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「任天堂レトロポップ」 8月23日(火)


 「ゲームボーイミクロ」の詳細が発表されました。

 9月13日発売、価格は12000円。カラーバリエーションは5種類。

 正直E3などで発表された時は興味なかったんですよ。個人的にゲームボーイの究極型は「GBASP」なわけで。
 しかし・・・あの
ファミコンバージョン見せられたらもういてもたってもいられんでしょ!
 
 あのCMも反則だよなぁ!
 ファミコンのコントローラーをベースに「スーパーマリオ20周年」を訴えていると思ったら、ある日突然コントローラーがファミコンコントローラーそっくりの「ゲームボーイミクロ」に!僕らファミコン世代は否が応にも反応ですよ。うまいなぁホント。

 ゲームボーイミクロは、よくよく見てみればメタリックで高級感のある材質に高精細液晶搭載、5段階のバックライトにスマートなデザインのボディと、大人が訴求する完璧な形状・スペックを誇っているんですよね。GBASPは「ゲーム機」として美しいほど完璧でしたが、今回は「モノ」としてさらに美しい。

 フェイスプレートの交換をすることで自分色にカスタマイズができる(北米版の本体には3種のフェイスプレートが同梱)という遊び心もあり、最近はファッションになりつつある「携帯電話」からもソツなくいいとこ取り。
 さらに「PLAY−YAN micro」を使うことでMP3やMPEG4の再生を「手軽に」しかも「高品質に」楽しめる。この「ゲームボーイミクロ」、形状・機能ともにスキのない「売れる商品」になってます。ゲームから音楽、映像まで「さらに手軽・コンパクト」でライバルのPSPのお株奪取に乗り出しました。


 しかもあの「ファミコンバージョン」・・・。
 サブカルチャーがもっとも輝いていた80年代、もっとも多感な少年時代を過ごした者たちにとって「ファミコン」という言葉の持つ呪縛からはつくづく逃れられないんだなと再認識させられるほどの物欲に駆られています。しかもマイクまでキチンと描かれたIIコンフェイスプレートまで用意しちゃって・・もう憎いほど完璧な戦略だよ任天堂。ごめん、ファミコンバージョン2台予約しちゃったよ。

 もうなんつーか、理屈ぬきに「持っておきたい」と思わせる商品。超物欲刺激アイテム。
 E3の時は正直「こんなの出してどうするんだろう」と思ってましたが、いやはやこりゃ売れそうです。


 任天堂の最近の戦略は、完全に温故知新戦略。
 「ファミコンミニ」に始まり、レボリューションの「ファミコン〜64ソフトDLサービス」、そしてこの「スーマリ生誕20周年記念戦略」。
 今世間ではレトロなセンスが流行となっていますが、ゲーム業界ではこの任天堂が率先してその運動を展開しています。どこもかしこも「次世代」に気が向いている中、「闇雲に前ばかり向いてていいのか」とばかりに独自の展開を仕掛ける任天堂。ややもすれば「過去の栄光にすがっている」とも取られてしまいそうですが、過去の資産を新世代に繋げようというキチンとした信念を感じます。これぞ「枯れた技術の水平思考」でしょうか。

 世間一般には様々なファッションやスタイルがあります。右へならえで「次世代」に向かっているゲーム業界にもこんなレトロポップな戦略スタイルがあってもいいですよね。
 ゲームが一部の人たちの遊びになってしまった今、かつてファミコンを楽しんだ人たちにもう一度帰ってきて欲しい。そんな任天堂の願いは通じるのでしょうか。


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