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「ちぐはぐ」 3月 6日(日)


 NDSの「アナザーコード」、皆さん触ってみましたか?
 「MYST」や「Riven」などの超放置プレイマゾゲーをクリアしてきたHEDにとってはまさに大期待の1本でした。なによりああいう「雰囲気型探索ゲー」には目がないんですよねー。美しくも不気味な世界をドキドキしながら探索する・・・。まさにゲームと言う娯楽でしか味わえない興奮じゃないですか。

 「アナザーコード」は、なんと言っても任天堂の珍ハード、触れる新世代ゲーム機「NDS」で遊べる本格アドベンチャー第1弾(独太はナシで)。しかもあの「MYST」シリーズの雰囲気をどことなく匂わすニクイ奴。期待するなって方が無理。

 
 で、この「アナザーコード」ですけれども・・・なんか中途半端な印象なんですよねー。なんつーか、惜しい。
 良く出来ているとは思います。グラフィックは「ここまで!」と思うくらい美しいし、作りも非常に丁寧。キャラも魅力的で特に主役のアシュレイの可愛さは異常だ(謎解き失敗した時の「できないよっ!(ふくれっツラ)」は可愛すぎて逆に笑える)。

 
 でもねぇ、ゲームとして、作品としてとにかく中途半端な感じなんですよね。
 まず音関係。
 「雰囲気型探索ゲー」としてそれはないだろー。という感想。
 このようなゲームの場合、「寂しげな自然音」や「無機質な機械音」は心細さを引き出し、世界への没入感を高めてくれます。恐怖映画のような心にジワジワ響くシットリ系BGM(わかるかな)もしかり。実際に自分が探索したら感じるであろう心細さ、不安、恐怖感などを想像させてくれるわけです。「MYST」や「バイオハザード」などはそのようなサウンドのオンパレードでしたね。

  しかし 「アナザーコード」は殆どの場面で明るめのBGMが流れていて、いまいち世界とシンクロさせてもらえない(もちろん自然音のみや無音の所ももあるにはある)。雰囲気型探索ゲーを目指しているなら、コレ相当ちぐはぐですよ。おかげで悪い意味で「ゲームしてるんだなぁ」という気持ちになり、やけに冷静になっちゃいます。

 下画面ではポリゴンで描かれた見下ろし画面が表示され、その中をアシュレイがバタバタ動き回っています(てか自分が動かすんですが)。ここも雰囲気をちょっと壊してる感じ。落ち着いた、不気味な雰囲気を醸し出さねばならないはずなのに、なんとなくせわしない感じがします。荒いポリゴンも、上画面とのギャップで非常に冷めさせてくれます。じゃあどう作ればいいんだとか言われても困るんですがその辺はプロの皆様にお任せします。お客としての率直な感想です。

 
 結局何がしたいのかがわからないのがガン。
 「MYST」のような雰囲気型探索ゲーを目指したのか、「ゼルダ」のようなアクション探索ゲーを目指したのか、「神宮寺」のような本格推理アドベンチャーを目指したのか。結局どの要素も取り込もうとして中途半端になってしまったという印象が非常に強い。無意識でやったのかもしれませんが、とても残念です。

 タッチパネルやマイクを使った謎解きも正直「ふーん」という感じで、あまり印象に残らないです。まぁその辺はまだまだ試行錯誤段階ですから次回作に期待と言ったところでしょうか。
 
 なんだかちょっと辛口になってしまいましたが、これも期待の裏返し。決して悪い出来ではないんですけどね。
 
 しかし今回ははじめに書いた「音」関連だけでもキチッとしてればまだ良かったと思う。音の演出をもっと駆使して「心細さ」や「不安感」をもっとプレイヤーの心に喚起できていれば、かなり印象は変わっていたと思います。うーん、惜しい。
 
 まぁこのゲームを「雰囲気型探索ゲー」として勝手に期待してたのはHEDですから、もし「いや、このゲームは雰囲気でドキドキさせるゲームじゃなくて物語と謎解きを楽しませるゲームだし」と言われるのなら仕方ないんですけど。でもそうだとしたら間違いなく単なる凡作ですw


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