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仮面ライダーアギト劇場版「PROJECT G4」感想
 「アギト」の方も半分まで見たということでその区切りとして劇場版を鑑賞。「アギト」自体は仮面ライダー誕生30周年記念作だったが、この映画は「東映誕生50周年記念作」でもあるそうで・・・同時上映は「百獣戦隊ガオレンジャ−-火の山吼える-」。TVの仮面ライダーの映画化は「仮面ライダーBLACK」以来だそうです。

<始まり>
 OPの方にはTV1話のように「仮面ライダー30周年記念作」のテロップが登場。最初はある研究施設から。施設にいる子供たちは超能力者のようで。それに反応して研究所にアンノウンが出現。今回のアンノウンはアリ型で集団様でご登場です。アリアンノウンがエスカレーターを使って登場する件については監督が「(自分は)ブラックユーモアが好きらしい」と述懐してます。
 アリアンノウンの登場で施設は惨劇の舞台と化しています。アンノウン出現の通報を受けたG3-Xは研究所へ。研究所到着前にG3-Xの装着シーンがあります(省略されているようだが)。ガードチェイサー発進のシーンはモロCG。アリアンノウンは体液を浴びせた対象者を窒息死させる能力があるようだ。オーディオコメントによれば、当初アリアンノウンの殺しの方法はギ酸で溶かして殺す方法を考えたがグロテスクになるのでやめたのとのこと。
 現場にやって来たG3-Xは一匹だけ残っていたアリアンノウンとバトル。珍しく接近戦で戦っています(しかもガードアクセラーを使って)。接近戦で弱った所をGX−05でとどめ。アクションシーンも映画ということでTVよりも派手です。

<美杉家での一幕>
 OPタイトルの後、美杉家のシーンに。TVでは置いていないグランドピアノが・・・美杉教授お金持ちですね・・・翔一と真魚は買ったピアノで連弾をしていますが、翔一のお寒いギャグも健在。ピアノの練習の合間に翔一がとうもろこしの成長日記なるものをつけていたが、やっていることは小学生並み。こんな人がアンノウンと戦う仮面ライダーとは・・・頭が痛いです。好青年なのはいいんだけど、仮面ライダーになるからにはもうちょっとヒーローらしくして欲しい・・・そういう点では光太郎の方がまだヒーローらしかったなぁ。(好青年なところが共通しているとはいえ)
 
<警視庁>
 自衛隊から研修生が来る事になったG3ユニット。研修生のことが出てくるが、その話をしている最中に北條が・・・北條のイヤミぶりも映画のせいかパワーアップしているような・・・

<歓迎会>
 研修生である深海の歓迎会を焼肉屋でしているG3ユニットの面々。小沢さんはジョッキでビールを飲んでいるが、相変わらずゴーカイな人だ。歓迎会の最中、翔一らに会う氷川。偶然過ぎる・・・美杉教授は小沢さんを見て驚いていたし、翔一は尾室を「金剛寺さん」(って誰?)と間違えています。尾室って目立たん人だからな・・・ 
 所代わり・・・研究所から逃げてきたレイと紗矢香はフランス料理屋へ。無銭で食事なんてしてますが、レストランのロケ場所は10話のレストランと同じところ?
 焼肉屋・・・美杉教授と話す小沢さん。ここで城北大学時代の小沢さんのことが語られるが、生徒を扇動して美杉教授のゼミをボイコットしていたとは・・・相当な問題児じゃなくて・・・天才ゆえに美杉教授の授業はつまらなかったのか?
 別のところでは小沢さんのことについて尾室が愚痴をこぼしているが、尾室の本音が垣間見れます。次のシーンでの尾室、酔っ払っているサラリーマン状態・・・で、ベロベロに酔った尾室から何かパスワードを聞き出してている深海。よくない事を企んでいるよう。翌日には深海は研修員を辞めます。

<ESPゲーム>
 携帯電話で配信されるESPゲーム。それで遊んでいるヲタク男。ニヤニヤしながらゲームをやるところはヘン。そんな彼の前に現れるアリアンノウン。ヲタクでもエスパーになれる夢が・・・
 このシーンについてはオーディオコメントで監督が述べているが、衣装などのディーティルの拘ったとのこと。
 太一を迎えに行った翔一は珍しくお兄ちゃんしてます。
 レイに会った涼はアリアンノウンに遭遇。ギルスに変身しアリアンノウンと戦いますが、変身シーンはTVとちょっと違う演出に。「変身!」の掛け声も気合入っています。
 ハンバーガーショップでESPゲームに興じる真魚。真魚がアリアンノウンに襲われるところを予知し、突然逃げ出してしまいます。それを追う翔一と真魚だが、翔一の方は見知らぬ男に絡まれるがこのシーンは笑えます。

<G4登場>
 逃げる紗矢香を追う真魚だが、アリアンノウンに遭遇してしまう。そんな彼女を助けたのは翔一。アギトに変身してアリアンノウンと戦うがアリアンノウンは何もないところからウジャウジャと沸いてきます。G3−Xが駆けつけ、アギトはフレイムフォームで応戦。アギトがベルトから武器を取り出すところはRXのリボルケインを出すシーンと似ています。
 アリアンノウンの戦いは迫力があるが、作り物の炎は味気ない・・・G3−Xとアギトが戦っている中一台のヘリからメタリックブラックの影が・・・そいつはミサイルランチャー「ギガント」でアリアンノウンの群れを撃破。ミサイルランチャーを持ち出すところは豪快です。
 G4装着員はOPに登場した男=水城三尉。水城三尉役の唐渡亮、渋いです。

