「その悩ましさも、ハイデフ。」 12月2日(金)
うーん、年末に向かって忙しさがヒートアップ中です。気がついたらもう「師走」に入ってるじゃないですか。何事においても「忙しい」を言い訳にはしたくないので、頑張るのであります。
さてさて、ちょうど昨年の今日、ゲーム業界の風雲児「ニンテンドーDS」が発売されたわけですが、今年はいよいよハイデフ時代の急先鋒である「XBOX360」の発売を一週間前に控えた状況。プロモーションについては・・・まだまだ弱いと思うものの、ハイデフのゲーム画面を中心としたテレビコマーシャルをチョコチョコ見かけるようになりました。「その激しい戦いが、ハイデフ。」「その美しい走りが、ハイデフ。」「ハイデフ」をキーワードにしたCMで、ゲーム界におけるHD時代の幕開けをPRしています。しかしながら「ハイデフ」を世の中の皆さんに伝えるのにはかなりの障壁があります。まず「ハイデフ」の美しさを伝えるためには、「観る側」が既に「ハイデフ環境」でなければならない。CM自体当然HDで制作されていますが、SDで観るとその魅力を20%も伝えられません。これは痛いなぁ。まだまだSDが一般的であるこのご時勢では、一番の「ウリ」を宣伝する術として弱いのです。まぁ逆に言えばそれだけ実機を見た時のインパクトは大きくなるわけですが、「映像」で見せる「テレビ」を宣伝で十二分に使えないのは痛すぎます。
さらに、雑誌付録のDVDなどもSD画質のため、同じく魅力を伝えきることができません。ブルーレイやHDDVDが一般的ではない今、そうした映像メディアすら駆使することができない。そしてもう一つツライとこ。XBOX360では、プリレンダムービークラスのグラフィックをリアルタイムで動かせるというのもまた大きな売りなわけですが、それをいくらCMで流しても従来機で既にムービー多用のCMを見慣れているために何が凄いのかイマイチ伝わりにくい。「プロジェクトゴッサムレーシング3」の超悶絶グラフィックも、一般的にはムービーとしてしか捉えられない。むしろ綺麗過ぎるからこそ「ムービー」と認識されてしまいます。CMの画面に「これは実際のゲーム画面です」と入れるしかないですが、それはそれで安っぽい感じがするし、今の所そうする気配はありません。うーん、どうすれば「ハイデフ」の素晴しさを伝えられるのか。XBOX360のプロモーションがイマイチ(テレビでの露出が少ない等)に感じられるのも、その辺の「悩ましさ」があるからかもしれません。中途半端に見せるならやらない方がいい、ということなのかも。
マイクロソフトは今、今まで遭遇したことのなかった「次世代のプロモーション戦略」に頭を悩ませていることでしょう。
現状では「実機」を「ハイデフ環境」で「じかに」見せてゆく工夫、これしか選択肢はない。そう考えると青山の「Xboxラウンジ」のオープンや、HD試遊台の積極的設置などのマイクロソフトの戦法は必然性のあるものであり、「バカ売れ」より「ジワ売れ」、実機を観て驚いた人たちの口コミで浸透して行く、という走り方が今は正しいのかもしれませんね。
パッと見弱いプロモーションですが、そこに従来の宣伝方法の方程式が通用しない「次世代」の悩ましさを感じます。
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