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機動戦士Zガンダム-星の鼓動は愛-感想

<上映前>
 京都での上映映画館はMOVIX京都のみ。この日は「ナルニア国物語-ライオンと魔女-」の上映と重なったため約150人収容のシアターで上映された。10時50分の部を狙って朝早く映画館へ向ったが、満席のため13時の部で鑑賞。10時50分の部を狙って8時30分辺りから席を取るため並んでいた方もいたとか・・・
 13時までは時間があるということで、売店でグッズを購入。購入したのは1作目の時同様テレホンカードに。携帯電話を持っていないし、未使用テレカも1枚しか持っていなかったので購入したのですが。
 売店をチラッと見ているとHCUCZガンダムクリアバージョンは飛ぶように売れていたが、複数買うために何度も売店に並んでいた方も・・・
 3作目は33話「アクシズからの使者」〜50話「宇宙を駆ける」までに当たるところを映画化している。

<アクシズからの使者〜宇宙が呼ぶ声>
 2作目からの続きでアクシズとの交渉に臨むエゥーゴの面々から。ミネバが話すシーンを見て子供しすぎているミネバの声が気になった。ミネバの声はTV版では伊藤美紀さんだったが劇場版では平本亜夢と言う方が担当。TV版のミネバは子供だけど上品なところが良かったのだが、劇場版では子供の声そのままなのが残念。
 グワダンを脱出するため、一芝居打つシャアとカミーユ。本気で殴り合いまでしていたが、カミーユの台詞の方は一理あるな・・・みたいな。
 グワダンを脱出した一行はそのままMS戦に。リックディアスがバルーンダミー射出装置を腕に括りつけて出撃していくところやガンダムMkUがロングライフルを携行しているところはいい描写。ヤザンのハンブラビに苦戦するエゥーゴ。Zガンダムはハンブラビのコンビネーション戦法「蜘蛛の巣」に苦戦。レコアの乗るメタスもヤザン機の攻撃を受けて大破。レコアさんはそのまま行方不明に。この戦闘シーンはTV版映像に特殊効果を加えてあります。
 このシーンでのシャアの「ミネバをよくもこう育ててくれた、偏見の塊を育ててなんとするか!」というセリフと「私はいつも一人の男だった」のセリフはなし。しかもシーンがぶつ切り状態にされているし。
 ミネバに謁見するシロッコ。TVだとハマーンはモノローグでとはいえ「馬鹿な男」と嘲笑しているのだが劇場版ではそういった描写はなし。どっちにしてもミネバに忠誠を誓うシロッコの野郎の態度は白々しいのだが。

35話「キリマンジャロの風」〜42話「さよならロザミィ」に当たるシーンはなし。35〜37話はZガンダムを構成する重要な話だったのに割愛されてしまったのは残念だ。

<ハマーンの嘲笑>
 ティターンズが「グリプス」を利用して作り上げた兵器「コロニーレーザー」を完成させた情報をキャッチしたエゥーゴ。コロニーレーザーの話をしているシーンでティータイムを楽しむエゥーゴの面々は良かったかな?ヘンケン艦長の行儀の悪さを指摘するエマさんは微笑ましかったし。
 ティターンズ側のやり取りは39話「湖畔」の序盤のシーンが入っています。
 コロニーレーザーとゼダンの門を何とかしたいエゥーゴはハマーンと交渉。ハマーンは地球を恫喝するための道具として核兵器のことをほのめかす描写が登場。ゼダンの門を破壊して欲しいと頼むシャアはハマーンに頭を下げるが、シャアも情けない男に転落したな・・・と思うのは映画でも変わりません。

<ゼダンの門〜天から来るもの>
 ジャミトフと謁見するジェリド。このやり取りでの「自分はただ、敵を倒すまでは自分は死ねないと・・・」というジェリドのセリフがないし、ジャミトフと交渉したハマーンの方も下品(?)な笑いを浮かべるところがあったのが残念。ハマーン様って威厳があって誇り高い女性なのに下品な笑いを浮かべたところでハマーン様のキャラクターが壊れてしまいました。
 交渉が決裂し、怒りのジェリドがグワダンを沈めようとするシーンとサラを追うカミーユのシーンは前後しているが、サラの声はまた違う方に。オリジナルの水谷優子さんや2作目の池脇千鶴さんよりも声がひどい・・・喋り方が子供みたいだし。変えるのならオリジナルの水谷優子さんに戻して欲しかった。水谷さんって最近にスパロボでエクセレン役で出演されていたのに・・・
 「ジオンのために戦えない」と言って出撃を拒否するカツ。搭乗機体はTVではメタスだったがこの映画版ではG-ディフェンサーに。
 メタスが出撃していくシーンでMA時の機首に当たる部分を収納して出撃していく描写は良かった。

<シロッコ、立つ>
 シロッコはジャミトフとハマーンが再び交渉に乗り出すことを聞き、行動を起こした。46話に当たるシーンでは演出上の変更点は殆どないが台詞回しは大幅に変更。「そういうことだ、すまないなジャミトフ」のセリフが割愛されているのと「このキュベレイ、見くびってもらっては困る!」のセリフが変えられていた。

<宇宙の渦>
 エゥーゴはコロニーレーザーを奪還するためにメールシュトローム作戦を実行。エゥーゴの部隊がコロニーレーザーを巡る攻防戦を繰り広げるところはあっさりした印象が。
 精神世界でカミーユとハマーンは色々な人々の思念とめぐり合うが、このシーンでの7年前のシャアとハマーンは「若き彗星の肖像」を読んだため違和感あり。ハマーンの容姿と年が釣りあわないような・・・
 「よくもずけずけと人の心に入り込む・・・恥を知れ!俗物!」のセリフがなくて残念。ハマーン様がカミーユを「俗物」呼ばわりするところは問題発言だから?どっちにしてもハマーン様はTVとは違って威厳がなくなったような・・・