<警察と自衛隊の確執>
 G4の設計図を深海が盗んだことを知り怒り心頭の小沢さん。女同士の喧嘩勃発といった感じですが、深海がやや優勢か?氷川は水城に呼ばれ死体安置所へ。死体安置所にはG4の試験装着員となり死んでいった自衛隊員の死体が安置されていた。G4って難儀な強化スーツですね。装着した場合死んでしまうのだから。だから小沢さんはG4を封印したわけか・・・水城は氷川に生への執着あると指摘し、自分は死を背負って生きていると自分の哲学を述べるが、簡単に命を投げ出せるような発言だな・・・
 この後のシーンでは深海は小沢さんに対してイヤミったらしい発言をしていたが、G4を手に入れた深海は北條の女版と化している・・・・
 自分で稼いだお金でお菓子を涼にプレゼントするレイ。ここでは悩めるヒーローな涼が珍しく笑顔を見せます。
 
<救出作戦>
 真魚が深海にさらわれてしまい、警察の協力を仰ごうとする翔一達。しかし深海は知らないの一点張り。捜査が行き詰まった翔一達は警視総監に会います。警視総監役は本郷猛こと藤岡弘。総監の「今の俺に出来ないことを君達がやってくれ」のメッセージは旧ライダーが送る新世代ライダーへのメッセージ?
 深海は捕らえた真魚の力をG4のシンクロシステムに利用しようとしていた。お国の平和を守るはずの自衛隊が悪と成り果てた瞬間か?
 車の中で話す翔一と氷川。翔一の「生きることはおいしいこと」は迷言。
−夜−真魚を助けるため、自衛隊の基地に向かおうとする翔一。しかしG4が立ちふさがる!G3−X、アギトの2人でG4に挑むが、予知能力シンクロシステムを使ったG4の前に成す術なし。
 氷川は自衛隊の基地に拉致されていたが、死を背負って生きるといった水城の哲学を真っ向から反対する氷川は珍しく感情的になっています。

<それぞれの戦い>
 G4に痛めつけられた翔一だが、アンノウンを察知し傷ついた身体で戦いへ。無茶してでも真魚を助けに行こうとする翔一はヒーローらしいところを見せます。今回は体の傷が癒えていなかったが、8話の時の驚異的な回復力はどこへ行った?
 マシントルネイダー・スライダーモードでアリアンノウンを吹っ飛ばすところは豪快ですがアリアンノウンの動きはなんかゾンビっぽい。G4も迎撃に出るが予知能力シンクロシステムが切れて劣勢に追い込まれます。G3−X、ギルスも加わり戦いはクライマックスへ。

<新たな変身>
 アリアンノウンの大群によって、地下に落とされたギルス。女王アリが登場。そいつに腕をもぎ取られてしまう。生々しいな・・・ 
 地下に現れたアギトは何の前触れもなしにバーニングフォームに。両腕のカッターのようなパーツはアマゾンのヒレカッターを思わせます。ギルスのほうも何の前触れもなしにエクシードギルスに。なんか派手派手というか、化け物っぽいというか・・・
 女王アリに苦戦するアギトだが、光を浴びてシャイニングフォームに。バーニングのアーマーが割れてシャイニングになるところは「蛹から蝶へ」といった風。クウガの最強変身アルティメットは「闇の力」と言われていたが、シャイニングはカラーリングからして光もしくは太陽をイメージ?(太陽の力だったらRXとかぶるが) シャイニングの戦闘シーンから流れるBGMはOPのユーロビート風アレンジ。女王アリのとどめはキックでしたがやはり技名は叫んでくれないと・・・

<G3−X対G4〜エンディング>
 女王アリはアギトが倒したが、まだアリアンノウンの群れが残っていた。紗矢香を助ける際のアギトの演出だが、シャイニングカリバーの軌跡は蛇足?
 一方、G3−XとG4の戦いは続いていた。予知能力シンクロシステムの効果は切れたものの、G4の戦闘能力は圧倒的。マスクを外しG4に挑む氷川だが、そんなので勝てるのか?それを見た深海は嘲笑うが、アリアンノウンの群れに喰われてしまいます。SEが生々しいが、傲慢なところを見せた報い?
 G3−Xがマスクを外す描写は原作版仮面ライダーの本郷や一文字の描写に通じるとのこと。
 戦いの最中倒れるG4。クルクルアニメを入れた演出が見事。一度力尽きたG4だが再起動。死者の魂を食って動いているかのよう・・・再起動したG4を見た氷川の「もういい!もういいだろう!?」はアドリブだそうです。
 美杉家・・・レイと紗矢香の話をしている美杉一家のシーンで劇場版は終わり。

 EDテーマはウルフルズ。硬派な「仮面ライダー」には似合わないような・・・EDのテロップでは珍しくスーツアクターの役名が表記されている。TVでは普通「仮面ライダー:誰々」とは明記されていないし。
 映画限定ライダー「G4」のスーツアクターは岡元次郎氏。G4はメタリックブラックのライダーでしたが、岡元氏の(スーツアクターとしての)デビュー作は黒のライダー・BLACKだったし、アギトの原型だったRXのアクターでもあったがこれって偶然?

<おまけ>
 「アギト」劇場版はディレクターズカット版を見たのですが、オーディオコメンタリーがDVDに収録されています。映画における演出についてとか、劇場公開時に70分に短縮した理由や新規カットについて、「仮面ライダー」における警察の存在についてとか、スーツアクターさんのこと、監督の仮面ライダー観、「アギト」に登場するライダーたちの戦う理由についてなど、演出、アクションのこだわり、監督の哲学が垣間見えて面白い。
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