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「移植vsエミュレーション」 8月 8日(月)



 ようやく「タイトーメモリーズ上巻」をゲット!
 いやぁ、豪華ですなー。25本ものゲームが入ってて、しかもそれらが全てかつてゲーセンで活躍した名作たちだなんて、これ以上の贅沢が存在するんでしょうか皆さん。
 しかも収録されているのが「奇々怪界」や「メタルブラック」、「ダライアス外伝」、「クレオパトラフォーチュン」(他多数)など、ちょっと手の空いたときに遊びたくなっちゃうものばっかり集まってるもんだから、ついつい起動しちゃいます。いやぁ、満足。レゲーマーなら絶対必携ですよコレ。


 今回の「タイトーメモリーズ」はどうやらエミュレーションという手法で作られているという話ですがどうなんでしょうか。
 「エミュレーション」という作業がどれほど大変なのかはわかりませんが、イメージ的には「移植」よりも手間をかけない方式のような気がします。

 お気に入りのタイトルをひとしきり遊んでみて、概ね満足の再現度なんですが、「えっ?ここまでできてなんでこれが再現できないの?」という疑問を感じる点が何点かあります。

 例えば一番楽しみだった「ダライアス外伝」では、サターン版レビューで書いた点はほぼ全て解消されていて素晴らしいのですが、
「効果音が時々鳴らない」とか「ゾーンJの過去ボス影がスプライトキャラの前に表示されてしまっている」「6面で大気圏に突入する時変なラインが表示される」など「?」なところが。他にも「おや?」と思った所はあるんですが、これはAC版を確認してみないとなんとも言えないので保留。

 そして世間で一番言われているのが
「操作遅延」の問題。
 確かに操作に若干のラグがあるような気がします。個人的にはあまり気になるレベルではない(この為に買った連射パッドの斜めが入りやすすぎな方が気になるw)のですが、AC版と操作感覚が違うなら問題でしょう。

 他にも
「奇々怪界」のお札・お払いのSEが違うとか、「メタルブラック」のエネルギー干渉時の『バリバリバリ』というSEがキチンと再現されていない(あれがカッコよかったのにぃ!)など、「ダライアス外伝」の違和感同様「ちょっとやれば気づくでしょう〜!」そして「すぐ直せるでしょう〜!」レベルの違いが多くて非常に残念なんです。


 こういう「移植作」とはちょっと感覚の違う「違和感」が、エミュレーションの特徴なのかなと。
 制作期間の制限の中でたくさんの作品を収録、そしてそれぞれにそれなりの再現度を求める・・・そういう中での「エミュレーション作業」、そして細かい修正を入れる余裕もなく発売・・・。そんな制作現場の姿がありありと浮かびます。確かに仕方ないでしょう、下巻も併せて50本もの作品を再現しなきゃならないんだから。


 「タイトーメモリーズ」、商品としては大変満足です。一生モノだと思ってます。
 でも、もう一歩なんですよ。
惜しい非常に惜しいです。


 
さて、一方の「オレたちゲーセン族」の方が、制作にあの「るつぼ」のスタッフが携わっているという噂があります(ソニックウイングス以外)。
 なるほどそう言われると画像が若干ネムい以外は完全再現っぽいです。縦画面ゲームは画面モードが多彩な上に、画面の大きさ自体も自由に変えられるし、なんとなく「ツボ」をついた丁寧な作り。今や少なくなったであろう「移植」の手触りを感じます。プログラムの一つ一つを丁寧に作り直した「移植」の技を感じます。

 確かに大量収録はしてません。値段も1本2000円とそれなり(オマケを考えなければ)です。
 でもコレクション性は非常に高い仕上がりだと思います。好きな人にはとても価値のある一品でしょう。

 「タイトーメモリーズ」の公式HPに書かれている
「1本1本丁寧に、忠実に収録、再現」という言葉はむしろこちらの「移植人の技」に送られるべきかと思います。


 「タイトーメモリーズ」のバラエティに富んだ贅沢な形もとても大切です。
 50本もの作品を再現しなくちゃならないんだから、1本1本丁寧に移植作業をしている場合じゃないのも重々承知しています。でも、1本1本から「完全移植された作品」のオーラが出ていたら、もう本当に言うことのない最高の作品だったのに。

 決して低い再現度ではないです。「タイトーメモリーズ」、かなりグッジョブだと思います。
 しかし、「移植」であったならありえなかったであろう「違和感」が残念でなりません。


 今回はあくまでゲーセン族を「移植」、タイトーメモリーズを「エミュ」として話をしてきましたが、実際は違うかもしれません。ただ、もし「タイトーメモリーズ」が丁寧な移植作業の賜物だとしたら納得行かない点が多すぎます。なんていうか、不具合の部分が
非常にエミュっぽいんですよねぇ。


 そして「ゲーセン族」は何よりあの「るつぼ」のスタッフが関わっているという噂。
 真偽は謎ですが、もしそうなら「エミュ」という手段は取らないと思いますし、何より「エミュの違和感」を感じさせない納得の移植度を実現しています。

 「ゲーセン族」が続いて、「SEGA−AGES」でも「スペハリ」や「SDI」などが復刻される今、「るつぼ」の再結成が望まれますね。



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