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ファミコンのビデオ 3月 8日(月)


 そういえば大分前になりますが買いました「ファミコンのビデオ」。


 「ファミコンのDVD」じゃなくて「ファミコンのビデオ」という80年代を意識したネーミングがナイスですね〜。こんなタイトル付けられたら、我々のような属性の人間は買い決定。

 最近は編集者の暴走が特にハナにつく「ファミ通」が制作。ファミコンの歴史と共に歩んできた同誌だけに、内容は割と見応えあり!全体的にふざけずシットリした感じになってるのがいいかと。



 ファミ通上で集計されたファミコンソフトベスト100の映像や、当時のコマーシャル集をはじめ有名クリエーターのインタビューマニア所有のレアなファミコン周辺機器で遊んでみよう企画などまぁある意味誰でも思いつきそうなコンテンツですが、それが逆に安心して観られます。



 ベスト100なんかは数本を除いて全て映像がキチンと流れるのがすごいです。資料価値高いです。無駄なナレーションなどを一切省いたのもイイ。淡々とそして次々に懐かしのソフトが。
 さらに、ベスト100に入らなかったけど「これは逃せないだろ」みたいな作品は編集部推薦できちんとフォローされてて嬉しい。「イーアルカンフー」、「チャレンジャー」、「シティコネクション」、「マイティボンジャック」、「東海道五十三次」などむしろそっちの方が共感したりして。



 で、このDVDに収録されている内容で唯一「やられた」と思えるキラーコンテンツが、伝説の名人激突映画「GAME KING 高橋名人vs毛利名人」完全収録。どっからテープを掘り出したのか、まさに幻の映画復活です。

 これ、当時観てなかったし、レンタルビデオ屋にもないので「どんな映画だったんだろう」という心のシコリをずーーっと抱えていました。もう観ることはできないだろうと思っていたんですが。



 で、実際観てみたらただのゲーム対決でした。


 当時ファミコンの番組でよくスコア対決とかやってました。

 あんな感じです。テレビ番組でもいいくらいです。

 撮影機材が映画用なだけです。
 
 当然ドラマな場面一切なし。演技も必要なし。
 「対決までに一体どんなドラマが繰り広げられるんだ!?」と期待しましたが、本編はいきなり「決戦当日」というテロップから始まる始末。


 「スターソルジャー」1分間5ラウンド勝負。

 「華麗なるスーパーテクニシャン毛利名人」と「ミスター16連射パワー高橋名人」が真の王者「GAMEKING」の座をかけて対決!うーん、80年代だなぁ。


 インテリでちょっとすました感じの毛利名人に、力の高橋名人は勝つことができるのか?ファミコンファンの子供達(多分HEDと同年代)が息を呑んで見守る中勝負開始!



 勝負はやらせなのかわかりませんが、うまいこと二人の性格が現れた戦いになります。
 さすがに勝負は結構見応えがあって、思わず見入ってしまいますね〜。さすが名人!実況もかなりの名調子ですねぇ(実況は飛田展男氏でしたか。ズバリ)。

 結局3−2で毛利名人勝利。しかし得点の総合計は高橋名人の勝ちという、絵に描いたような平和的結果で終了。なるほどこれが噂に聞いた「引き分け」でしたか。

 


 この映画の一番面白いところはオープニングです。
 本来ドラマで語られるべき場面が無理矢理凝縮されてます。


手先の器用さをアピールする毛利名人。目が怖い


対して高橋名人はワイルドさをアピール


高橋サイドは面白すぎ。なぜかトンカツ屋で連射の練習をする高橋名人


もはやなんでもありの高橋名人



 脚本を書いた渡辺浩弐氏がインタビューで「「ロッキー4」のロッキーとドラゴの戦いを再現したかった」と語ってましたが、オープニングだけで無理矢理それを伝えようとしたところにサブカルチャーさを感じる。なんかアジアのあやしいC級映画みたいだ(実際そうなんだけど)。
 それより渡辺浩弐氏が脚本書いてたっつーのが驚き。何歳なんだあの人。


 しかしまぁ、古き良き80年代のテイストをじっくり味わえるビデオでした。ゲームを含めたサブカルチャーがあやしい元気さを持っていたいい時代でした。80年代、楽しかったナ。



 ファミコン生誕20周年記念 ファミコンのビデオ
 エンターブレイン
 2003年12月3日発売
 5800円
 メディア:DVDビデオ1枚組
 収録時間:約150分


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