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「映画とゲームの呪怨な関係」 4月23日(金)


 こわくてこわくてこわくて有名な「呪怨2」!金欠状態だった為、遅ればせながらようやくDVDを入手ですよ。
 元々HEDは日本の(心霊)ホラーものに目がなくって、「呪怨」シリーズもビデオ版からずっと観てきました。「2」は劇場で見逃してからずっとDVDを買ってじっくり観ようと思ってました。
 

 それにしてもよく出来てるなー。構成的にはビデオ版からずっと一緒なので怖さに耐性ができちゃってるのも事実なんですが、それでもあのジメジメゾクゾク感はたまりませんね〜。決して「ビックリさせる」演出を使わず、雰囲気で背筋を攻めてくるトコロが相変わらずGOODです。評判が悪い部分もあるようですが、あんまり色々深く考えなければ理屈ぬきで楽しめると思うんですが。
 

 ただ、残念なトコは伽椰子さんをはじめとした幽霊が実体化しすぎちゃってちょっとゾンビみたいな感じになっちゃったかなーと思ったトコ。もっと幽霊らしさを取り戻してもらいたいですネ。それと後半のやりすぎな展開はちょっと・・・。話が「ありえない」方向に行っちゃうと少し冷めますよね。


相変わらず怖い伽椰子さん


 で、この「呪怨」ですが、「THE呪怨」としてハリウッドリメイクされるわけです。詳細を全然知らなかったので「『リング』みたいに向こうの監督が「日本的怖さ」を活かしきれず中途半端なホラーになっちゃうのか」とガックリしてました。
 ところがフタを開けてみると清水崇監督自らがメガホン、さらにロケは全編日本。主演陣が外国人なだけで、まるっきり日本作品と変わらないみたいです。「外国人が日本で体験する日本的恐怖」を表現したいということで、コレは期待じゃないですか!

 「『ゴースト』ではなく『幽霊』で勝負したい」と監督が語っておられましたが、こういうリメイクへの臨み方というのは賞賛したいです。作品の魅力とか使命を充分自覚してますよね、さすが。今まで文化の違いからあまり海外に出て行っていなかったシメっぽい「日本的恐怖」でアメリカの人たちをヒィヒィ言わせて欲しいです。「マサラ」にされちゃった貞子の恨みを晴らしましょう。



 この「呪怨」、観ている人ならわかると思いますが、オムニバス形式の物語になってます。
 かと言って全然別の物語が展開するわけではなく、登場するそれぞれの人物の視点が次々展開するんですが、時系列などがバラバラになっていたりして「あの場面はああいう意味だったのか」とか「こう繋がるのか!」なんて発見が楽しい。それは決して複雑ではなく、とてもライトにテンポよく楽しめる。

 この感覚って何かに似てると思ったら、ゲーム的爽快感というか楽しさなんですよねー。
 

 清水監督は1972年生まれでHEDなんかと同年代に近いんです。ゲーム世代と言ってもいい。ゲームの楽しさというか快感の感じ方みたいなのをあえて取り入れたのかななんて邪推したりもします(全く関係ないかもしれませんが)。
 

 ゲームが下手に映画を目指している昨今において、映画で「ゲーム的快感」を取り入れてうまいこと実にしている作品が出てきている。これはゲーム作家の皆さん少し焦った方がいいんじゃないかなと個人的に思いました。
 
 
 余談ですが、最近は「フレディvsジェイソン」みたいな「夢のコラボ(対決)」ブームだったりするので、是非日本を代表する幽霊対決「貞子vs伽椰子」を観てみたいんですがいかがでしょう。
 

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