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バーチャルホラー 呪われた館
3DO
1994 エレクトロニック・アーツ・ビクター
 次世代機といわれた32ビットマシンの先駆けとして発売された黒船ハード3DO。あまりにも過酷な運命をたどったこのハードの来航から6日遅れで黒船にのってやってきたのが「バーチャルホラー」です。「3DO」の名に(色んな意味で)恥じない3Dゲームです。
・オープニング大賞!
 もう、オープニングがすごいです。いきなり。洋ゲーのセンス爆発!ホラーなのに妙に陽気なナレーション(しかもオーバーな演技!)、バカっぽいけど妙に頭に残るBGM、流暢な英語(当たり前だが、妙にありがたい)、抜けてるムービー(結構手抜きっぽいけど、妙に合ってる)など妙な魅力満載!「バーチャルホラー」とはこんな世界(精神的な部分も含めて)なんだよ、ということをこれほどまでに絶妙に表現されては、納得せざるをえません。
驚異のオープニング!
 今までいろんなゲームのOPを見てきましたが、このゲームのOPほど強く印象に残ったものは希です。ある意味「サクラ大戦3」を凌駕しています。そして、アメリカ的ホラーの表現に関しては、かの「ホーンテッドマンション」より説得力があるといえるでしょう(ほめすぎ?)。
 このゲームが自分的名作である所以は80%以上このOPにあるのです。まだ見たことがない人は急いでお店にGO!
・バーチャルホラーという作品
 OPの事を語ってしまったらもうほとんど話すことはないのですが、本編の方もなかなかどうして、名作と言えるでしょう。
 内容はいわゆる「DOOM」型といわれるもので、主人公の視点(銃を持つ手のみが画面に表示されている)からみた3Dダンジョン(モンスターやゴーストがうろつく屋敷の中や庭などです)を、1フロアに1つ落ちてるタリスマンと呼ばれる聖盤のかけらを探しながら全12フロアをクリアしていきます。
 かなり入り組んだ広いダンジョンで弾薬制限もある(アイテムで補充)などかなり難易度は高く、後半はかなりいやらしい敵が出現するなど、ゲームとしては決して誉められたものではないです。そして何より3D酔いが凄い!30分〜1時間以上のプレイはツラかったです。それでもHEDが心の殿堂にいれてしまったのには、OPを含めたその雰囲気表現の素晴らしさがあります。
・雰囲気作り最高
広大なダンジョン(館内)に死霊がうごめく
 1面が始まって1分ほどすれば、もうかなり陰鬱な気分に支配されている事でしょう。画面とBGMの暗さはゲーム史上類を見ない出来といえます。「陰鬱な気分になる度」では、かの夢も希望もないDCの傑作「デスピリア」にも匹敵します。特に1〜2面のBGMは秀逸!OPが陽気な感じの出来だっただけに、ここでホラーの本領発揮といったところです。「陽気な怖さ」と「陰鬱な怖さ」、相反した2つの要素が自然に融合しているアメリカンホラーの醍醐味を十二分に堪能する事ができます。
 暗い雰囲気に加え、幽霊(?)の笑い声や叫び声、怪物(?)の遠吠えや意味不明の物音、突然現れるゴースト(無害)などの演出が気分を盛り上げます。また、モンスターの跋扈する広い屋敷(というかただの迷路)にポツンと自分ただ一人という心細さが、プレイヤーに「心地よい居心地の悪さ」を与えてくれます。これがこの作品の名作たる所以なのです。陰鬱かつ、心細い感覚に快感を覚えるようになればもう「バーチャルホラー」のとりこです。
・「バーチャル」ホラー!
 迫り来るSS版「バーチャファイター」に対抗し、なんでもタイトル名に「バーチャル」とつければそれっぽくていいやという風潮だったあの頃、この「バーチャルホラー」も初めはナンセンスで安直なタイトルとしか思いませんでしたが、このゲームに触れて行くうちに、これほど端的にこのゲームを表わした言葉はないと痛感させられました。アメリカンホラーの世界に足を踏み入れる「バーチャル」な感覚を間違いなく楽しむことができます。ゲームバランスは誉められないものの、日本人には決して生み出せない世界を「感じて楽しむ」ゲームとしては、間違いなく傑作でしょう。
いきなり首吊ってたりしますから!
・やっぱOPでしょ
 1面から登場する死神のような敵がトコトコ歩いてくる姿はちょっと滑稽です(動きが「トコトコ」という感じ!)。プレイヤーに近づこうとしてオブジェクトや壁にひっかかり、もがいている姿はある意味恐怖です。
 そんな恐い死神の姿を初めて見たのは体験版CD―ROM付きの3DOの雑誌(名称忘却)の「1面だけ遊べる体験版」だったんですが、オープニングムービーを見た瞬間に「買った!」と思いましたね。初の32ビットCD−ROMマシン(マーティーは除く)で構築された3D空間を歩き回る驚きよりも、あのいかにも「アメリカンホラー」で妙にノリのいいOPが購入動機になりました。それくらい魅力的なのです。ナレーションの演技やテンポ(徐々に盛り上がっていく様子が最高!)、BGMが入るタイミング、計算された「天然さ」がほんとうまい!です。こればっかりは見てもらわないと伝わらないかな…。
 ちなみにOPは日本語吹き替えも選択することができますが、それやっちゃうと魅力が75%減なのでやめた方がいいです。
PS2やX−BOXなどでより美麗に、より陰鬱に生まれ変わった「バーチャルホラー」が楽しめる日を期待せずにはいられません。
 追記・・・OPのBGMはかなり印象的!今でも油断するといつの間にか口ずさんでいます。お、恐ろしい・・・。
対応機種 3DO
エレクトロニック・アーツ・ビクター
1994年3月26日発売 8800円

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