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ダライアス外伝
1995 TAITO
・アーケード版
 3画面の名作「ダライアス」の第3弾として95年に登場した本作。シリーズを重ねるごとに画面数は減り、ついに1画面になったものの、その完成度の高さで人気を博しました。
 海洋生物をモチーフにしたボス、ステージ分岐による飽きさせない展開などをうまく引き継ぎつつ、特殊効果を多用した異様な世界観、オペラなどを取り入れた不思議なBGMで「癒し系ドラッグシューティング」という独特の世界を作り出していました。
 また、今作では緊急回避的ボンバーや、変化の早いパワーアップ、派手な連射などが採用され、テンポの良い爽快感のある展開が楽しめます。全26ゾーンから自分なりのルートを選び、7つのステージを戦い抜いてゆく。

ダライアス外伝
for SEGA SATRUN
1995 TAITO
・超上出来!
 さて、名作「ダラ外」の移植といえばサターン版でしょう!このサターン版は出来がいい!サターン初期の作品ながら、アーケード版の魅力をあますところなく再現している移植人の技術力には驚嘆するばかりです。
 美しいグラフィック、大きなキャラクター、特殊効果が醸し出すサイケな世界、不可思議なBGM…。その再現性の高さは各雑誌でも絶賛されました。
 もはやここまで忠実に再現されていると、ちょっとした違いがとても気になりますねぇ。ここまでやってなぜ…と残念に思ってしまうのです。
 なんとなくいじわるなようですが、残念ながら目に見えて違う部分を挙げてみましょう。
サターン初期になされた素晴らしい移植
・残念な処理落ち
 まず、処理落ちが起きてしまいます。ほとんどないんですが、肝心なところで起きてしまうのが残念!その肝心なところとは1面ボスの登場シーン。ゴールデンオーガが猛スピードで現れてシッポでビルを破壊する演出です。アーケード版ではスピーディーな破壊シーンがかなりカッコ良くて大好きだったんですが、SS版は処理落ちによりちょっともったりした破壊シーンになっています。これは個人的に一番残念でした。
 また、同じくゴールデンオーガですが、破壊時の体のパーツが飛んでいってから爆発が起こるまでミョーな間があります。これも処理落ちでしょう。逆に、ボスの爆発シーンで花火のような火弾が3連発するところはAC版より速いです。
 もう一つボスシーンについて。ゾーンBのボスのシーンで、AC版では森の木々をなぎ倒しながら突進するボスの姿が印象的でしたが、SS版では木々が再現されず平地を突進するようになりました。ただし、ボス出現時だけは少しの間木々が出現します。おそらく巨大なボスの処理と大量の木のグラフィック処理を同時にできなかったのでしょう。ボスがはじいた木の残骸が飛ぶグラフィックのみ再現されているのに執念を感じます。きっと、涙を飲んでカットしたのでしょう。
本当に良く再現されております。全く遜色ないですね。それだけにこの場面、処理オチがイタイ!
(左)サターン版 (右)アーケード版
・惜しい半透明
 半透明処理や、ラスタースクロールなどを駆使した演出がアーケード版の魅力でした。SS版では、ほぼ完璧に再現されていて素晴らしいのですが、なぜか海中ステージにて海面から透けて見えた、「空」が見えなくなっています。ほとんど気づかないような細かいところですが、残念です。
 あとゾーンLなどにある惑星の空のグラデーションに半透明処理がかかっていないので、太陽(?)が透けてみえないです。
 当時セガサターンはプレステに比べて半透明処理が少し苦手だったようですね。SSとPSに同時に移植された作品ではPS版では半透明なのにSS版ではメッシュになっていたなどという現象が多く見られました。
・グラフィックもろもろ
 ボスのグラフィックですが、グラデーションの中間色がなぜかメッシュで表現されています。この点が一番見た目での違いとしてよくわかるところだと思います。一体なぜこうなったのか、ちょっと理解できません。ボスのグラフィックも大きなウリの部分なだけに、残念です。しかしながら、体のパーツに拡大縮小機能を駆使したり、ディゾルブで姿を変える演出などは完璧に再現されています。
 それと、ゾーンEに現れる大きなコロニーの外壁はラスタースクロールをうまく使って回転する様を美しく表現していました。もちろんサターン版でも遜色なく再現されています。しかし、アーケード版ではコロニー端部分がグラデーションにより影がつき、立体的になっていましたが、そのグラデーションはなくなり平べったい感じになっています
森の木々が再現されず(涙) コロニーにグラデーション処理がなされていない
   以上の点を考えても、このSS版「ダライアス外伝」の移植度は最高クラスの出来と言えます。ステージ間の読み込みも3秒ほどに抑えられています(「NOW LOADING」などの表示はない)。
 正直言ってスプライト的に再現はキツイだろうと思っていました。特にAC版での怒涛の連射(ワイドビームが連なる様)は無理だろうと。しかしそれが処理にほぼなんの支障もなく再現されていて、SSの2D性能の凄まじさをまざまざと見せてくれました(もちろん移植人の技も)。

 コンフィグがセーブできない点や、連射が裏技でしかサポートされていない点などは不満点!立ち上げるたびに連射コマンドを入力しなくちゃならないのははっきり言って苦痛。いちいちコマンド覚えてないっつーの(調べるのもメンドい)!連射の有無でゲーム性が大きく変わるだけに残念。
 このゲームでサターンの移植に対するパワーを思い知らされた記憶があります。サターンを代表する移植名作であることは間違いないでしょう。移植人に拍手!
TAITO
1995年5月19日発売 5800円

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