身機械のアンドロイドとなって復活する。

<原作の最終回>
原作版最終話「仮面の世界(マスカー・ワールド)」では、日本人の国民総コンピューター化を目論む「10月計画」の存在を知った一文字はFBIから派遣された滝二郎(滝和也にあらず)の協力で富士山にあるショッカーのアジトに潜入し、「10月計画」の責任者・ビッグマシンと対峙。ビッグマシンから日本人の総コンピューター化には日本政府の影があるという真実を聞かされる。ビッグマシンの特殊能力に苦戦する一文字だが、復活した本郷の助けでショッカーの企みは粉砕したものの、一文字が面倒を見ていた少年は白血病で死んでしまうと言う終わり方だった。