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「ウソでもいいの」 3月16日(水)

 
行きつけのソフマでPS2版「サムスピ零」の新品が2800円くらいでワゴンセールされていたので速攻GET!SNKプレイモアのゲームはなかなか値下がりしないので「サム零」もベスト版待ちを覚悟していたのですがいやぁ運が良かった。
 ノリや雰囲気は初代が、対戦ツールとしては天草降臨がベストだと思っているHEDにはちょっと物足りない出来ではありました。無の境地なんて出せねえ!まぁ決して悪い出来ではないんですけど。

 「天草」は楽しかったなぁ。ズバズバ斬りまくって最後に一閃をビシッと決める!プシャーッと噴出す鮮血に一文字づつ「勝 負 あ り !」とスローで表示されるのが爽快でした。もうホントこれ以上ないくらいに「決まった!」って感じで、胸がすぅーっとするんですよね。

 最近のSNK格闘にはこの辺の気遣いが足らない気がしませんか。「SVC CHAOS」の決着シーンなんて論外。効果音がヘボい上にスローすらかからない。渋いグラフィックやキャラ選などはとてもいいのに、一番肝心な爽快感が足らないですよ。
 派手な技もそうですが、スローのかけ方、効果音、間(ま)などのちょっとしたニクい演出でプレイヤーの快感を引き出すことができるはずだし、事実過去のSNKはその辺うまかった。特に音の使い方は神がかっていましたけどね。

  現実にはありえない「音」で快感を引き出すというのはまさにゲームならではの手法です。
 特に表現力の乏しい8ビット、16ビット時代には当然盛んでした。誰でも色々思い出があると思いますが例えば「スーパーマリオ」で連続でコインをとった「チャリチャリチャリチャリーン」とか、「バブルボブル」で敵の入った泡を一気に割った時の音、「バーチャファイター」で大技を当てた時(特にダウン攻撃)の「ガイーン!」という音など、「ゲーム的爽快音」は挙げて行けばキリがないくらいに出てきます。

 現実には絶対そんな音はしないんですけど、いかに気持ちよくさせるかという試行錯誤で生まれた「ゲームならではの効果音」です。「龍虎の拳」で必殺技を当てた時の「スコォーン!」という音なんか絶対どう考えても出てこないような音ですが、めちゃくちゃ爽快でしたねー。まさにゲームクリエーターのセンスと気遣いの賜物。

 
 表現力が大幅にアップした現在のマシンでは「よりリアルに(現実に近く)」作ることが中心となり、「ゲーム作り」の考え方自体が変化してきています。当然上のような「ゲームっぽい音」もだんだん影をひそめ始めています。でも、昔ながらの方法論で爽快感を生み出している古参クリエーターもいます。しかし最初から恵まれた環境(表現力という意味で)の若手クリエーターたちはどうでしょうか。

 古参クリエーターによる教育もなされているでしょうが、所詮は「習うより慣れろ」。昔ながらのゲーム作り、チープな音や表現で最大限に気持ちよく魅せる試行錯誤を経験していない若手クリエイター達はなんとなく心許ないですね・・・。杞憂かもしれませんが。



 まぁ結局何が言いたいかというと「ウソついてもいいから気持ちよくさせて!」ということです。ゲームを作る人にはそういうセンスを求めたいです。

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