<生命散って〜宇宙を駆ける>
 グリプスを完全に制圧するため、陸戦部隊を送り込むことになったエゥーゴだが、コロニーレーザーを護衛するエゥーゴ艦隊とティターンズ艦隊が激突。ティターンズ艦隊を殲滅するためにコロニーレーザーの試射をするシーンが登場。メガバズーカランチャーをダミーの射撃とし、その間にコロニーレーザーの試射を行う作戦を行うことに。これはアクシズの軌道を変えるためにコロニーレーザーを使うと言う描写がないから?
 混戦状況に陥る戦場。戦いの中戦死するカツ、ヘンケン、ジェリド。ヘンケンが指揮するラーディッシュがMkUの盾になって撃沈するシーンは一部新作カットありだが、絶命寸前のヘンケン艦長がエマさんの名を呼ぶシーンでは「エマ中尉」と言わず、「エマ」とだけ。ジェリドの死に際も「カミーユ、貴様は俺の・・・・」のセリフが割愛されている。
 ヤザンの駆るハンブラビと戦うZガンダム。カミーユの「生命は・・・生命は力なんだ。生命は宇宙を支えているものなんだ。それを…それをこうも簡単に失っていくのはそれは…それはひどい事なんだよ!何が楽しくて戦いをやるんだよ!!貴様のような奴はクズだ!生きていちゃいけない奴なんだ!!」はなし。

 パラス・アテネを撃墜したエマさんは脱出中に重傷を負い、廃艦でカミーユに見守られて死んでいく。「たくさんの人があなたを見守っているわ。あなたは1人じゃない・・・」のところは若干変更。
 一方コロニーレーザーの中では百式、ジ・O、キュベレイが激突。MSの性能差なのか徐々に追い詰められていくシャアの百式。シロッコの「道を誤ったのだよ。貴様のようなニュータイプは粛清される運命なのだ!」とハマーンの「こんなところで朽ち果てる己の身を呪うがいい!」のセリフはなかったが、シャアの「まだだ!まだ終わらんよ!」はある。
 グリプスの中にある劇場の跡で対面する3人。このシーンはTV版からの流用だが、台詞回しは変更。カミーユが乱入してきた際の「本当に排除しなければならないのは地球の重力に魂を惹かれた人間たちだろう!?けど、そのために大勢の人間が死ぬなんて間違っている!!」のセリフは変更されていたが変えられたセリフはくどく感じてしまった。
 とうとう最後の決戦。シロッコとカミーユの対話ではカミーユがシロッコのことを「お前」ではなく「あなた」と呼んでいる。人々の思念を背負ったカミーユが勝負に出た!Zガンダムがオーラを纏うシーンの前のライラの魂がカミーユを導くシーンはなし。しかし人々の思念の中にロザミアが出てきたのは不自然。48話にあたるシーンが入っていないのに。死んだ人の思念を受け、無敵状態と化したZガンダム。カミーユの傍らに現れるフォウの魂のセリフ「カミーユはその力を表現しているマシンに乗っているんだよ!」はないような・・・ゆかながフォウをやるとどうしてもドスのある声で喋るから島津フォウとの違和感を感じてしまう。
 ウェイブライダーの突撃でシロッコを葬るカミーユ。あのシロッコの表情がTVのまま残してあるのだが、新規カットに差し替えても良かったような・・・
 戦い終わり・・・戦場から地球の人々の描写のあとカミーユとファのやり取りに。カミーユ君、TV版とは違い精神崩壊を起こさず、ファと宇宙空間で抱き合うと言うラブラブな所を見せてくれるが、やっぱりカミーユ君の心のよりどころはファなんでしょうか?

<変更になった声優さん(敬称略)>
・サラ:水谷優子→池脇千鶴→島村香織
・ミネバ:伊藤美紀→平本亜夢
・カツ:頓宮恭子→柳井久代
・キッカ:荘真由美→小松由佳


<総論-新訳・刻の涙->
 歴代ガンダムの中でもナンバー2人気を誇るZガンダム。Zファンと言うことで劇場版が製作されたことは嬉しかった。映画館で3作とも見に行ったが、新訳を謳っているだけあって、新作カットの充実、新カットの挿入によって生まれ変わったキャラとメカの描写は良かったが、微妙な台詞回しと一部の出演声優には文句を言いたかったのは事実。特に2作目のフォウとサラはオリジナルの島津冴子さんと水谷優子さんは存命でなおかつ引退はしていないのに強引に声優を変えてしまったことは憤りを感じてしまう。「聖闘士星矢」でも冥界編でメイン5人の声優が古谷徹さんではなくなったがZにしろ、聖闘士星矢にしろTVで出演されていた声優さんが出演していて熱い演技を見せてくれたから名作になりえたわけですが、今回の声優変更は新人声優の売り込みという悪いイメージが入ってしまったことは残念だ。
 原画の点でもキャラクター作画監督だった恩田尚之氏は42・47話の作画監督なので劇場版に関与するのは当然でしょうが、Zガンダムの作画を支えた北爪宏之氏が参加していないのは残念。北爪氏はフォウがらみの回(19話・36話)等で美麗な作画を書いていたがその彼が劇場版に関与しなかったのは何故だろう?


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