「新しい恐怖」 3月12日(土)
最近任天堂回りが面白くて仕方ないんですけど、この間ゲームキューブでもの凄い名作が発売されましたよ。
そう、「バイオハザード4」です。「1」の衝撃から9年(ってもうそんな経つのかヨ!)、俯瞰視点のラジコン操作から背後カメラのビハインドビューに変更しシネスコサイズで統一、アドベンチャー色は影を潜めアクション色を大幅強化。なんていうか、「面クリ型ガンアクション」というような感じになってます。すごく「変わったなぁ」という印象を受けます。
でもだからと言ってつまんなくなったかというとそんな事微塵もなし!むしろ新しい面白さを出すことに大成功してます。ナンバリング作品でありながら、マンネリ感を根底から打ち破った意欲作です。続編志向の会社(カプコン)や業界に対する制作陣の強烈なアンチテーゼかもしれません。「三国無双」あたりも見習った方がいいんじゃないでしょうか。このゲーム、何より「死の恐怖」というか「絶望感」の表現がウマ過ぎ。マジで血の気引きます。特に始めたばかりの序盤はもう何度もチビりそうになりました。
舞台はまるで廃村のようなヨーロッパのとある山村。超絶グラフィックで表現された陰鬱な雰囲気の中を探索するだけでも相当ドキドキなのですが、そこに住む人間たちの不気味なこと!完全にイっちゃってる、現実には絶対関わりたくない人たちばかり。しかもそいつらが大挙して襲ってくるんだからもうたまらん。
建物に逃げ込んで(扉につがいをしてたんすを置いて)も、窓を割ってズラズラ侵入してくるし、二階に逃げても梯子かけて二階の窓からも侵入してくるし。とにかくもう「逃げ場なし!」という恐怖感を味あわせるのがうまいんだな彼らは。今までの「バイオ」とは一味違う、新しい恐怖感をちゃんと生み出してます。
村のいたるところに惨殺死体がゴロゴロ。
彼らの生活を覗いてみよう
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串刺し死体を焼きながら、平然と仕事を続けるアブない人たち。絶対関わりたくない
そして今回は敵が「人間」ということで、何より「頭脳」と「チームワーク」を装備しています。すげえ嫌な感じです。しかも妙に人間臭いので、殺す手ごたえが生々しいです。グラフィックも超絶クラスなので、残酷表現は確かにキツイし、エグイ。
見つかっちゃったらさぁ大変。まさに袋叩きのミンチ状態に。
ゲームも進んで行きますと、さすがに恐怖には慣れてくるわけですが(それでも克服はできない)、そうなったらそうなったで「ゲーム的面白さ」が姿を現すのが絶妙な所。敵を撃って、ひるんだ所をすかさず駆け寄り蹴りを一発(周りの敵も一斉にひるむ)。倒れたところにナイフで切りかかりトドメを刺すという流麗なコンボを決めろ!そんなアクション的快感が往年のカプコンアクションを思わせ感涙。さらにそうすることが銃弾の無駄使いを抑えられるという実用的効果に繋がっているのがGOOD。手先のアクションが自らの優勢を呼ぶという単純な構図が快感に結びつくのという所がなんともゲームらしい。また、今回は敵を倒すとお金を落とすので、集めて武器商人から武器を買ったり所有している武器をパワーアップしたりできます。今までの「バイオ」ではありえないシステム。今回は本当に単純な「面クリ型ガンアクション(多少の謎解きあり)」になりました。いい意味で「ゲームっぽく」なった。HEDのようなレゲーマーにはそんなストレートさが心地いいです。うん、名作だ。この新生「バイオハザード」、まさに「ゲーム」という娯楽でしか味わえないドキドキ感・楽しさ。表現力の向上とゲームとしての楽しさがちゃんと融合した「スゴ面白い」作品です。GCや次世代機のように表現力の高い機械で「スゴ面白いゲーム」を遊び、NDSのようなライトな性能のマシンで「気軽面白い」ゲームを遊ぶ。こんな幸せなことはありませんね。
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